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先のこと


 東京、新宿に高島屋が誕生したのはどれくらい前になるだろうか?
高島屋ができる前の、あのあたりは、新宿駅周辺でもっとも人間味のある街であった。人間味があるというと親しみやすいイメージを感じるが、はっきりいえば、東京でも1、2を争う金のない者たちの集う場所であった。
新宿4丁目。
場外馬券売場、山谷と同じ雰囲気の木賃宿、埃のつもったサンプルを見ているだけで食欲が失せる定食屋、・・・・
古くは江戸時代あたりからここは、貧困街(部落)に指定されていたようだ。江戸の西の出入口として、あぶれた貧困層や下等遊女や連れ込み宿屋など、表の世界から隠れるように存在していたらしい。今でも、遊女の投げ込み寺で有名な天龍寺裏へ行けば、そのタイムスリップしたような幻覚を感じることはできるはずだが、ファッションの粋をあつめた高島屋がその真向かいに誕生して、一瞬にして街の様相は変わってしまった。

yonchome.jpg
http://www.gi100.net/01_kikou/shinjukuyonchome.html
 わたしは、あのときの驚きを今でも忘れることはできない。
新宿駅の人の流れは、東口からアルタ前へ、そして歌舞伎町方面へ。もうひとつは、正面の今は無き「さくらや」から伊勢丹、丸井方面へ。南口から新宿4丁目方面へ向かう人は、そちらに職場のある者か、ひとり者の労働者風しかいなかった。だから、その近辺の店は、そういう者向けの流行とは縁遠い、暗く、アウトサイダー的な雰囲気をかもしだしていた。
 それが、ほんとうに、一瞬!という感じであった。
新宿高島屋のオープンと同時に、人の流れが全くかわったのだ。まるで、新宿高島屋へ津波が襲ってくるように、新宿駅から、ものすごい量の老若男女が、貧困部落めざして逆流してきたのだ!なるべく、元気な人と接しないようにひっそりと隠れるように生きてきた木賃宿の労働者にとっては、パニックになるような驚きだったであろう。
 その後のこのあたりの変貌は、誰もが知っているように、GAPやスターバックスなどファッショナブルな店で埋め尽くされ、24時間眠らない街となってしまった。
 わたしの目には、新宿という大都会で、または、東京という大都会で、唯一おちつける場所を求めてさまよっている木賃労働者の平安を、奪い取ってしまったように映ったのだが・・・・・・・・・・・
 
 そういえば、この新宿4丁目に、高島屋がオープンする前に、でかでかと本社ビルを構えた旅行会社があったっけ。このときも驚いた。高島屋の場合、明治通りをはさんで向かい側に建立したけれども、この旅行会社の味気ない灰色の建物は、木賃宿の背面に立ちふさがるように立っていた。
「こんなところによく建てたなあ・・!」と思った。
その旅行会社とは、エイチ・アイ・エス(HIS)である。

HIS.jpg

 それにしても、人や物の推移とは、ひとつの出来事によって、こんなにも変わるのだなあ、と感じ入った。


 まだ、すべてのヨーロッパへの北回り便が、アラスカのアンカレッジ経由だったとき、地元の人にコンドミニアムを勧められた。
「ここは、レジャーにいいよ。スキーやフィッシング、なにより、自然が最高だよ!300万円くらいで、コンドミニアムが購入できるんだから。日本からも近いし・・・・・どう?」
 わたしは、ほんとうに買おうかどうか迷ったのだ。
迷っているうちに、ヨーロッパまで直行便を走らせる航空会社があらわれはじめた。でも、まだ、迷っていたのだ。
そのときは、まさか、すべての航空便が直行便となって、アンカレッジ経由が廃止になるとは夢にも思わなかったのだ。

 わたしは、買わなかった。

 いま、日本からアンカレッジまで行くのは、本当に大変である。
いまは、とりあえず、アメリカかカナダの西海岸まで飛行機で飛び、そこで、乗り換えてからやっとアンカレッジへ到着するということになる。それこそ、以前のヨーロッパまでと同じくらい時間がかかってしまう。昔なら、6時間ほどで到着していたものが、ヨーロッパまでの直行便が生まれたことによって、逆に乗換え時間を含めると、20時間近くかかってしまう。当然、料金も高くなっているはずだ。

 でも、もしかしたら、それこそ、コンドミニアムの買い時だったのかもしれない。行きにくくなったということは、別に悪いことではないかもしれない。(現在は300万円では買えない)

anchorage.jpg



 栄枯盛衰、はたしてどうなるのかわからない。今栄えている旅行会社が、来年倒産しないとも限らない。今苦しんでいる旅行会社が、来年とびきりの企画で急上昇しないとも限らない。どちらかの幸不幸が、こちらにどう作用するかもわらない。

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