Home *  * All archives

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
tb: -- |  cm: --
go page top

金子光晴のパリから

エジプトのツアーが、バンバンと出ている。
HISが、今年の正月から、格安・6日間のツアーを出している。
8日間ぐらいのツアーでも、お客も添乗員も腹をこわすのに、6日間というのもすさまじい強行ツアーだ。これから、猛暑の夏にかけてもバンバンと出るらしい。

エジプトは、観光地の老舗である。元祖・旅行会社のトーマスクックが、19世紀最初に組んだ世界ツアーも確かエジプトだった。
それだけの遺産がエジプトにはあるということだろう。
だから、世界中の誰もが一度は訪れてみたいと思う。
私もそう思った。
ギザのクフ王のピラミッド、スフィンクス、ルクソール、王家の谷、アブシンベル神殿、ナイル川、オベリスクなどなど・・・・・・・歴史も書物も写真も裏切らない遺跡だ!(こういう遺跡は実際少ない。行ってみてガックリすることが多い)

しかし、なんだか、居心地が悪い。
ここの国民の目つき、態度に違和感を感じる。
人を見定めるような目つき・・・・変にゴマをするような態度・・・・
親切なのかなあ・・と思うと、下町などで、とっても雑な対応を受ける。
つまり、表裏があり、とっても疲れてしまうようだ。
また、チップ、チップとどこでもうるさいし、西欧式サービスの施設に行けば、係員の暗黙の微笑みからチップのプレッシャーを受ける。

はっきり言えば、旅行しずらい。
そういうことを楽しめるようになるまで、かなり時間を要する。
10日前後のツアーでは、まずそこまで深く理解しあうことは無理だろう。

世界には、このエジプトと似たような国がいくつかある。
例えば、インド、ケニア、ミャンマーなど。

同じアフリカでも、モロッコやチュニジアは、エジプトほどの疲れを感じない。
物売りなどのしつこさを除けば、人々から受けるプレッシャーはそれほどでもない。
結構、現地の人々の優しさに都会でも下町でも自然にふれることができる。


上記のような違いが、なぜ生じるのかとずっと疑問に思っていた。
そして、あることに気づいた。
それは、エジプト、インド、ケニア、ミャンマーなどすべてが、イギリスの植民地であったということである。
つまり、これらの国の宗主国がイギリスであった。

それでは、なぜ、イギリスが植民地にすると、そのような印象の国ができあがってしまうのだろうか?
・・・正直、よく、わからないが、下記の金子光晴の一文に少しヒントを見出した。




詩人・金子光晴は、1929年船でパリに渡った。先に妻がパリに来ていたが、元々、ほとんどお金を持っていなかった2人は、1929年に起きた世界恐慌によって、さらにどん底の生活を強いられることとなった。後日、光晴は「男娼以外、なんでもやった」と言っているように、堕落のなかから人間世界を見続けていた。
 下記は、そんな光晴が、パリの近郊リオンまで、借金のため友人を訪ねてきたくだりである。


(『ねむれ巴里』金子光晴著より )
 リオンの駅についたとき、まだ夜なかであった。
・・・・・・汽車から下りると、あたりのくらさは、ヨーロッパに着いてからみたことがないほどである。
細い道の両側には、ずっと露天の店が並んで熱いコーヒーを売っていた。
これだけは全く助かったといった気持ちである。
それに、パリのような都会の中心でも、いなかでも、コーヒーの味とパンの味が変わらないのもフランスである。 
 駅の外で夜なかでも濃いコーヒーが待っててくれるという仕組みは、とかく旅に出るとうち恋しい彼らの願望がつくり出したもので、周りの条件が一応、我慢できるようになると、彼らはまた、どんな辺土にでも、そのまま居ついて、どこの生活にも融け込んでしまうという一面もあった。
 都会といなかとの生活程度の段落など物のかずではなく、口腹の欲と、現地人でもいい、セックスが満足させられるあてがあれば、世界のはてのどこにでも生きてゆくことができる人間であった。
それにくらべてイギリスの植民地に出張した人たちは、たいてい独身で、三年でも五年でも、八年でも傲岸(ごうがん)にかまえて、現地人を尻目で眺め、ウイスキーで性欲などをおさえつけて支配者の姿勢をくずさず生きてゆくことを真骨頂としていた。
イギリス人のあいだではゴーギャンのような人間はめったに居ない。

tb: 0 |  cm: --
go page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://intouch.blog56.fc2.com/tb.php/91-ef88cd01
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
go page top

新着記事+関連エントリー

カレンダー

カテゴリ

最新コメント

プロフィール

ブログ翻訳

旅行業の本

添乗に役立つ本

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。