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なかなか誤魔化せない

もうだいぶ前になると思うが、東京・有楽町の「そごう」デパートが閉店したときの話である。
わたしは、閉店の一週間前ほどに「そごう」を訪れた。
そして、まるで葬式の列のような活気のない表情で、「いらっしゃいませ」という店員たちにビックリした。
「なんだ!この店は!」
そのときはまだ「そごう」が倒産するとはまったく知らなかった。
それから、約一週間後、有楽町「そごう」が閉店と知って、あらためて、あのときの店員たちの表情に思いを馳せたのだった。
《顔や態度に出るのだな・・・》

バブル後の東京・池袋の西武デパートも同じだ。
西武も一族の問題、景気低迷・統合の問題と御難続きであった。
あのPARCOを引き連れて渋谷を制覇したころの勢いはどこにもなかった。
小ばかにしていた西口の東武デパートに追つかれ、いつのまにか老朽化したマンションのようになってしまった。店内もなんとなく暗く、子ねずみのような表情をした店員たちであふれかえっていた。


自分に自信を持って生きることとはとてもむずかしいことだ。
自信があれば、回りの状況にあわせて卑屈になる必要はないのだろうが、そんな強い人間はそうたくさんはいないだろう。
ほとんどの者は、「ア~アッ」と、顔や表情や仕草に、自分の感情が表出してしまうのではないか。

海外の「みやげや」の店員同様、怒りにも似た卑屈な目つきで、「いらっしゃいませ」の一言にも抵抗を感じている仕草は、添乗員とて同じかもしれない。
そんなつもりはなくても、脳の鏡である目つきはごまかせるものではないのだろう。


帰着後、成田空港からリムジンバスに乗ろうとしたことがあった。
わたしの前には、現地でお見かけしたC社の女性添乗員が疲れた表情で肩から重い荷物をぶらさげて、リムジンに乗る順番を待っていた。
25歳前後だろうか。
もう、C社のネームプレートは胸にはない。
重い荷物に引きずられ紺のスーツの襟足は見るも憐れな格好になっていた。
彼女の前には、中年夫婦が並んでいた。
その方たちが、預けたスーツケースに出し忘れた物があったのか、なんだかんだと、乗降口を塞ぎながらスーツケース置場と行ったり来たりしていた。
乗降口前には長い列ができているのもお構いなし・・・・・

そのときであった。
わたしの前のその清楚そうに見えるC社の女性添乗員が、ドスのきいた声で叫んだのである。
「なに、チンタラ、やってんだよ!ボケ!こっちは、ずーーっと、待ってんだよ!!他の人のことを考えろよ!なあ、オバサン!」

正当な意見である。
目を真ん丸くして見上げたご婦人は、間違いなく、どこかの団体ツアー客であった。
「どけ!!」
唖然としている中年夫婦の横目で見ながら、またまた唖然とした私たちの列が乗車扉へ進んでいったのであった。

それにしても、現地のレストランで見かけた彼女は、かわいそうなぐらいお客から呼ばれ、「飲み物が来てな~い!」「煙草どこで吸ったらいい?」だとか食事をする時間がないほど動き回っていた。そのうえ、彼女のお客たちは、隣りのテーブルで食べている私たちに聞こえるくらいの大きなダミ声で、「こんなまずいもの、こんなにたくさん出されても困るわね!」とどなっていた。

わたしは、バスのステップで少しよろけた彼女のカバンを下から支えてあげた。

やはり、我々は、人間なんだろう。
機械やコンピューターではない。
感情はなかなか誤魔化せない。

ただ、かわいそうだったのは、彼女の前にいたばっかりに罵倒されたご夫婦だった。
ご愁傷さまです。



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