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頑張れ!ハウステンボス

 HISの澤田会長は、昨年2010年4月、長崎のテーマパーク『ハウステンボス』を子会社化し、社長に就任した。
 そして、1992年開業以来、赤字経営を抜け出せなかったテーマパーク「ハウステンボス」をはじめて黒字へもっていった。

ハウステンボス121

2011年2月21号『AERA』より


 クリスマスイブの12月24日、澤田秀雄(60)は真っ赤なサンタクロースの衣装を身につけた。
「ようこそ、いらっしやいました」
 178センチの体躯の彼が、腰をかがめて子どもたちにキャンディーを配る。こんな格好をするのは初めてだった。
 格安旅行のエイチ・アイ・エス(HIS)を起こし、スカイマークを創業した彼が、3度目に挑むのがハウステンポスの再建である。
 澤田はHIS社内の猛反対を押し切ってハウステンポスを買収した。1992年の開業以来一度も黒字になったことがなかった巨大テーマパークだ。2200億円の総工費を投じた豪華絢爛たる施設は築20年に迫り、今後、維持補修費がかさみそうだ。誰もが尻込みし、前の持ち主だつた野村プリンシパル・ファイナンス(野村証券グループ)は自力で転売先を見つけることさえできなかった。その「火中の栗」を敢えて澤田が拾った。
「失礼な言い方ですが、野村のプロのチームがやってダメだったものが私たちにできるのかと。HISの中はみんな反対でした。その反対を押し切って僕がやろうと言ったのです。言った以上は、若手に任せられない。難しい案件なので自分がプレーイングマネジャーになろう、と」
 それは澤田の旺盛な事業欲によるのだろう。HIS、スカイマークのほか、破綻した山一証券傘下の旧協立証券や、産業再生機構が支援した熊本の九州産業交通をこれまで傘下に収めて、それぞれ再建させた。奇異に思われたモンゴルの銀行買収も、いま振り返れば資源・新興国ブームを先取りしたと言える。
 ハウステンポス買収の動機もそんな彼特有の時代観による。
「5年後、10年後には『ビジネス観光都市』の時代が来ます。ビジネスと観光・エンターティンメントを結びつける動きがいま、世界中であるんです」

 施設内唯一の住人
 HISが昨年4月、ハウステンポスを子会社化して以来、澤田はハウステンポス内のホテルヨーロッパの一室で暮らす。ときおり東京に帰るが、1年間のうちほぼ3分の2は単身赴任状態で、施設内の「唯一の住民」
と笑う。電動アシストつき自転車で毎日園内を走り、「ここの明かりが少ない」「看板の表記を直して」「BGMがないと寂しい」と細かな注文をつける。
 サンタもその一つだつた。毎年オランダからサンタに扮する芸人を数百万円かけて招いていたが、澤田には無駄に映った。が」やめると、子どもたちから「なんでサンタさんがいないの」と苦情が寄せられた。それでは、と自らがサンタになった。
「自分でやればタグですから」
 夏の炎天下で王様や王子にも扮した。
「着ぐるみを着てわかつたのは、すごく歩きにくいこと。サポート役がいないと前を見て歩けないんです。2人がかりなのよ。だからこれから1人で着て動けるものに改めます」
 一つひとつの細かな改善がやがて効率を促し、社長自らが働く背中を見せつけることで、次第に社員のやる気を引き出していく。圏内のホテルマンから広報担当の課長になつた高田孝太郎は、感激して言った。
「トップマネジメントと現場の距離がすごく近くなりました」
 澤田は照れながら言う。
「社員の負け癖がひどくて。負け続きで自信がないんです。だから僕が現場に住んでコミュニケーションを増やして、教育してるんです。みんないやがりますが(苦笑)」
 ハウステンポス創業者の神近義邦は芸術家肌で、現場から遠いカリスマだった。やがて経営が悪化し、みずほグループの銀行管理下となり、会社更生法の適用申請後、野村が再建スポンサーに代わった。だが、みずほや野村から送り込まれた幹部陣は、東京が恋しいサラリーマンばかりだ。事業家という点では、実は澤田が初めてだ。自ら汗を流さず、オフィスで数字を見ているだけの自称経営者とは決定的に違う。

 2割増と2割減の方針
 彼が打ち出したのは「売上高の2割増と経費の2割削減」というシンプルな方針だが、それまで誰も実現できなかったことだ。経費削減策では、広大な園内のうち直営部分を3分の2に限定し、港湾施設は長崎県に、下水処理施設は佐世保市にそれぞれ譲渡した。さらに一部を無料ゾーンとして他の事業者に開放し、質料収入を得られるようにするとともに、無料区域の維持費負担から免れた。
 売り上げ増は、高かった入場料を下げる半面、園内のレストランや販売店を拡充し、お金を落としてもらうことで実現を図った。AKB48などタレントの公演やフジテレビと共同運営する西洋風お化け屋敷の開館にもこぎつけている。
 佐世保市が年間約9億円の固定資産税の実質的な減免を申し出たことも手伝って、昨年4~9月期の決算は売上高が微増の61億円を達成、営業損益段階ではまだわずかながら赤字だが、市の補助金効果によって経常損益は4億円の黒字だった。前年同期の6億8千万円の赤字から11億円もの損益の改善で、もちろん黒字は初めてだ。
「いや、まだまだですよ。自己採点すると58、59点かな。60点に届きません」

 8年ぶりの賞与支給
 昨年暮れ、賞与を支給した。十数万円というわずかな額だが、8年ぶりのことだった。
「とりあえず出そう、と。出すことが先決でした。頑張って利益が出たら賞与を出す。勝ち癖をつけて、待遇を少しでもよくしよう、と考えたのです」
 大底を打った感のあるハウステンポスは今年、反転攻勢に乗り出そうとしている。第1号が、春に無料ゾーンで開園する「イングリッシュ・スタウェア」だ。隣にある米軍住宅で暮らす米軍人の夫人たちに英語のコーチをしてもらおうというアイデアだ。

 上海からの船にカジノ
 第2号が上海ー長崎の航路開設である。すでに昨年暮れ、船の所有会社をパナマに設立し、1月には運航会社を園内につくった。澤田は2月上旬、中古船の商談のためにギリシャに足を運んでいる。
「リーマン・ショック以前は中古船も50億円したが、いまは20億円で買えます。これを改修して中にカジノをつくります」
 改修後、7月には週に3便就航させる計画でいる。もはや飛行機による旅客輸送の時代ではないという。澤田によれば、裕福になった中国人が海外旅行に本格的に動き出して以来、飛行機のチケットが入手しにくい、つまりHISにとって「格安航空券が仕入れにくい」状態になった。飛行機は300人程度しか運べないが、船ならば1500~2千人を輸送できる。
 本来13時間で到着する東シナ海を、ゆっくり二十数時間かけて横断する。船賃は片道7千~8千円に下げ、船内のカジノやレストランで楽しんでもらう。
 国内では違法なカジノも公海上ならばできるそうだ。
「長崎は日本の西の端で、東京や大阪からの集客が難しかったのですが、見方を変えれば東アジアの中心です」
 大連、釜山、台北・・・・。航路を続々開設するのも夢ではない。戦前は、海外旅行客の4割が長崎から船で旅立った。
「大航海時代がまたやってくるのです」
 ハウステンポスの救世主には、荒海に乗り出すベンチャー精神が宿っていた。  (文中敬稀略)
          編集部 大鹿靖明


 そもそもこの「ハウステンボス」は、「テーマパークを越えた街づくり!」という夢に冒された一人の実業家・神近義邦氏に、大企業、政治家、国家、大銀行・・・などが感染するかたちで邁進していった。初期投資だけで、2000億以上という巨大な夢に誰もがうなされていた。バブルの時代が関係していたのかもしれない。投資したくてうずうずしている人たちが山ほどいたのだ。

 しかし、1992年の開業と同時にバブルがはじけてしまった。
 神近氏の夢に賛同し投資した大企業家たちのあわてようが目にみえるようだ。とくに、バブルの最大の戦犯というわれる銀行家たちの・・・・ハウステンボスのメインバンクは、あのバブル時代最もアコギな銀行といわれた日本興行銀行だ。

 そして、もう1社、あわてた会社があった。
 ハウステンボスと一心同体だったはずのJTBだ。JTBは、社長公認のもと、役員まで派遣しハウステンボスの年間400万人総客の目標の一翼を担う約束だった。それが1996年の380万人をピークに下降の一途をたどることとなった。ついには、2003年、会社更生法を申請し破綻した。その後、みずほや野村が債権処理にあたったがうまく芽が出なかった。
 もちろん、地元を含め、国の税金や援助、優遇策を注ぎ込んできた結果がそれである。

 誰もが、あきらめたハウステンボスに、HISの澤田会長がやってきた。
 一番高笑いしたのは、JTBだったのではないだろうか?
 本来、JTBこそ、再建に名乗りをあげるべきだと思うが、こういうときの逃げ足は誰よりも早い会社である。
 「また、ババを引いた!!ハハハ・・・・・」
 スカイマーク同様、ババに手を出した。これで、HISもおわりだ!という笑い声が聞こえるようである。


ハウステンボス物語―男たちの挑戦ハウステンボス物語―男たちの挑戦
(1992/03)
上之郷 利昭

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・・・・・・・・・ JTB会長・石田博が「これはJTBとしても全面的に支援するに足るところだ」との印象を抱くに至るきっかけになったのは、一九八九年、「TAP」(ツーリスト・アクション・プログラム=観光立県会議)の一員として長崎オランダ村を訪れたときのことである。
「TAPというのは瀬島龍三さんが議長をしておられて、国内旅行の振興を図るために運輸省、自治体、旅行旅客業界で構成した組織なんです。その第一回の会議が長崎県と熊本県を対象として両県で行われた。そのとき、長崎県で行ったのが、オランダ村なんです」
一九八九年のオランダ村はウィレムスタッド、プリンス・ウィレム、観光丸などが揃い、完成期を迎えていた。そして、石田が会ったとき、神近はすでにハウステンポス・プロジェクト推進に向けて情熱を注いでいた。
「しかし、ハウステンポスはオランダ村に比べてあまりにも規模が大きすぎる。正直なところ、そんなことが実際にできるのかなあという印象を抱きました。ただ、その途方もないプロジェクトを実に一生懸命説明して、私に理解させようとする神近さんという人物には興味を持ちましたねえ」
 最初の訪問のときは、TAPメンバーによるグループ旅行ということもあり、個人的に突っ込んだ話をすることなく引き揚げた。しかし、その後、石田は神近と親しく話をする機会を持つ。そのときの神近の話がまた、石田の興味を惹いた。
「神近さんは、こんなことを言っていましたよ。『人間、志を立てたときには、たとえば ″お茶断ち″とかいって、願いが成就するまで自分の好きなものを断つ。自分は何を断とうかといろいろ考えたが、結局、休みを断つことにした』と。本当によく働く人ですが、″休み断ち″ というのは、初めて聞きましたよ」
 こうして、神近は日本の旅行業の最大手・JTBのトップから第一線までを、ハウステンポスという巨大なプロジェクトに巻き込むことに成功した。
 ハウステンポスの集客を担当する営業拠点は、全体を統括する長崎オランダ村本社を中心に、福岡支社、広島支社、大阪支社、名古屋支社、東京支社、仙台支社の六支社が設けられている。一九九二年三月には札幌支店が開設。その支社長の顔触れを見ると、常務取締役営業本部長として全体を統括する染谷をはじめ、取締役営業副本部長兼福岡支社長・堀口武人、取締役東京支社長・東山義輝、取締役大阪支社長・青木勲などJTBからの出向、あるいはOBで占められていることが分かる。集客におけるプロ集団・JTBのウェイトがいかに高いかが理解できよう。
 これら旅行業のプロたちに課せられた重要な命題は「年間四〇〇万人の集客」。・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 上記本のなかで、日本興行銀行から派遣された代表取締役副社長の岸田文夫氏は、次のように締めくくっている。


 この地は日本のモナコとなる

「ハウステンポスはね、モナコとちょうど同じくらいの大きさなんです。モナコは小さな国だけど、文化も芸術もいろいろなものがあって、世界じゅうからこれはという人たちがやってきて、世界じゅうに知られているリゾート地でしょう。ハウステンポスもいずれはそういうところになる可能性を持っていると私は思っているんす」
 岸田はハウステンポスの速い将来にそういう夢を描いた。この地につくられようとしているのは「リゾート」というよりも「街」としてとらえるべきだと再確認できる言葉である。社長の神近は岸田に対し「街づくりはこれからのリーディング産業になる」と明言したという。良い製品を安く作り輸出してきた日本の経済は、今海外で貿易摩擦を引き起こし、転換期に来た。ハウステンポスという街にはそれがない。ここには国際協調への解も隠されているのである。


 結局、その日本興業銀行は、ハウステンボスをモナコにはできずに、2003年、会社更生法を申請して撤退した。

 *2003年2月27日長崎新聞より


 HISの澤田会長は、たぶん、モナコなど目指していないだろう?
 モナコなんかより、多少、品や芸術性がなくても儲かっているマカオやラスベガスのほうが理想ではないだろうか?
 カジノが公認されれば、間違いなく、多くの中国人がやってくるに違いない。世界中からコンベンションの申出が来るに違いない。
 ついでに、私の希望としては、飾り窓やコーヒーショップを営業してほしい!
*Red Light District in Amsterdam

 とにかく頑張って、JTBの鼻を明かしてほしい思う。
 *ハウステンボス、医療観光参入 体質改善に3泊25万円



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