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軽井沢町のスキーツアーバス事故について

15日未明、長野県軽井沢町で乗客39人をのせたスキーバスがガードレールを破って墜落横転した。多数の負傷者と運転手2人を含む14人の尊い命を奪ってしまった。昨日重傷者の一人が治療の甲斐むなしく亡くなり死亡者は合計15人となった。

そして15日以降新聞やテレビはこの事件をトップニュースとして取り上げている。いまだかつてバス事故がこれほど長い期間トップニュースとして扱われたことがあっただろうか?どうしてだろう?

ニュースの中身はどこも似たり寄ったりだ。
同じ写真、同じ仲間たち・・・・そして結論は、
2000年以降、小泉政権下における規制緩和(免許制から許可制に変更)で多くのバス会社が乱立し価格競争をまねき『安全』が置き去りにされてしまった・・・。

ただ、このお決まりの結論になんかすっきりしない思いも・・・
2000年の規制緩和。
免許制から許可制と比較的簡単に新規参入できるようになった。多くの貸切バス会社が設立されその数は免許制だった頃の約2倍へふくらんだ。それにともなって壮絶な値下げ合戦が繰り広げられ値下げに見合う利益を生み出すためにかなり人件費を含むコストダウンをおこなった。結果「安全」というあいまいな基準を自分たちの都合のいいラインで区切ってしまった。
事実だろう!
数多くの業務違反が見つかった。

〈バス会社イーエスピーの法令違反疑い〉
お客様旅程表に明記のないルート
運行指示書に詳細ルート記載なし
法定料金の下限度額を下回る価格設定
到着していないのに目的地到着・業務終了印
確認役社長遅刻により出発前点呼できず
運転手に健康診断受診させず
運転手に適性検査不問
車内シートベルト着用案内せず?

テレビに映るバス会社の社長をみているとこの人確信犯だな!と思えた。悪い人には見えないが石橋を叩いて「安全」に投資しようとまったく考えていなかった。

しかし、今一つスッキリしないのは、それほど「安全性」が脅かされているのに規制緩和後の貸切バスの事故発生率が規制緩和前とたいして変わらないことだ。
データをみると貸切バス会社は2倍とふくれあがったが貸切バスの需要は以前のままだ。
同じ規模のマーケットに2倍へと膨れ上がった大中小の貸切バス会社がしのぎををけずる。
恐ろしき光景だ!
ただ事故発生件数が変わらない!
そのことが引っかかってしまうのだろう・・・・
規制緩和が今回のバス事故の原因?

思い起こせば・・・規制緩和の前からバス会社の労働環境は悪かった!
どこも利益優先主義ならざるおえなかった。
末端の運転手にすばらしい労働環境と高収入を提供するつもりは毛頭なかっただろう。

『安全』とはそれ相当のコストがかかるものだ。
つまり、『安全』はずーっと置き去りにされていた・・・
規制緩和に関係なく『安全』という言葉は置き去りになっていた。
「まあまあうまくやってこいよ」「うまくやってくる奴もいるんだから」という業界全体の風潮のなかで、ドライバーたちはぎりぎりのところで踏みとどまっていた。

もう一つ思うのは、たとえ満足のいく労働環境を整え法令遵守を励行したとしても事故が100%起きないといえないことだ。
車両故障だってありえる。
自分が注意したって相手の車がつっこんでくることだってある。
また、乗務員の体調異変が突然起きるかもしれない。
(実際けっこう起きている。すべての年齢層に)
*http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/subcontents/data/statistics56.pdf

そう考えていくと、規制緩和を元に戻せば、簡単に「安全」が担保されると言い切れない気がする。

karuizawa1.jpg

規制緩和後、ますます運転手の業務がふえたのは確かだ。コスト削減で個性あるサービスで選別化をはかろうとするものだから、本来、安全運転だけに集中していればいい運転手に人数点呼やおもてなし的あいさつやサービスなど不似合なことを強要する。規制緩和後のコンプライアンス重視にともない責任所在を明らかにするため運転手といえども細かな事務処理作業が一段と増加したのだ。
低賃金、重労働のうえにこのような作業まで当然のように付随してくるわけだからそのストレスは半端じゃないだろう。
危機と紙一重の状態で運転しているドライバーは山ほどいるのではないだろうか。

日本の社会同様・・・
リスクの格差がひらいている。
不安とともにギリギリのところで踏みとどまっている者が多数を占める。
富める大手
貧しき中小
貧しき中小の中からまた一人とリスクを現実とする。

2年前の関越道のバス事故もそうだが、このような大事故を起こすバス会社に共通するのは吹けば飛ぶような小さい会社ばかりだ!マーケットの多数を受注しているバス会社ではなく、マーケットの隅で必死にへばりついている小さな零細企業だ。
リスクの格差は「安全」の格差なのである。

「安全」の格差は確実に広がっている。
事故発生件数だけで「安全」の格差はみえてこないだろう。

規制緩和により一番大事な安全へのリスクが高まってしまった。その後、いくらコンプライアンスを説いても無駄だった。コンプライアンスによりタイトになった職場はますますリスクが高まってしまった。だからといって規制緩和前に戻してもダメだろう!本当であれば、規制緩和前の免許制のときに、「安全」を重要視したコンプライアンスをバス会社や旅行会社に順守させ、関越道事故の際、まとめあげたような厳しい規則を励行させるべきだった。

そこへ逆戻りはできない以上、自分の身を守る術を自分で思案するしかないようだ。

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