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異邦人ーエトランゼ

旅人のことを異邦人という。
旅人といっても、ツアーで1週間ほど外国へいって帰ってくるような観光客ではなくて、長期に漂泊する外国人を指す。
その異邦人のことをフランス語でエトランゼという。

1957年ノーベル文学賞を受賞したアルベール・カミュが、1942年に発表した小説の原題は、『 L'Étranger』(異邦人)であった。
そこには、フランスの植民地アルジェリアのアルジェに暮らすフランス人ムルソーが、漂泊者として登場する。

bresson_camus_1947[1]

(「異邦人」カミュより)
・・・・他人の死、母の愛・・・・・そんなものが何だろう。いわゆる神、ひとびとの選び取る生活、ひとびとの選ぶ宿命・・・・・・そんなものに何の意味があろう。




詩人・シャルル・ピエール・ボードレールの死後、出版された散文集『パリの憂鬱」』(1869年)の冒頭には、「L'Étranger」という雲によびかける詩がある。

Charles_Baudelaire[1]

  エトランゼ
 
  「一番好きなものは何かい、
  いってごらん 謎めいた者よ、
  父親かい、母親かい、妹かい、それとも、弟かい?」

  「ぼくには、父も、母も、妹も、弟も、いないんだ」
  「じゃあ・・・友達かい?」
  「そんな言葉は、今に至るまで聞いたことがない」
  「じゃあ・・・祖国かい?」
  「そんなもの、どこにあるかも知らないなあ」
  「じゃあ・・・美かい?」
  「永久に死なない女神なら、好きになっても良いかな」
  「お金は、どうだい?」
  「君が、神を嫌いなように、ぼくは、金が大嫌いだ 」
  「それでは、いったい、何が、好きなんだい、変わった異邦人よ 」

  「ぼくが好きなのは、雲なんだ
  あそこに浮かんでる・・・・
  あの雲・・・・
  あのすばらしい雲・・・・」

800px-Pierre_FC3A9lix_Masseau_-_Bust_of_Charles_Baudelaire[1]リュクサンブール公園内




詩人・金子光晴は、「絶望の精神史」のなかで、自己流にエトランゼを定義している。
エトランゼとは、異人(外国人)をさすのではなく、同国人であってもエトランゼがたくさんいると。

4305704706[1]


(「絶望の精神史」金子光晴著 講談社文芸文庫)
・・・・僕は、ついに、自分をエトランゼという名でよぶことにした。
僕なりの苦労もしてきた末のことだ。
日本人でありながら、日本の政治、経済、国勢の伸張、国家的義務など、いっさいに、注意も関心ももたない人間は、異邦人でしかないという考えは、自分としても、ある爽快さを味わうことができたからだ。
 しかし、そういう人間をエトランゼとよぶなら、大正時代の市井にいるおおかたの人間は、エトランゼのいうことになったかもしれない。







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