Home *  * All archives

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
tb: -- |  cm: --
go page top

世界旅行者・西本健一郎

間違いだらけの海外個人旅行 (宝島社文庫)間違いだらけの海外個人旅行 (宝島社文庫)
(2003/08)
西本 健一郎

商品詳細を見る


 これほど後味の悪い本もめずらしい。
 読みながら、後味が悪くなるだろう?と途中で気付きながら結局最後まで読んでしまう。
 やはり思ったとおり後味が悪いのだが、妙に記憶に残り再び味わいたくなるのである。

 この著者は旅で出会ったすべてのもの、日本人旅行者、現地人、また現地の事象を、日本の世情や慣習とオーバーラップさせ悪口や屁理屈ばかり述べ立てている。
とにかくすごい!
「よけいなお世話だ・・・」と言いたくなる。
褒めているのは、自分のことだけである。

もしかしたら、そのようなイメージを演出しているのかもしれない。それにしても、旅の途上で出会いたくない日本人であることにはまちがいない。


昨今の『旅』のジャーナリズムは、紀行書、雑誌、新聞、テレビとすべて、どこかの企業とタイアップしているのか、観光地の絶賛に終始する。
「わあ~~~すご~~い!」
「ほんとに、すばらしい景色!」
「まいう~~~」
「これ、これ、これほしかったの!!」
・・・・・・
マスコミの垂れ流す『旅』情報に、確かに嘘はないのだろう。視聴者や読者に心地よいリズムと夢を与えるという意味では、無害で無益な一面を披露してくれる。
ただあくまで一面である『旅』を、マスコミはさもそれが『旅』の全体のように宣伝し続けている。
そのほうが受けがいいのだろう。
旅行会社もそれに協力していく。
しかも、その結果は人の感情が決めることだから、責任をとる必要はない。

それに対して、西本健一郎氏の著作は別格である。
『旅』とは、クズな人間の集まりであり、期待するだけ無駄であり、どんな夢もきっとまぼろしと終わるだろう!と説く。
西本氏のいう現実もまた、嘘ではないと思う。
ただ、それも、一理の『旅』というだけである。
今まで誰も教えてくれなかった一理の世界を見せてくれた。

これだけの屁理屈を並べ立てるためには、そうとうの孤独との自問がなければ、不可能である。
だから、この旅人は偉大であると私は思う。

著者・西本健一郎『間違いだらけの海外個人旅行』より

「旅行は人格を磨く」という奇妙な思い込み

 日本人の共有する旅行幻想の中に「長い旅に出たら人格が立派になる」という、旅をなにか修行のように、根拠もなく決め付けているものがある。これが、日本人特有の、奇妙な旅行観だ。旅に出てなにかを学び、なにかを悟り、立派な人格を形作るという、一つのステレオタイプな旅への思い込みがあるのだ。それは、日本人の大好きな「貧乏流行」「冒険旅行」「海外放浪」という言葉自体に現れている。日本人は、何の理由がなくても、とにかく貧乏ななりをして(といっても、長期の旅に出られる日本人が貧乏なわけがないから、格好だけだよ、格好だけ)で、ちょっと変わった所に行ったり、長期にうろうろしていれば、それが立派なものだと勝手に思い込むのだ。
 しかし、世界標準では、理由のない」旅行は存在しない。クスコで知り合って、チチカカ湖畔の町プーノまで一緒に流したオーストラリア人が、バーのカウンターで、ホットワインをすすりながら「僕がわからないのは、たくさんの日本人が、オーストラリアを自転車やモーターサイクルで一周していることだよ。オーストラリアなんか、何もない所だよ。
彼らはなぜ何の意味もないことをするのだろう。何が目的なのかな?」と聞いてきた。僕は「それは、きっと日本の雑誌でオーストラリア一周流行を冒険として紹介してあったからさ。日本人は冒険が大好きなんだよ。特に、誰かがやって安全だと証明されてたらね」と答えた。彼は「安全だと決まってるなら、冒険じゃないんじゃないか」と、痛い所を突いてきたが、僕は「日本人の冒険は、安全じゃないとだめなんだよ。本当に危険なことは、日本人はしないよ」と答えて、フツと寂しくため息をついたものだ。
 日本だけにある、旅行幻想、オトギバナシを信じてるから、日本人は、世界中で馬鹿にされるんだよ。僕が世界中を長期個人旅行をしたというと「あなたは、長期旅行をしたのにどうしてそんないやな性格なんですか。おかしいです!」と本気で僕の性格を非難する人もいるくらいだ。お節介だ。だって、旅に出て人格が立派になるというのなら、最近、世界中を長期旅行してきた日本人は山ほどいるのだから、彼らが帰ってきた日本は聖人君子の国になっているだろうし、これからもどんどん立派になることだろう。見ればわかるが、残念ながら、そうはなっていず、日本は、どんどん悪くなっているだけだ。
・・・・・・・・


すべてのマスコミが心地よいイメージのほうを採用した。
また、旅人自身も、自分に有利なナルシストになりたがった。

 西本氏は著書のなかで添乗員についても屁理屈を述べている。

 スチュワーデスやツアコンも個人旅行については無知だ

 また、「スチュワーデスが教えるおいしい店」とか、「ツアコンが教える旅のテクニック」とかいう本もある。でもね、スチュワーデスなんて、ただの「機内販売の姉ちゃん」だよ。二流女子短大程度を卒業した、英語もまともに話せない、将来性のない職業に喜んで就く、有名人好きのちょっと可愛いだけの女たちだよ。おつきあいしたいじゃないか。パリに飛ぶスチュワーデスがパリのことを知っているというなら、東京大阪を毎日行き来している、新幹線の車内販売の女の子は東京と大阪の本を何冊も書けることになる。また、ツアコンというのは、ただうるさい団体客をうまくまとめて、現地のガイドに引き渡すのが仕事で、旅行のことをなにか知っているわけではない。常に、手配済みのバスに乗り、予約済みの飛行機に乗っている。上手なのは、ツアーに参加した女子大生を口説くことくらいだ。自分で個人流行しているわけではない。つまり、個人旅行についてはまったくの無知だと断言しておこう。旅行ライターや流行雑誌編集者などになると、これは、仕事で旅行情報をかき集めて、適当にまとめるのが商売だが、自分で旅行をしていないので、何も知らないのは当然。
 まあ、このように、日本に旅行文化というものが育たないのは、旅行ジャーナリズムが未熟で、それは本当に旅行した人が、発言していないからなんだね。だから、日本の本や雑誌やガイドブックは、無視していた方がいい。近寄ったら、間違いだらけを叩き込まれてしまう。金まで払って読むものではないと、心からアドバイスしておこう。


 一理はあるだろう!
 ただすべてではない。

*西本健一郎のブログ
*『間違いだらけの海外個人旅行』その1


tb: 0 |  cm: 5
go page top

この記事に対するコメント

私は<世界冷や汗ひとり旅>という本を読み、著者の嫌味な書きっぷりが非常に鼻につき、一体どういう方なのだろうかと調べているうちにここへ辿り着きました。事あるごとに「日本人は…」と批判めいた記述が頻出するのですが、この著者は日本人ではないのでしょうか。本当に後味が悪いです。

URL | None #-
2012/04/19 14:32 * edit *

No title

ワタシのお客さんだったある年配の男性は
「ツアーに参加する人は(自分を含め)趣味がないんだよ」
って言ってた。

もう10年も経つのに今なお鮮明に思い出す。

URL | None #-
2010/10/26 00:12 * edit *

No title

ツアコンというのは、ただうるさい団体客をうまくまとめて、現地のガイドに引き渡すのが仕事で、、、、。でもこの頃はガイドさんいないんですねー。旅行会社はガイド頼まなくなったんですね。ガイドさんて、ものすごく高いんですか。

URL | None #-
2010/10/25 13:44 * edit *

Re: No title

エリマリさま
コメントありがとうございます。
是非一度読んでみてください!
旅人なら私の気持ちがわかると思います。
自分のことを言われているような気になります!
管理人より

URL | InTouch #-
2010/10/25 00:33 * edit *

No title

 こんばんは。
どのくらい後味が悪いのか、それを確かめるために、
ぜひ、読んでみたくなりました。笑

URL | elinor-marianne #ZKY3vMSE
2010/10/24 19:12 * edit *
go page top

コメントの投稿

go page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://intouch.blog56.fc2.com/tb.php/458-a5b114e1
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
go page top

新着記事+関連エントリー

カレンダー

カテゴリ

最新コメント

プロフィール

ブログ翻訳

旅行業の本

添乗に役立つ本

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。