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アバウト・シュミットの旅

 
五〇歳からの元気な脳のつくり方 (角川oneテーマ21)五〇歳からの元気な脳のつくり方 (角川oneテーマ21)
(2004/08)
高田 明和

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 『五〇歳からの元気な脳のつくり方』高田明和著 角川書店 より

 シュミット氏の場合
映画「アバウト・シュミット」をご覧になりましたか。場面ほジャック・ニコルソン演ずるシュミット氏の退職記念パーティーから始まります。シュミット氏は生命保険会社の部長として定年を迎えます。
まず社長が「我が社がここまで業績を伸ばすことができたのはシュミット君のおかげである。今後は自由の身になって人生を楽しんでください」と挨拶します。
次に立ったシュミット氏の後任の若い部長は、「自分はまったく未熟者です。部長の仕事にも分からないことが多く、いろいろ教えを乞うことになると思いますから、よろしくお願いします」と言います。
翌朝シュミット氏は起きると、いつものように背広を着て会社に行きます。自分の部屋には後任の部長が座っています。シュミット氏が「何か分からないことはないかね」と尋ねると、「大丈夫です。すべてうまくいっています」と答えます。そこでなお、「でも何か聞きたいことがあるだろう」と問いただすと、「いやすべて理解していますから、お聞きすることはありません」と答えるのです。
退職のパーティーで言われたことは、すべてお世辞だったのです。シュミット氏はこれに気づいて愕然とし、新しい生き方を探さざるをえないと痛感します。物語はこのあと、その新しい人生がそんなに楽ではないという展開になります。
 欧米、とくにアメリカでは定年を「ハッピー・リタイアメント」と呼び、その後は旅行をしたり、今までできなかった趣味を楽しむものとされてきました。仲間と一緒に優雅に海外旅行をする光景も、テレビや映画で見せられます。日本では定年後をどう過ごせばよいのかと悩む人が多いのにくらべ、なんと幸せなことかとうらやむ人も多いようです。このように考える私たちは、「アバウト・シュミット」という映画に示されたアメリカの定年後の人間像には驚きを感じます。


 シュミットが築き上げたはずのプライドは、上記のようにもろくも崩れていった。
 会社だけではない。妻と二人きりの家庭ではイライラがつのる。その妻が急死したら淋しくて堪らなくなる。しかし妻が生前浮気をしていたことが判明したら逆上する。一人娘はどうしようもなくおろかな男と結婚するという。
 彼は、このような度重なる不幸から、自分が今までやってきたことは何だったのか?と自分のプライドと相克する。
 そして悩める60代のキャンピングカーの旅が始まる・・・・

About Schmidt1

 シュミットは、度重なる不幸によって、自分のプライドの価値を問いなおさざるをえなかった。
 
 今の日本では、シュミットの孤独はけっして他人事ではないであろう。
 いや、日本人の場合、シュミット以上に孤独な老人は多い。
 自己を騙しても『威厳』を保持しようとする。
 孤独死するほどプライドは、その者のアイデンティティになってしまっている。

 添乗のとき、このようなお客をけっこう知っている。
 また、夫婦二人きりとなり家庭でのイライラの除去装置のように旅行へ参加してくる者も多い。
 嫌なことを一時忘れるために旅行をする。こういう旅行は悪酔いする。中毒となり精神を蝕んでいく。

 『威厳』というお客のプライド(優越感)をくすぐり、イライラ夫婦にシャブを打ち続ける旅行会社がある。
 過剰な『選民的』お仕着せサービスをサーバントである添乗員にさせることによって、日本のシュミット氏に、老いらくのオルガスムスを味あわせ、幻のプライドをよみがえらせるのである。 



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