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席割り

 『バス席割り表』というものがある。
出発の前晩に、添乗員がカラーペンなどを使い、お客の誰がどの席に座るのかを書き込んだ表を作成するのである。国内の日帰りツアーであれば、一回だけ作成すればよいが、1泊2日のバスツアーとなれば2回、2泊3日となれば3回作成しなければならない。
 その作成した表を、お客がバスに乗込む前に急いで乗降口の扉付近に貼り付ける。
「どうぞ、この表で、席をご確認のうえ、ご着席くださるようお願いいたします・・・」
 結構、お客は戸惑い間違って座っていたりする。

 たしかに、国内ツアーのように、バスの定員ぎりぎりまでお客を募集するのであれば、席割りをしないで勝手に乗車させるわけにはいかない。そんなことしたら、車内は「席がない!」と大騒ぎになってしまう。日本人のお客ほど意地っ張りな者はいない。一度座ったら、「他のお客様のためにつめてもらえますか?」とお願いしても絶対どこうとはしない。外国人ではまず考えられないことだが、日本人では常識的に見受けられる。だから、席割りをして、指定席のように仕向けてあげなくてはならない。

 このようにしてあげて、添乗員は、旅行会社のマニュアルどおり、次のような車内挨拶をおこなう。
「お席は、なるべく公平になるよう、わたくしどものほうで配慮させていただいております。そのため、毎日、お席を入れ替えさえていただきます。毎朝、バスの席割り表をご覧のうえ、お席にお座りくださいますようお願いいたします・・・・」
 
 こんなことをいうから間違いが起きるのだ。
 「公平」「平等」なんて絶対にありえない。ツアーとはすべて、「不公平」「不平等」にできているのだ。どんなに努力しようが「不公平」「不平等」なのだ。だから、「公平」なんて言葉は口に出さない方がいいのだ。逆に、お客には、「不公平」「不平等」と言う言葉をよく認識させておけば、できるだけ格差を少なく持っていこうとする添乗員の思考に気づくはずである。

 また、添乗員が、毎日、手書きの「席割り表」を張ったりするから、融通がきくのではないか?とか、依怙贔屓(えこひいき)しているのではないか?と思われるのかもしれない。
 どうせなら、バスツアーに関しては、事前に「指定席番号」を、お客様の「旅のしおり」に書き込んでもらったほうがいいのではないか。出発案内の下あたりに、バスの席番号を記入する。高速バスだって、こんな感じで、予約の段階で席が決定するのだから、ツアーでできないはずはない。
 現在の国内添乗の場合、過剰なマニュアルを処理するだけで添乗員は精一杯である。添乗員の個性を活かせるような国内ツアーはほとんど存在しない。とくに、格安のバスツアーでは、一塵たりとも存在しないだろう。日帰りでは、お客と一面識もないうちに席割りをするのだから尚更である。
 手書きの利点などないのだから、旅行会社がコンピューターで数理学的に処理すればいい。
 それともまた、手書きにすることで、添乗員が汗水垂らしている姿をお客に見せつけることに意義があるのだ!とかいうつもりなのだろうか。

 添乗員の席もひどい。
もともと、添乗員の定席は、1列目の右側の2席だった。大手をふくめ、それが常識であったはずだ。ここでなければ、添乗員の役割は担えない。旅程管理という主業務からいえば、一番前に座ることによって、危険を一番早く認知し安全確保の初期動作をおこなうことができる。バスの乗降も、お客に率先して滞りなくできる。バスガイドと意思の伝達もスムーズにいく。右側に座ることによって、運転手とのやりとりをバスガイドを通さなくても可能となる。運行状況や有料道路の確認などはとっさの事も多いのだ。そして、できたら2席もらいたい。今のようなショッピングや集金など事務作業が煩雑になると、となりにお客が座っていると、その方にも迷惑だろうしこちらも気を遣うのだ。
 こんなあたり前のことを、旅行会社はマニュアルで変更してしまった。
まるで、前からの常識であるかのように、「2列目に座れ」とか「補助シートに座れ」とか言ってくる。これでは、添乗業務はできない!「そんなことないよ。現に、やっているじゃないか!」というのであれば、それは、添乗業務ではない。そのように、添乗業務をできないようマニュアルで縛り上げておきながら、何かあったときの添乗業務の責任だけは、添乗員に押し付けるのだから、旅行会社のモラルは爬虫類並である。

「添乗員ごときが一番眺めのよい席を、独占していいのか!!」 
 低質なお客が叫ぶ。
「お客様のリクエストにお応えして、一番眺めのよい最前列の席をお客様へ!提供しなさい!!」
 低質な旅行会社の課長が、目先の毒饅頭を一生懸命ほうばろうとする。
 自分が「席割り」されないために!

 その短絡的行為が、余計、お客への「不公平感」「不平等感」を誘発してしまっていることに気づくはずはない。
 


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この記事に対するコメント

廃刀令(昭和29年廃止)

  世の中にはこういう人が思った以上に多い!
  「お客様のリクエストにお応えして、一番眺めのよい最前列の席をお客様へ!提供しなさい!!」
 低質な旅行会社の課長が、目先の毒饅頭を一生懸命ほうばろうとする。
 自分が「席割り」されないために!

 「自分が人にやられて嫌な事を、人にやってはいけない。」 と言う様な事は通常言葉が分かるようになったらまず教わる事ではなかったのだろうか??
 私なんぞも小学校くらいの頃、あちこちで言われたような気がする。

 だがこれは、まだわがままな小学生の頃だから注意・躾する際に言われた小言の内だったかもしれない。   単に私の個人的体験だったかもしれない。   そんなはずは無いとは思うのだが???
 
 しかしよく考えてみれば、私にしてもこんな長い文を行動規範としている訳では無かった。  もっと簡潔な人間に共通な基本的概念が有ると思っていた。

 それは「・・恥・・」という概念である、と思っていたが・・。      果たして日本の人口の何パーセントにその様なDNAが残っているのだろうか?

 上記の例に出て来る課長の様な者達にしても、仕事を離れては今の社会・経済を批判しているであろう。   暴力的ともいえる、ビッグマネーによるパワーゲームに翻弄される世の中を嘆いているのかもしれない。

 だがしかし、現状の日本の疲弊した人心は内堀からの崩壊によるものではないのだろうか?    
「悪貨は良貨を駆逐する」という言葉には普遍性が有るのは明らかであろう。

 昔々、日下公人氏がインドネシアについて調べた時、同国における経済資料の数字は間違っているのではないかと当初思ったそうである。  なぜならそのあまりに低い数値に反し人々は豊かで幸せそうだったからである。

 翻って、派遣村などと言う物が作られなければならなく成った今の日本はどうなのだろうか?   国として恥ずかしく無いだろうか?
 だが今の日本でこんな事を叫んでみても意味が無いかもしれない・・。
 「臭い物には蓋をしろ」みたいな知恵だけは発達しているからな~!

 願わくば!銃刀法を改正し、佩刀を許可せよ!!  あっちこっちで松の廊下が起こるかもしれない~?? ~が 良いではないか!! 日本人は皆 忠臣蔵が大好きだ!!   
 
 日本人が元気になる良い方法だ。 

URL | 春雨太郎 #-
2010/07/22 14:25 * edit *
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