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真に自由な旅・・・・「人生ノート」三木清氏

『旅の楽しさ』山本さとし著 講談社新書より


 大戦中に投獄され、獄死した哲学者の三木清は、『人生ノート』の中で、「・・・・・・旅は絶えず過程である。たた目的地に着くことをのみ問題にして、途中を味わうことができない者は、旅の真の面白さを知らぬものといわれるのである」と述べている。「過程が主要であるから、途中に注意している者は必ず何か新しいこと、思い設けぬことに出会うものである」ともいい、「旅において真に自由な人は、人生において真に自由な人である」と結んでいる。




「旅において真に自由な人は、人生において真に自由な人である」
確かに、私の実感として「旅において自由な人」、単純にいえば、「一人歩きできる人」は、「人生においても自由」=「自立している人」が多い気がします。
 
 過剰なサービスで有名な旅行会社のお客様に、とてもわがままなご婦人がいました。この会社のリピーターであり、自分の旅行自慢をしつこいぐらい他のお客様に吹聴していました。「前の添乗員はこんなこともした」と色々な欲求を突きつけ、自分の行為を他のお客様に自慢しておりました。また、「アンケートに書くわよ!書かれてもいいの!」と脅かしも度々なさっていました。
この方には、連れの女性がいました。
連れは私に、「本当は、一緒に来たくなかったのよ。前回のツアーで知り合って、今回誘われてしまって・・・・・でも、もう二度とごめんだわ・・・・・・嫌な人でじょう・・・・あなた、気にしちゃダメよ!嫌な人なんだから・・・」と言いました。

 このご婦人、一見、自由に振舞っているように見えますが、決して「真に自由」な旅人ではありません。このツアーの籠から出ることはありませんでした。ちょとした自由時間がとれても一人で歩き出すことはありませんでした。「こんな時間があっても困る!」と旅行会社や添乗員をパッシングするのでした。こういうお客は、他のお客のように素直に添乗員に依頼することもできないのです。

 私は、こういうお客様を見ると、無性に野に放り出したくなります!
[えらそうな言、いうんだったら、どうぞ、行動で示してください]
よって、当然のごとく、アンケートにクレームがてんこ盛りとなり、旅行会社から本人宅へ帰国後、謝りに行かされることになります。


その婦人の自宅は、東京都北区にありました。JR赤羽駅を降り、しばらく坂を上っていくと、たくさんの都営団地群が見えてきます。都営団地ですから、質素な建物が当然なのですが、その中でも特に質素な、たぶん一番古い昭和30年代に建てられた、少しひび割れしたモルタル5階建ての4階に、その婦人は一人で住んでおりました。
玄関に出てきた女性は、旅行中のご婦人とは別じゃないか?と思えるくらいちっちゃな身体にちっちゃな声でした。私が持参した、謝罪用のお茶菓子を無表情に受け取ると、「もういいから」とそそくさとドアを閉めてしまいました。

4階から暗い狭い階段を下りながら、[あの人は、毎日、この階段を、買い物袋をさげて、降りて登っているのか]とふと、思いました。
もう、恨みもなくなっていました。

「旅において真に自由な人は、人生において真に自由な人である」


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