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関越道 高速バスの事故

関越道でツアーバスが事故を起こした。
乗客7人の死亡を含む多数の重軽傷者を出した。バスが防音壁に追突した映像をみると事故の大きさが想像できる。バスの運転手は重傷を負ったと放映されていたはずだが、いつの間にか運転過失致死傷容疑で警察に逮捕されていた。

 *事故の運転手「退院できる状態にない」 病院側見解 2012.5.1 14:36
 * バス運転手を逮捕 2012.5.1 16:49

 しかし、事故後の報道をみていると、「またか・・・」と本当にあきれてしまう。
 5年前のあずみ野観光バス(スキーバス)のときと同じではないか?あのときも、「居眠り運転」「加重労働」「労基署の是正勧告」「規制緩和による過当競争」・・・・・・・・

 ツアーバス(高速バス)主催会社からのオーダーに無理をしてでも応じる弱小のバス会社・・・断ったら次回から仕事は回してもらえないかもしれないというプレッシャーのなか、ドライバーに法定ギリギリもしくは超過の加重労働・・・・あげくのはては、「居眠り」、そして、死亡事故へと・・・・
 ツアーバス(高速バス)主催会社は、当然のごとく、バス会社の労働環境は健全なものだと思っていたといい、国交省などの監督機関は、ちゃんと是正勧告は出していたが今後の課題としてこれからしっかりと・・・というようなコメントを垂れ流す。

 そして、このような弱小家族経営のバス会社と旅行会社を倒産させて、ほとぼりのさめるのを待つ。
*サミーツアーとあずみ野観光バス
何年に1回しか起こらないこのようなバス事故より業界の都合のほうが常に優先されるのだ。

 以下は、5年前、2007年2月18日に起きたスキーツアーバス事故の際の朝日新聞である。

skitourbus1.jpg2007年(平成19年)2月19日

skitourbus2.jpg2007年(平成19年)2月21日

skitourbus3.jpg2007年(平成19年)2月21日

skitourbus4.jpg2007年(平成19年)2月24日

skitourbus5.jpg2007年(平成19年)2月24日

skitourbus6.jpg2007年(平成19年)2月26日

 2007年(平成19年)2月19日の記事には、貸切バスのドライバーの労働基準について、4時間運転で30分休憩、1週間の拘束時間は原則65時間(4週平均)を超えないと決まっていると書いてある。他の新聞記事でも、夜行の場合、ドライバーを含め2人体制が基本のように書いてあった。私の記憶でも、長距離の場合、昼間でももうひとり補助ドライバーがついていた。

 この事件以降、「一日9時間まで」の上限が追加されたようだが、根本的なドライバーの労務状態は以前のままなのだ。つまり、2007年の事故は、労働条件さえ守っていれば事故は起こらなかったというところで決着がはかられてしまった。
 労働基準は悪くないんだ!
 そして、その後見え隠れするのは、「安全」へのシフトではなく、「強欲」のほうへのシフトである。
 より安全性を高めるために労働基準を見直そうとするのではなく、観光業界が違法といわれないために労働基準を緩和したのではないのか?
 1日670キロや9時間などと労働基準を見直したようにみせて、実は、より業界に優位になるように特例を設けて法制化したのではないのか?いぜんは、2人ドライバーがいた夜行バスが今では当然のように一人になり、高速バスのドライバーはお客へのサービスや運行にも気を使わなければならなくなった。
 添乗員に観光ガイドや通訳など・・・どんどん業務が追加(緩和)されるのと似ている。
 
 今回の関越道のバス事故でも、あたりまえのように、マスコミが、責任者のあぶり出しに躍起になっている。
 しかし、あと1週間もすれば、また違う話題で盛り上がることだろう。国交省の以下のような「・・・・同省は『事故原因の調査状況も踏まえた上で、なるべく早く方向性を出したい』と話している。」とコメントでお手打ちだろう。結局、最大の弱者である運転手の労働環境は変わらないまま、次回のバス事故まで小康状態となることだろう。
*走行上限670キロ、基準見直し検討 国交省 2012.5.1 21:37

 2007年のバス事故では、18歳未満のスタッフを乗務させていたので労働基準法違反を問うことができたが、今回の場合、業務上の違法行為は見当たらないようだ。いくら、「加重労働」などと騒いでも上限を超えてなければ法人の責任を問うことはむずかしくなるのではないか。そうなると、バス会社や運営会社の責任はかなり限定されてくるだろう。ドライバー個人の責任は増大するが、それとても自動車運転過失致死傷罪であり、もっと罪の重い危険運転致死傷罪ではない。
 被害者および家族の悲しみと怒りはたとえようもなく深くなるはずだ。

 今回バス事故を起こした主催会社「ハーヴェストホールディングス」の大屋政士社長は、この度の事故の原因は、けっして「格安」だったことではないと発言した。
*旅行会社社長が謝罪 格安が原因「絶対ない」
 大局的にみれば、誰の目にも「格安」が「安全性」低下の一因であることは火を見るより明らかではないか。
 ただ、社長の言い分にも一理あるとはおもうが・・・・・
 それは、この業界においてドライバーなどの末端の労働者は、「格安」であろうとなかろうと労働条件は悪いのだ。たとえ旅行会社やバス会社が儲かっていようと末端の労働者の賃金や労働環境が改善されることはなかったのだ。

 では、これから、バスのユーザーはどのようにして自分の身を守ればいいのだろうか?
 ユーザーにとって、自分が今利用しようとしている高速バスの中身はほとんど見えない。料金=安全というわけではないとなると、何をもって判断すればいいのだろうか?
 バスの場合、列車や飛行機のように安全のための自動制御装置がついてはいない。ドライバー個人の技量にゆだねなければならない。人間が完璧でない以上、いくら基準を見直しても100%「安全」が担保されることはけっしてない。ならば、事故へのリスクをできるかぎり軽減しているバスを我々は選択するしかない。目に見える範囲で考えれば、夜行バスや長距離バスに関してはドライバーの2人制を取っているとか、ドライバー以外に添乗員を乗務させているとか、または、ドライバーには迷惑だろうがドライバー席上に監視モニターを設置してバス会社でチェックしているとか・・・・・・
 そして、万が一、事故が起きたときには、バス主催会社の共同責任をとうことができれば一番いい。そうしないかぎり、主催会社が真摯に「安全」と向き合うことはできないだろう。どこかで、弱者に責任を押し付ける意識があるかぎり、けっして事故が軽減することもなければ、事故被害者たちの平安が訪れることもない。




 

 
 
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この記事に対するコメント

お寒い限り

 初めてのブログ訪問ですが、足跡コメント残します。

 私 観光業はこれからの日本で基軸産業の一つとして、国には
本腰を入れて活性化してもらいたいと思っていたのですが、この度のバス事故に関する報道を見聞きするにつけ、観光を支えるはずのバス業界の実態には驚くばかりです。
 
 またこの記事を拝見するに、国には「安心して観光のできる国」を整備しようという姿勢がほとんどなく、関係業界の利害調整に終始しているにすぎない、ということは残念でなりません。

URL | やまねこ亭 #-
2012/05/08 09:32 * edit *

関越高速道 高速ツアーバス事故

バス会社、ドライバーを多くのマスコミは攻めていますが、「弾除けの後ろで偽死する狸達」、 「狸」即ちツアー会社(の姿勢に)に行政がメスを入れない限り変わらないのでは?今は高速ツアーバスが問題になっていますが募集型企画旅行でも同様ですよね。旅行会社にバス会社等を使用(利用)しているとして使用者責任を課し、第一次の責任を負わせ、被害者に損害賠償をさせ、しかる後旅行会社が被害者に支払った賠償金をバス会社等から求償するとしたら事故はかなり防止できると思います。この考え如何でしょうか?

URL | 筌翁 #-
2012/05/05 17:55 * edit *

以前

新潟県で添乗業務に就いていましたが、あるとき、新潟~USJ往復夜行のツアーを担当しました。
打ち合わせ時の確認で運行するバス会社は夜行にも関わらず乗務員1名のみとのことで、ツアー担当者に問題ないか確認を取ったところ『バス会社の規定なので・・・』との返事でした。それ以上対応せずとのことで・・・。
道中、何度か乗務員が船をこぐことがあり、なるべく話しかけたりもしました(といっても夜行なのであまり大きな声は出せず、私自身船を漕いでましたし・・・)。
帰着後、精算報告時に『今後、夜行の場合は乗務員2名体制を強く望みます』と報告書に書いたところ、ツアー担当者に睨まれました。

(こんなことが続くなら、またいつかエライ事故起きるのでは・・・)そう感じました。ちょうどあずみ野バス事故の年の、夏休みでした。


今回の事故で、旅行会社のコメントがとても気になりました。

『法令上問題なかった』

URL | 匿名係長 #-
2012/05/03 19:43 * edit *
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