Home *  * All archives

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
tb: -- |  cm: --
go page top

スカイマークと旅行業界


新版 悪夢のサイクル―ネオリベラリズム循環 (文春文庫)新版 悪夢のサイクル―ネオリベラリズム循環 (文春文庫)
(2009/03/10)
内橋 克人

商品詳細を見る

寡占化の進行

規制緩和を通じて業界地図というものが最後にどういう形で収束してゆくのか。
 アメリカの航空産業の場合、結局は、新規参入組で成功したのはサウスウエスト航空ぐらいで、他の新規参入組はほとんどが破産、倒産し、結局市場を制したのは、既存の大手航空会社でした。
 実際に新規参入の航空会社をおこして失敗した経営者のひとり、マーク・S・カーハンは、その理由を三つ挙げています。
 一つめはコンピュータによる予約システムを大手航空会社が開発、旅行代理店にはいった端末では、この大手の予約システムが優先的にあつかわれたこと、二つめはFFP(フリークエント・フライヤーズ・プログラム)が開発されたこと。このFFPはマイレージともよばれるもので、その航空会社を利用する度に、距離に応じてマイレージがたまり無料航空券と交換するサービスです。これは、グローバルにさまざまな路線をもっている大手航空会社だからこそ利用者にうまみがあるシステムなのです。単一路線間を飛んでいる新規参入の航空会社には真似のしようがありません。
 さらに三つめは、資金力に余裕のある大手が、ニューカマーの現れた路線では彼らと同額まで運賃を下げたことです。
 日本の規制緩和でも同じことが起こりました。
 日本では、九五年に二五パーセントの幅以内における運賃価格の自由化がまずなされ、さらに、九七年三月には、路線の許認可を事実上廃止し、参入規制が撤廃されます。
 この結果、東京-福岡線にスカイマークエアラインズ(九八年九月)、東京-札幌線にエア・ドウ(九八年一二月)が規制緩和の旗手として鳴り物入りで参入しました。
 しかし日本でもスカイマーク、エア・ドゥといった新規参入の航空会社が、日航や全日空など既存の大手に比べて安い運賃を打ち出すと、大手の側もすかさず、その路線に限って大幅に運賃を値下げしたのです。
 さらに単一の路線しかない新規の航空会社にはないマイレージのサービスを充実させることによって新規参入者をけおとしていったのです。
 エア・ドウは一度も黒字を計上することなく二〇〇二年六月に破綻、東京地方裁判所に民事再生法適用を申請し、結局は全日本空輸(ANA)支配下にはいることになります。
 スカイマークエアラインズも採算ラインぎりぎりの経営をつづけており、二〇〇六年三月には、修理期限を九ケ月も過ぎたままボーイング767を運航させていたことが発覚しました。
また二〇〇五年以降、経営陣の方針に批判的なパイロットや確認整備士らが数十人規模で退職し、人手不足が指摘されており、国土交通省が抜き打ち検査を実施するなど、同社の安全管理体制には大きな疑問符がついています。
 日本で規制緩和が始まった九七年には、三社の航空会社が、鼎立していましたが、競争の激化により、日本エアシステムは、日本航空と合併の道を選ぶことになります。
 現在の日本は、基本的に二社の航空会社しかない寡占状況ということになります。
 ヨーロッパでは、今、航空の規制緩和をすべきか否かが大変な論争になっています。
 先日、「インターナショナル・ヘラルド・トリビューン」というパリで編集している新聞に、ヨーロッパ視点の論説が載っていました (二〇〇六年四月四日)。
 その取材グループは私たちと同じようにアメリカの航空規制緩和を実施したスタッフに実情を聞いて、「国内路線の寡占化が進んだ結果、アメリカ国内のどこかからコロラド州のある都市に行く飛行機運賃のほうが、アメリカからパリに行く運賃よりもはるかに高くなってしまった」といった実話を紹介して、「いかに社会的なコストが大きかったか。同じことをヨーロッパは絶対にやってはいけない」と主張していました。


 ヨーロッパは現在、アメリカと同じように航空の規制緩和により、アメリカと同じようなドロドロの戦いを既存の大手航空会社と格安航空会社の間でおこなわれている。
 
 以前なら必ずつぶされてしまった新規の格安航空会社が今は、どうにか生き残っていたりする。
 アイルランドのライアンエアやイギリスのイージージェットは、大手を上回る実績を上げているという。

 上記『悪魔のサイクル』のなかで内橋克人氏が述べているような、格安航空会社が失敗した理由、
 ① コンピュータによる予約システムを大手航空会社が開発、旅行代理店にはいった端末では、この大手の予約システムが優先的にあつかわれたこと 
 ② FFP(フリークエント・フライヤーズ・プログラム)が開発されたこと
 ③ 資金力に余裕のある大手が、ニューカマーの現れた路線では彼らと同額まで運賃を下げたこと

 という大手の横暴が維持できなくなったのではないか?

 ① インターネットの普及によって代理店の必要性も薄らいでいったし、新規の参入者が簡単に予約システムを構築することができるようになった。
 ③ 大手航空会社のコスト高では、格安運賃を長期間維持できなくなったのではないか。

 大手航空会社は、井伏鱒二の『山椒魚』ではないが、新参者へイジワルをしているあいだに、相手の首だけでなく自分の首もしめてしまった。

 日本でも1998年に、スカイマーク、エア・ドゥという2社が新規航空会社として名乗りを上げた。
 そして、もちろん、日本航空、全日空という大手航空会社がその2社にイジワルをはじめた。
 2社は、虫の息・・・・となった。

 そのイジワルに加担したのが、何を隠そう旅行業界である!

 

観光の時代―Tourism Marketing Journal’98~’99観光の時代―Tourism Marketing Journal’98~’99
(1999/12)
小林 天心

商品詳細を見る

スカイマークの離陸

日本の国内航空便について、以前からいろいろ注文を付けてきた。国際航空便の運賃に比べ、一般的には恐ろしく割高であること。しかし時に、びっくりするような格安価格のパッケージが売られたり、割引航空券が出回ったりする。言ってみれば、大変に不透明な運賃構造になっている。
 さらに機内にはかなりの数の乗務員がいるにもかかわらず、彼あるいは彼女たちはお茶とアメ玉かせんべいくらいしか配ってくれない。一時間を超えるようなフライトでも弁当ひとつ出されるわけでなし、どう見ても大勢の健常者が無駄に乗り組んでいるとしか思えない。しかもビール一杯とてなく、JR新幹線や小田急ロマンスカーと比べてみても不思議でならなかった。
 こんなことならいっそ、アメもスチュワーデスも降ろして、その分値段を下げろと書いたことがある。
 一九九八年九月一九日、スカイマークエアラインズが離陸した。新しい航空会社が国内に就航するのは実に三五年ぶりだそうで、会社設立以来二年と少しの快挙である。
 同日夜、都内のホテルで就航記念パーティーがあった。会場にはおそらく六〇〇~七〇〇人もの人々が詰めかけ、大変な盛況であった。会場の大きなビデオスクリーンに、当日の初フライトが離陸するシーンが映し出されると、大きな拍手が湧いた。
 最初に登壇し挨拶した大河原順一社長は、航空会社の経営が二〇年来の夢であったこと、この大きな挑戦が不安定な景気世相の中で少しでも他の起業家たちへの励ましになれば、と語った。
 風車に立ち向かうドン・キホーテにも似て、このスカイマークの挑戦がいかに大変なことだったかは、運輸省の規制緩和の流れを受け、ほぼ同じ頃に手を挙げた五つの航空会社案が、北海道国際航空を除き、すべて立ち消えになってしまったことを見てもよく分かる。
 祝辞に立った一人、黒野匡彦運輸事務次官は、規制緩和とは言いながら、大部屋いっぱいにもなろうかという膨大なマニュアル類のチェックについては、たった一枚といえどもおろそかにはしなかったと、言外にスカイマークの努力を称えた。多くの人々の祝辞のなかで、運輸省のがんじがらめの規制が批判され、その緩和がこうした新しい動きを生んだと、スカイマークに対する賞賛が続いた後の次官のスピーチだったので、彼としては「今日はけなされにきたのか褒められにきたのか分からない」と、かわすのが精一杯のようであった。
 宅急使という新しい構想を持って官と戦い、市場の大きな支持のもとにビッグビジネスを立ち上げたヤマト運輸の小倉昌男会長は、需要というものはこちらがつくり出すものであり、消費者の支持がある限り事業は伸びるとスピーチした。
 さらに参会者をびっくりさせたのは、民主党の三人、菅直人、羽田孔、鳩山由起夫氏がうち揃って登場し、祝辞を述べたことである。自分たちも小さな政党から挑戦を重ねてここまで来た。
 だからスカイマークも頑張れ、と言いながら最後には民主党の支持もきっちり訴えかけていたが、それぞれめりはりの利いた嫌味のないスピーチで、会場からの拍手も大きかった。政治家も人気商売だから、澤田・大河原という時代の寵児にまんまとあやかったというところだろう。
 祝賀会の会場にいて感じたことは、一般のこうした催しに比べて、いかにも若々しいエネルギーが満ち溢れていたことである。三〇歳代あるいは四〇歳代のアントレプレナー(起業家)たちが、何人となく一分間スピーチという形で次から次へ登壇し、はつらつとした祝辞を述べた。いかにもスカイマークは、彼らの夢の体現者でもあるのだということが、ひしひしとこちらに伝わってくる。とにかく皆にガンバれよ、と言いたくなる。
 アンシャン・レジームによりガタガタにされた世紀末は、自分たちの新しいエネルギーで乗り切るというような覇気が感じられたといっていいかもしれない。彼ら一人ひとりは、それぞれがすでにヒーローなのだが、その中においてもスカイマークあるいは澤田秀雄という個性は、少なくとも現時点において、その頂点に立つシンボルのように見受けられる。
 ところで。
 当日の会場には、肝心の旅行業界からの出席者は、ほんのわずかしかいなかった。各界の錚々たる顔ぶれが見られたのに、エイチ・アイ・エスの出身母体であるはずの旅行業界からは、JATA(日本旅行業協会)の顔さえない。これは一体なぜだろう。                                        (98・10・5)



*スカイマークエアライン


 



tb: 1 |  cm: 0
go page top

この記事に対するコメント

go page top

コメントの投稿

go page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://intouch.blog56.fc2.com/tb.php/655-9ffe09e9
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

世界中どこでも無料でいけます!!

もう、旅行の費用のことで悩むのはやめにしませんか。あなたも、世界中の希望の都市に無料で行くことができる取って置きの方法があります。お金のことを気にせずに好きな旅行を思いっきり楽しみたくありませんか?

格安じゃない!驚きの無料航空券入手法
2011/08/02
go page top

新着記事+関連エントリー

カレンダー

カテゴリ

最新コメント

プロフィール

ブログ翻訳

旅行業の本

添乗に役立つ本

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。