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旅行ツアーのアンケート

アンケート

 ツアーに参加したお客は、最後にアンケートを記載しなければならない。
まるで、義務のように、添乗員はお客へアンケート用紙を配布して再び回収しなくてはならない。
アンケートは、本来任意のはずであるが、旅行会社によっては、しっかりとお客様数分の回収を義務づけているところもある。

もともとアンケートとは、旅行会社の今後のツアー運営のためにお客にお願いして書いてもらうものであって、お客にとってメリットのあるものではない。お客の立場からしたら、もうすでに終わりかけている自分のツアーのアンケートを真摯に書いても何一つメリットはない。
渋谷の路上でアンケートを取っているオバサンだって、お礼に何かくれるものだが、ツアーのアンケートはほとんど強制にもかかわらず、お客に対しても、余分な労働をしている添乗員に対しても何一つ旅行会社はくれない。

そこまでして、お客がアンケートを書いてくれたのに、旅行会社は、添乗員のチェック欄以外、アンケートを真剣に次回のツアーつくりに生かそうとする姿勢はみられない。ほとんどポイされている。
そのことは、逆にいえば、アンケートをツアーの品質向上のためにお客に書いてもらっているのではないことを指している。
品質向上にどうしても必要だとおもえば、渋谷の路上のように、お金を出してでも利用者の意見を聞こうと思うのだろうけど、旅行会社には、「お客のために」「お客にとって」という視点は最初からなかった。だから当然、お客に「お礼に粗品を!」という発想が生まれることもなかった。


それでは、何のために旅行会社はアンケートを取るのか?
お客のためにもならないアンケートを何のために旅行会社は取るのか?

現在、街に出ると、至る所で、アンケートが置いてある。
レストラン・・居酒屋・・
飛行機内・・・
テレビの修理を頼んだら、出張係員が、これまた最後にアンケートを出す・・・・・
ホテルや旅館、格安のビジネスホテルに泊まってもアンケートが置いてある。

普通、このようなアンケートをわざわざ書きたいと思わない。
特に、サービスに満足している人は書きたいと思わないだろう。
人的なサービスを受け満足している者にとって、アンケートを書くという行為はかなり面倒くさいことである。
満足して気持ちがいいのに、ペンを握りしめて、アンケート用紙と向かい合わなければならないのか。

「・・・の受け答えはいかがでしたか?」・・・・・・大変良い・良い・普通・悪い・大変悪い
「・・・・料理の味付けはいかがでしたか?」・・・大変良い・良い・普通・悪い・大変悪い

「1泊目のホテルはいかがでしたか?」・・・・・・大変良い・良い・普通・悪い・大変悪い
「3日目の夕食はいかがでしたか?」・・・・・・・・大変良い・良い・普通・悪い・大変悪い

「添乗員のサービスはいかがでしたか?」・・・・大変良い・良い・普通・悪い・大変悪い
「添乗員の態度はいかがでしたか?」・・・・・・・大変良い・良い・普通・悪い・大変悪い

お客は、アンケートを書かなければならないと思ってペンを握りしめた瞬間、ドーパミンで多幸感いっぱいの頭を冷静に思考できる頭へ切り替えなければならない。お客にとっては、この多幸感のために料金を支払ったともいえるのに、アンケートのおかげで、すべてが台無しである。
アンケート用紙には、比較して批評しなければならない項目が並び、その場における感情や印象のヒエラルキーを形成しなければならず、お客の人間(性格)形成の上でもマイナス効果が多い。

昔付き合っていた恋人がいて
今、大好きな恋人がいる!
「どっちが一番好きだった?」と聞かれたらどうする?
「両方とも同じくらい好きだろう!」
それが「好き!」ということだろう!
それを、身長、体重、年齢、センス、家族、趣味、年収、性格、行動などに分類して、比較批評して、どちらが好きか!5段階で採点しなさいというのが、アンケートである。

アンケートを書くことは、メリットどころかデメリットになる。
このことを、旅行会社もお客も添乗員も、よく理解すべきだ!


しかし、たまに、アンケートを書きたくなることがあるだろう!
どういうとき?
頭にきたとき!文句を言ってやりたいとき!(主観的な感情も多い)
このときは、アンケートを捜して、率先して悪口を書きたくなるだろう!
旅行会社の目的は、当にこれだ。
旅行会社がアンケートをとる目的は、ここしかないのである。
なぜなら、ここ以外、メリットはないからである。
お客の抱いた悶々とした不満・クレームをアンケートという緩衝剤を使って、解熱させる。そして、旅行会社は、お客の不満を早目に認知することによって、そのお客に対して早目に対処することが可能になる。
そのためだけにアンケートを取っているのだ。旅行会社の都合でアンケートを取っている。本当に正当な不満であれば、添乗員の報告などによって、旅行会社が真摯に受け止めればいいことである。そして、しっかりとお客に対処くればいいことである。そういう窓口をつくって、お客の電話なり、手紙に答えればいいことである。


そしてもう一つの問題がある。
アンケートに書かれた不満の責任を添乗員がすべて背負わされることだ!
日程表の観光地を見学できなかったというような法的にしっかりと責任が明記されているトラブルに関する不満ならまだいいが、ほとんどの不満は、コミュニケーション不足や相違からくる感情的不満である。そうなると、なかなか誰が悪いなどと云い難いものである。つまり、そういう多くのクレームの責任は、添乗員が能力不足ということで片付けられてしまうのである。
「他の添乗員は、同じような状況でもクレームは出しませんでした!」とか言われて!
つまり、添乗員の責任にできるのだ。

また、
正当な不満や主観的不満はもちろん!
最初から悪意に満ちた不満まで!
添乗員は、一々旅行会社に説明を求められる。
お客のなかには、ツアーが始まる前からアンケートに悪口を書くことがわかっている輩がいる。こういう輩は、どんなツアーだろうと、どんな添乗員だろうと、必ず、アンケートに悪口を書く。
私の経験からいえば、普通のツアーで約1割前後こういうお客がいるのだ。
こちらのクレームもお分かりのように添乗員の責任となるのだ。

しだいに、添乗員にとって、アンケートを取る作業は不満の対象となった。
そして、恐怖になった。
優秀な添乗員であればなおさら、自分の添乗の足を引っ張るアンケートは、不良サービス以外の何ものでもなかった。
うまく行っているツアー(お客が満足しているツアー)ほど、添乗員はアンケートを取りたくないものなのである。


以前、大手派遣会社の添乗員が、アンケートを改ざんした。
恐怖心から、回収したアンケートの中で、自分のことを酷評したものを改ざんしたのだろう。
改ざんは悪いが、気持ちはよくわかる。改ざんせずに提出したら、どういう処遇が待っているのか、想像できたから、改ざんしたのだろう。
改ざんされているとは知らずに、クレームを旅行会社まで電話で申し出たお客に、旅行会社(阪急トラピックス)はあわてた。そして、アンケートを添乗員が改ざんしたことがわかると、旅行会社は、その添乗員を出入り禁止にした上、全派遣会社にその添乗員の氏名をFAXで公表しどこも採用しないよう呼びかけた。事実上、二度と添乗できないように締め出したのだ。その後、この旅行会社のアンケートは、添乗員が改ざんなどできないように、回収したアンケートに添乗員が接触する時間をできる限り少なくする処置が施された。そう!添乗員は、日本帰国後、空港の宅配会社にて、旅行会社宛てでアンケートを速やかに送付しなければならなくなった。すぐ添乗員は旅行会社へ報告に行くのに!である。

この旅行会社(阪急トラピックス)のツアーパンフレットには、「ツアー通信簿」なる記載がある。
ツアーごとに点数が記入されているのである。
その後記には、(昨年度ツアー参加のお客様評価点による)と書いてある。

まず、この「通信簿」!という表現に驚くと同時に恐怖感を覚えた。
そして次に出てくる、お客様評価点!とは何か?
これは明らかにアンケートのことだろう。
つまり、お客様が書いたアンケートをこの旅行会社は、「評価点」と称しているということだ。
その「評価点」の集計を「通信簿」ととらえている。
そんなことが許されるのだろうか?お客はそれを知っているのだろうか?
もし、お客はアンケートのつもりで用紙に記載し提出したものを、旅行会社が通信簿の評価ととらえたならば、お客はツアーの審査員だったということになる。
勝手に審査員にされた行為は許されることではないだろう。

そして、このような行為によって、この旅行会社の本音がはっきりとわかったであろう。
アンケートは、決してアンケートではなかった、ということを!
アンケートならば、次回のツアーの品質向上につながるべきものであるが、次回のツアーの改善どころか、それを点数化し表示してしまっている。本来、旅行会社がアンケートを取るのであれば、その内容を参考にして、次年度のすべてのツアーが最高点になるべく努力して、ツアー造成するのが責務だろう。それを、過去のアンケートで「通信簿」をつくりました!とは、芯まで腐っているとしか思えない。

お客は、もしかしたら、「通信簿」の点をみて、ツアーに参加したかもしれない。それは、そのお客自身が、「評価」を意識するあまり、「評価」という基準の犠牲者になるかもしれない。また、自分も次の参加者のための審査員にならなければならないのである。


ニッコウトラベルの場合、アンケートで、添乗員の手当てを配給する。
ツアー終了後、アンケートを点数化して一定基準に達すれば、添乗員に特別手当が渡される。
添乗員の意識向上のために始めた制度だろうけど、やはり、お客のためになるのかと疑問が沸く。
どんなすばらしい添乗員でも、アンケートを意識すれば、目先のサービスに走りやすい。短絡的、表面的なサービス。サービスをロングレンジで捉えることができなくなる。


やはり、アンケートは本来のアンケートに戻してほしいと思う。
または、中止してほしい。
アンケートでクレーム処理することも、アンケートを評価表と考えることも、結局、旅行を歪曲化し、お客様のためにならない。

旅行会社は、人を見る眼を放棄したとしか思えない。


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