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ロストバゲージ

 ロスト・バゲージというのがある。
 我々のあいだでは、出発空港で預けたスーツケースが到着空港で受取れない事をさす。

スーツケース4

 到着空港のターンテーブルに自分のスーツケースだけ出てこない恐怖はいかようなものか?
 ガクゼンとするにちがいない。
 添乗員はそのようなお客を空港係員のまえに連れて行ってPIRという書類を書いてもらう。係員からは、どんな形だ?どんな色だ?などと聞かれて、茫然自失のお客様を添乗員はせっつかなければならなくなる。
 スーツケースがロストしたからといってもツアーそのものは通常どおり進行するわけで、係員にはツアーの日程、連絡先を渡し、見つかったおりにはすぐ連絡、配送してもらえるようにお願いしておく。そして最後に、クレームタッグ(荷物半券)とスーツケースの鍵を係員に渡して、その茫然自失のお客様を、迎えのバスへ連れて行く。

 もちろん、旅行傷害保険に加入していれば、こういう場合、一定金額の補償が出る。
 パックの保険であれば、だいたい「航空機寄託手荷物遅延」というのが添付されている。
 10万円を限度として生活必需品を購入してもいい。
 *航空機寄託手荷物遅延
 
 ひとり遅れて迎えられたバスでは、他のお客様から、「困ったことがあったら言って・・・」「だいじょうぶですか?すぐ届くと思うわ?」などと優しい声がかかる。
 泣き出しそうなお客様も、みんなの励ましに応援され、多少元気を回復するのである。

 ツアーとはいいもんだ!
 仲間とはいいもんだ!

 そして・・・・・・・・・
 1日が過ぎ・・・・
 2日が過ぎ・・・・
 3日目ぐらいになると・・・・・・・

 時はながれ、他のお客様は自分が楽しむことで精一杯!
 ロストバゲージのことなど、もう記憶にはない。
 誰も、いまだ荷物が届かず不自由をしているこのお客様に心配の声をかけなくなる。

 同情されなくなったお客様の苛立ちはピークに達してくる。
 どうして私だけが・・・・・・!!

 まったく旅行は楽しくなくなる。
 見るもの、聞くもの、接するもの、すべてに憎しみを感じるようになる。

 その中に、もちろん、添乗員も入っている。

スーツケース5

 実際は、ロストした翌日ぐらいにスーツケースがホテルに届けられるケースが多いが、たまに、そのままスーツケースが行方不明になるということもある。帰国後も探し続けるというような・・・・・
 そんな場合は、帰国後自分で航空会社と折衝しなければならないだろう。一般的に航空会社は顧客に謝りもせず、事務的に手続きを説明するだろう。
 補償は、1キロにつき20USドルですので、お客様はエコノミークラスの上限20キロとして計算し、400ドルの補償金となります・・・・・と。1ドル=85円として34,000円である。
 くやしいけど、航空会社はこの金額を口座に振り込むだけである。もしかしたら、スーツケース代にもなりやしないかもしれない。スーツケースの中身のことなど考えてくれない。旅行中、どんなに辛い思いをしたのか!という慰謝料だってもちろん含まれていない。
 ・・・・なんか文句でも言おうものなら、保険会社に相談して差額分を補償してもらってください、で終わりである。


 いま、東北地方には多くの被災者が避難生活を強いられている。
 3月11日以降、ほんとうに辛い思いをしてきたはずだ。
 物資が満足に届くようになるまでのは、数週間かかったはずだ。
 多くの同情を誘い義援物資が、今、大量に被災地へ届けられている。
 被災者の多くは、感謝しているはずだ。

 ただ、この後、被災者たちがロストバゲージのお客様のようになってしまわないかと気になってしまう。









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