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島崎藤村の旅

 
島崎藤村というと国語の教科書にも出てくるような夏目漱石や芥川龍之介などと同時代の文豪のイメージが強い。
 『夜明け前』『破戒』など自然主義文学者。
 また、『初恋』などの詩人として、晩年には、『幼きものに』など童話作家としての顔も持っている。
 長野県の馬籠には、「藤村記念館」があり、江戸情緒を残した馬籠宿・妻籠宿への木曽路旅行では必ず訪れる。
 そんなイメージだけでいえば、山村出身の古風で保守的な堅苦しい小説家、島崎藤村を想像してしまう。

 しかし、藤村は、40歳を過ぎてから、日本を棄てるようにフランスのパリへ渡っている。
 大正2年、1913年である。
 その時の記録は、主に、『海へ』『エトランゼエ』という旅小説に収められている。
 
 『エトランゼエ』の序文に、旅について、藤村自身の気持ちを吐露している。
 旅の意味は、すぐにはわからないと。
 旅の有難さは、後から分かるものだと。
 親の有難さと一緒かもしれない。


島崎藤村著『エトランゼエ』

 世界を旅するのは、自分等を見つけに行くようなものだ。私はこの旅に上がるそもそもの日から、それまで深く意識もせずに居た自分の髪を見つけ、自分の皮膚を見つけ、自分の眸(ひとみ)を見つけた。そればかりでなく異郷の送る月日の多ければ多いほど、私は旅の空でめぐりあった多くの同胞から、それまで気がつかずに居たいろいろな性質のあることを学んだ。私は随分さびしい思いをして来たがーーーそのさびしさは、二度とこんな旅をする気に成れないと思い思いしたほどのものであったがーーーしかし後になって見るといろいろな意味でこの旅を得としなければならない。




旅は、ロングレンジで、何度も反芻するものなのかもしれない。

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