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安倍首相の中東演説


安倍首相のエジプト演説 (1月17日)
人質事件発生後よく取り上げられる安倍首相のエジプト演説。
プロローグからエンディングまで飽きることなく「派手な言葉」がいっぱい詰まっている。

・・・中東の格言(ハイルル・ウムーリ・アウサトハー)や日本の戦後の話(先の大戦後日本は自由と民主主義、人権と法の支配を重んじる国をつくりひたすら平和国家としての道を歩み今日にいたります・・・)や19世紀日本人初のスフィンクス写真の話、日本の援助の誇り(自慢話)・・・

さすが過去に自分で「アベノミクスは買いです!」というだけあって、援助(投資?)と日本の自慢話で満ち溢れている。日本とエジプトの財界を招いての演説だから仕方ない部分もあるのだろうが、ただ、そう考えると、なんでこの場で、後に、問題となってしまった、≪『ISIL(イスラム国)がもたらす脅威を少しでも食い止めるため』や『ISILと闘う周辺各国に』支援を約束する≫など、イスラム国を批難する言葉を発してしまったのだろうかと思う。政治的な発言をする必要はあったのだろうか?
その発言は、演説の後半部分、しかも、いろいろな中東支援を羅列しているなか、たった2回、舌足らずで「アイシル」と叫んだだけだった。あくびでもしていたら聞き流せるくらい短い時間であるが、ISILという固有名詞の響きは確かに強烈だ。
演説のこの部分、安倍首相のアドリブではない。役人が書いた原稿を読んでいる。原稿をつくった役人は、どうして、ISILという単語をこの演説文の中に入れてしまったんだろうかと思う。安倍首相は、その前半部分では、「過激主義」という言葉を一度使っているのに、ここでは、過激主義とはいわずに、あえて固有名ISILとはっきりといってしまった。
エジプトでは、ISILが誕生する以前から、イスラム過激主義者のテロ事件が多数起きている。日本人も多くその犠牲になっている。ISIL以外にも過激主義グループはたくさんあり頭を痛めているはずだ。2年前、エジプトでは、民主的選挙で選ばれたはずのムルシー政権を今のエルシーシ政権が軍事クーデターで追い出した。そして、現在、ムルシー政権の支持母体だったムスリム同胞団を過激主義者扱いで非合法化し、多数の死者や逮捕者を出しながら抑圧している。
 だからなのだろうか、原稿を書いた役人は、ムスリム同胞団を刺激しないように、「過激主義がもたらす脅威を少しでも食い止めるため」「過激主義と闘う周辺各国に」、とあえて書かずに、「過激主義」のかわりに「ISIL」と過激集団名を限定した??
 はっきり言えることは、このような演説原稿を書く役人は、もちろん専門家であろう。紙面上で言葉をよく吟味したうえで、あえて「ISIL」という言葉を使ったにちがいない。
 しかも、安倍首相は、後の会見で、人道支援とは主に食料や医療サービスといっているが、そうならば、この接頭文、『ISIL(イスラム国)がもたらす脅威を少しでも食い止めるため』や『ISILと闘う周辺各国に』は、必要なかったのではないか。食料や医療という人道支援で、ISIL(イスラム国)がもたらす脅威を少しでも食い止めることができるのだろうか?食料や医療という人道支援は、「ISILと闘う」ことと何も関係ないのではないか。
食料や医療という人道支援は、発生した難民らにおこなわれるのであって、「ISILと闘う」ことにどんな意味があるのだろうか?
 つまり、私がおもうに、本当に人道支援ならば、「ISIL・・・」の文言は必要ない。
逆に、「ISIL・・・」の文言から始まるのであれば、人道支援ではない。
役人たちはそのことをよく理解したうえで、イスラム国を挑発してみせたのではないだろうか。


もう一つ、外遊が仇になったと感じる部分として・・・
イスラム国は、声明文のなかで、安倍首相のことを、こういうふうに表現した。
[ 得意気に・・・・]
You have proudly donated $100m (£66m) to kill our women and children, to destroy the homes of the Muslims・・・・
これは、イスラム国だけではなく、多くの人々が、安倍首相の演説を見てまず感じたことではないか。
もともと自慢話の多い演説だから、ただでさえ「得意げ」に聞こえるのに、安倍首相の表情や話し振りがそれに発車をかけてしまう。

『日本の中東対策! 』
『積極的に関与!』

日本の40社以上の経済ミッションを引き連れて、「アラブの春」以降、瀕死の状態のエジプトへ、『日本の中東政策!』として『積極的に関与するぞ!(積極的平和主義)』と金をちらつかせる姿は、イスラム国だけでなくエジプトや中東の人々にとって、『proudly』に映ったはずだ。
それは、見る人によっては、まるで、ほどこしを受けるエジプト(中東)で、ほどこしをやる安倍首相。




エジプトの次に訪問したイスラエルでの演説(1月19日)
イスラエルは、昨年8月のガザ攻撃以来、世界中からつまはじきだ!ガザ攻撃で、イスラエルは故意に避難所や難民キャンプや住居を狙い多くの老人や子供を含む2000人以上のパレスチナ人を殺した。イスラム教国と中南米のほとんどがイスラエルを非難した。イスラエルのスポンサーのアメリカは、いつもどおりイスラエルのガザ攻撃を支持した。今回はイギリス、ドイツ、オーストラリア、カナダもアメリカ同様、イスラエルを支持したが、これらの国で国民のほとんどは反イスラエルだ。日本はロシア、中国と同じく中立の立場を維持している。パレスチナ自治政府は、昨年末、ICC(国際刑事裁判所)への加盟が認められ、昨年のガザ攻撃を戦争犯罪として追訴する計画だ。
安倍首相がイスラエルを訪問する前日1月18日、ICCは、パレスチナでの戦争犯罪の有無に関する証拠収集や当事者双方の関係者の聴取などを含む予備調査を開始したとの声明を発表した。

*イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ自治政府:パレスチナのICC加盟への報復はやめよ

 イスラエルという国は、どんな手段を講じてでも、このパレスチナの行動を封じようとするだろう。たとえ、相手がICCという国際機関であっても関係ない。今までだってそうしてきたのだ。

そんな一番ホットな時期、安倍首相は、イスラエルを訪問した。
ネタニヤフ首相はうれしかったに違いない。百戦錬磨のネタニヤフ首相だ。この機会を多いに利用し、自国と自分のアピールに使おうとすることは想像がつく。

そして、共同記者会見。
最初にスピーチに立ったネタニヤフ首相は、常時、日本とイスラエルの信頼関係を強調する。
Japan and Israel are allies in seeking a better future.
ときどき、安倍首相と目を合わせ、相槌を打ち合う。

英語を流暢にあやつり、親子代々のシオニストとしてイスラエル政界を渡り歩き、強硬派としてパレスチナ人を平気で殺戮してきた親玉としては、話し方はとても穏やかだ。
逆に、そこにネタニヤフ首相のしたたかさが垣間見える。


言っていることはやはり過激だ。

We know the blessings of peace.
Israel seeks peace with all its neighbors.
But we know in our region, that peace and security are intertwined.
And we cannot defend our security against those who would threaten us and seek to attack us.
And do attack us, then there will be no peace.
Israel is adamant that it will have the right to defend itself
Against all those who wish to propagate terror and other attacks against its citizens,against its territory.


先のガザ攻撃も、イスラエルにとっては、隣国との平和を希求するがうえのセキュリティの一環だったということなのか。
恐ろしい国家だ。

ネタニヤフ首相はここでテロという言葉をはじめて使った。その実行者は、建国以来、イスラエルの生存権を脅かし続けるパレスチナ人を指していることは確かだ。
イスラエルの住民と領土をテロや攻撃から守る権利を強調するネタニヤフ。

平和を求め、隣国と友達になりたいといいながら、他国の領土を侵害し、住民を無差別に殺戮するイスラエル首相。かたや、韓国や中国との友好を求めるといいながら、戦争責任を否定し、領土問題に火の粉を注ぐ安倍首相。
なんとなく、性格は似ているのかと思うが、ネタニヤフは論理的だ。
だから、しいて、ネタニヤフは、パレスチナという言葉を口にすることなく、テロという言葉を、パレスチナにたいして使ってみせた。
それは、安倍首相が、このあとのスピーチでテロを非難するのを分かっていたかのごとく。
安倍首相が、このあと、テロを声だかに非難することによって、安倍首相は間接的にパレスチナを非難したことになるだろう。
The International community must continue utmost effort,in order to deal with terrorism.
安倍首相の指す「テロ」とは、ISILとイコールだとしても。

ネタニヤフ首相は、ISILのことを安倍首相のように、ISILとも「テロリスト」とも言わない。
Islamic extremists (イスラム過激派)と総称して呼んでいる。
そして、イランの核施設問題とからめて、イスラム過激派がイランの核施設を支配したらたいへんなことになるので、早くイランの核問題を解決すべきとだという。イスラム過激派が増殖する以前からイランの核施設はありイスラエルは憂慮していたはずだ。だから、一番に、イスラエルが非難しているものは、イスラム過激派ではなくイランということになる。

それにしても、安倍首相のしゃべり方、表情に、首相としての貫禄や情熱というものがまったく伝わってこないのは私だけだろうか?
日本にいるときよりリラックスしているようにみえる。
話の内容は、ほとんど原稿棒読み、当たり障りのない文章だ。
ネタニヤフ首相が、イスラエルの代表として、かなり、政治的、日本との関係について、情熱をこめて話していただけに、安倍首相の原稿棒読みのいい加減さが目立っている。

安倍首相の外遊時の映像などあまり見ることがなかったが、こうやって気にしてみてみると、安倍首相はいろんな経済援助をぶらさげて外遊するわけだから、相手国にすごく歓待されるのだろう、すごくリラックスして嬉しそうなのだ。これが好きで、外遊ばかりしていたのかと疑いたくなってしまった。




人質事件がユーチューブで公開された後の安倍首相の会見(1月20日)
人質事件直後の記者会見である。
イスラム国は人質の殺害まで72時間という期限を示し、一刻をあらそう時点での記者会見だ。いつもの安倍首相に比べたら緊張した面持ちだ。
ただ、しゃべっている内容は、あらかじめ用意した原稿を一字一句間違いないように読んでいるようである。

だからなのか、やはり、
どうしても助けなければ・・・
ひとりの日本人も殺させない・・・
という意思は伝わってこない。

まずはじめに、ISILに邦人の殺害予告に関する動画が配信されました。
このように、人命をタテにとって脅迫することは許しがたいテロ行為であり、強い憤りをおぼえます。
二人の日本人に危害を加えないよう、ただちに開放するよう、強く要求します。
政府全体として人命尊重の観点から、対応に万全を期すよう指示した次第です。
今後の国際社会と連携し、地域の平和と安定のために、いっそう貢献していきます。
この方針はゆるぎない方針であり、この方針を変えることはありません。
・・・・・
今、過激主義が国際社会にとって大きな脅威となっています。
フランスのテロ事件では4名のユダヤ人をふくむ17名もの方々が犠牲となりました。
犠牲となった方々の、そしてご家族の皆様に、あらためて、心から哀悼の意を表します。
卑劣なテロはいかなる理由でも許されない。断固として、非難します。そして、日本は国際社会と手をたずさえてまいります。国際社会の重大な脅威となっている過激主義に対し、イスラム社会はテロとの戦いを続けています。その先頭に立つヨルダンのアブドッラー国王陛下に心から敬意を表する次第です。
日本もイラク、シリアからの難民支援をはじめ、非軍事的分野でできるかぎりの貢献をおこなってまいります。わが国がこのたび発表した2億ドルの支援は、地域で家をなくしたり、避難民となっている人たちを救うため食料や医療サービスを提供するための支援です。
まさに、避難民の方々にとってもっとも必要とされている支援です。そもそも過激主義とイスラム社会とはまったく別のものであります。このことは、明確に申し上げておかなければなりません。
中庸こそ最善であり、この中東の言葉のとおり、この地域は古来、多様な宗教や人種が共存しながら悠久の歴史を刻んできました。互いを受け入れ尊重する。
寛容こそがこの地域の平和と安定、そして、さらなる反映をもたらすと信じます。


人質映像直後の会見である。
結局、まえのエジプトやイスラエルの演説と本筋はたいして変らない。
イスラム国を「テロ」「過激主義」と呼び、周辺国に人道援助をおこなうという。
前のように「ISILと戦う周辺国へ人道援助」という言い方を「イラク、シリアからの難民支援」と言い換えただけで、「ISILと戦う」という文言をまったく否定していないのだ。これでは、イスラム国がいったように、日本は、「十字軍に参加」「有志連合に参加」を認めたことになる。日本のその後の行動からも、イスラムの天敵イスラエルから情報収集をし(会見で安倍首相がはっきり言っている)、安倍首相自身が「テロとのたたかいの先頭にたつ!ヨルダン」といったヨルダンのアンマンに現地対策本部を設置し、イスラム国がもっとも嫌う米国と英国からとくにアドバイスを受けていた。
これでは、イスラム国に人質の二人を殺させる準備(あおっている)をしているようなものではないか!
ヨルダンを無理やり巻き込んだようにみえる。

そのホンネをかくすために、安倍首相が不思議に多用した言葉(たぶん役人が考えたのだろう)が、きっと、「人命重視」「国際社会と連携して」だった気がする。この言葉ほど安倍首相に似つかわしくないものが、人質事件と同時に安倍首相の口から飛び出してきたのだ。
誰もが「エッ?安倍首相が人命重視、人命優先なの?」と感じたはずだ。
その違和感はそこに嘘があるということではないだろうか。

もしかしたら、イスラム国をあおる言葉とこの「人命優先」「国際社会と連携して」という言葉は、セットで事前に準備されていたのではないか!
わたしは、すべての会見の中で、この最後の会見の台本が、一番先に用意されていたのではないかと思うのだが・・・
そこには、人質を助ける気もなければ、できたら死んでくれたほうがいいというホンネが見え隠れする。

そして、安倍首相は、この一刻をあらそうときでさえ、エジプト演説で得意げに話した、あの「中庸は最善」の話を再び持ち出しているのである。
誰に向かって話しているのか?
イスラエル?パレスチナ?まさかイスラム国に向かって、このせっぱつまった場で、「中庸こそ最善」「寛容こそがこの地域の平和と安定」といったのだとしたら、お笑い種だ。
もしとぼけて使ったのではないとしたら、「中庸は最善」という言葉を安倍首相は自分のために使ったのではないだろうか。自分がどれだけ「平和主義者!」ということをアピールするために。そう話すことで、「2億ドルの人道援助」は正当化される。
そして、とどめは、次の逸話だ。
なんとその後にまた杉原千畝の話を持ち出してきたのだ。戦前のリトアニア領事の杉原氏が、ユダヤ人難民6000人に「命のビザ」を発行したことは有名だ。その杉原氏の話を「中庸こそ最善」「寛容こそがこの地域の平和と安定」のあとに、「寛容」の代表として持ち出してきたのだ。イスラム国に杉原氏を見習えという意味で持ち出したとしたらよっぽどおとぼけだから、この逸話は、「寛容」の代表者として、人徳者の杉原氏と自分を同列視扱いしてみせたのだ。
杉原氏は熱心なキリスト教徒だ。救いを求めて領事館の柵にしがみついてくるユダヤ人たちをみてどうしようもなかった。「神は愛である」。罷免されることを覚悟の上、外務省本部の訓令に反してユダヤ人避難民へビザを書き続けたのだ。結果、安倍首相のいう「寛容」の代償として、帰国後、杉原氏は外務省から退職通告をうけ、その後不遇の時代を過ごした。
一方、安倍首相は、「寛容」とは程遠い過激主義者だ。
世界中だれもが知っている。
戦前復古の強い日本をめざし、侵略戦争を認めず、米国や韓国や中国とも歴史観で「寛容」になることはない。逆に、イスラム国のように、強行に、相手をあおる発言をする。
だからこそ、後に、寛容や中庸とは程遠い、「テロリストに罪を償わせる!」という驚くべき発言をした!

この記者会見の後、パレスチナへ移動し、アッバス・パレスチナ自治政府大統領と会談した。
そして、人質事件の対応のため、パレスチナ滞在期間を急いで切り上げ帰国したのだ。

だから、パレスチナ滞在はほとんどニュースにならなかった。
亡きアラファト議長のお墓を訪問し、ガザ復興のため1億ドルの支援をおこなうと約束したのに!
結局、安倍首相の中東最後のカットは、イスラエルのブルーのダビデの星の前に立ち、イスラム国をテロリストとよび厳しく非難する姿となった。

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