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家族の肖像



人、旅に出る SWITCHインタビュー傑作選人、旅に出る SWITCHインタビュー傑作選
(2005/09/15)
新井 敏記

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      家族の肖像

福山 こういうことがありました。一昨年、母ちゃんとばあちゃんと俺の三人で島原の温泉に行ったんですよ。温泉宿の夕食で、僕が上座に座って、前に母ちゃんがいてばあちゃんがいて、一緒に食事をしながら話したんです。その時、贅沢というものに対しての考え方がこんなにも違うのかと思ったんですよ。

 母方のばあちゃんはほぼ自給自足で生きているから、生きてるだけで健康なだけでオーケー。天気がよけりゃ豊作だからなおのこといい、という考え。でも、母ちゃんの世代というのは、自分が知らない所に行ってみたい、自分が持ってる以上のものを買ってみたい、が幸せの世代。
 もっと美味しいものを食べたいという、消費 ばあちゃんが、老眼鏡も補聴器も持ってこなかった。母ちゃんは、「なんでもう、雅治がこんなご馳走してくれるっていうのに、老眼鏡も補聴器も持ってこんの」って言うわけですよ。孫がご馳走してくれるのに、見えたり聞こえたりしないとよく味わえないでしょ、っていうことなんですが、するとばあちゃんは、「ああそうね、ごめんね。でも面倒くさいけん」と言うわけですよ。それで、たぶんばあちゃんには、高級な料理をはっきり見ることなんて必要じゃないんだと思った。ばあちゃんにとっては、俺がいて、母ちゃんがいて、三人が食卓を囲んでるそれだけでオーケーなんだ、ということが分かったんです。
新井 ばあちゃんにとって大切なのは、時間を共有することなんだね。
福山 でも母ちゃんは、「もういつ死ぬか分からないんだから、しつかり目に焼き付けとけ」 って(笑)。
母ちゃんの言い分も、それはそれで正しいんですよね。母ちゃんは終戦の直前、一九四五年の六月に生まれたんです。ばあちゃんは、大正生まれで、今八十なんぼです。町屋から農家に嫁いできたんですよ。「生めよ増やせよ」 の時代で、五人の子供を生んで育てた。しかし旦那が病死してしまった。それからがもっと大変で、子供を五人抱えてあらゆる農作業をやらなくてはいけなくなった。以来農家一筋六十年以上という訳です。贅沢をしたこともないし、旅行にもほとんど行ったことがない、そんな彼女の生き方には本当に頭が下がるんです。
新井 農家をやってたら旅行に行けないよね。
福山 行けない。で、何が贅沢かっていうのは、消費することじゃなくて、とにかく天気がいいこと。食べるものがちゃんと育つこと。で、子供たちがちゃんと元気に育つこと。これが最上のこと。そうやって育てられたうちの母親なのに、もっと消費したいみたい (笑)。
新井 福山さん、ばあちゃんの手を触ったことある?
福山 ありますよ。
新井 どういう感じ?
福山 いや、もうね、なんともいい手をしていました。今でも土いじりやっているんですけど、土がもうちゃんと染みついて、固いけどすべすべしている。やっぱり俺と似ているんですよ、手の形が。

 araitoshiki1.jpg switch1.jpg fukuyama2.jpg



 ほんとうに幸せな旅行者とは、福山雅治のばあちゃんのような老人かもしれない。
 ただ、年に何回も海外旅行をすることを自慢することではないのかもしれない。


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