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肌で感じるもの

 バブル後の不良債権処理の過程で、1999年に東京相互銀行は破綻させられ、外資系の東京スター銀行に買収させられた。結局、8000億円の公的資金を投入された上、外資に売り渡された。
 この東京相互銀行は、長田庄一会長のワンマン銀行であり、戦後、長田氏自身が立ち上げ、第二地方銀行の中ではトップの取扱額を誇っていた。
 長田氏は、今年2月、87歳に亡くなった。人生の前半と後半とでは、まったく違ってしまった長田氏。バブルまでは、業界の風雲児として羨望のまなざしで見られ、その後半は、銀行を私物化し放蕩な生活の末、不正融資疑惑で逮捕までされたといわれている。
 何が真実なのか、実際のところわからないが、彼が苦労のすえ会社を興し東京相互銀行を中心とするグループまで生み出したことは確かである。その根底には、長田氏がもつ大きなコンプレックスが存在していたのではないかと私は思う。学歴、家柄など、ステイタスになりえるものへの嫉妬が彼を支えていたのではないかと思う。
 銀行のようなもっとも保守的な業界で、長田氏のような成り上がりモノが成功し続けることは不可能に近かったのかもしれない。結局のところ、自分の好きなようにルールをつくれる官僚によって淘汰されてしまったのではないか。

 また、長田氏は、旅行家でもあった。
旅することによって、ビジネスの才をみがいていた。


  『日本は世界を知っているか』江藤淳、長田庄一共著

 長田氏の言葉より
現地を見るということは、何か肌で感じるものがあります。現地を踏むということは国内でも外国でも鉄則なんです。とにかく行かなければわからない。行けばそういうことがよくわかる。地図を眺めたり、ヘリコプターで空から見ただけではダメなんです。その土地、その国へ行き、その国の住民の食べているものを食べ、その土地をどんどん歩く。でなくては、わかるものではありません。国内は若い時からの体験で誰でもわかっています。しかし、それがメキシコとなると、行ったことがない。だから、見当のつくはずがありません。


 長田氏のいうことは、添乗にもいえることだ。個人的に行ったことのある国は、「何か肌で感じるもの」があるのだ。行ったことのない国、添乗でしか行ったことのない国は、何も肌で感じるものがない。見当をつける判断基準が自分にないのだ。添乗でしか行ったことのない国の場合、既成ツアーの枠を超えないかぎり、自分の判断基準とはならず、肌で覚えるまでには至らない。

 ましてや、旅行そのものをよく知らない添乗員が最近多い。旅行会社の社員も同様である。グーグルマップで散歩しているだけでは、肌に感じるまでには至らない。また、それに付随する多数の海外情報は、送り手の主観が当然含まれた価値基準で流されるだろうし、受け手であるこちらが、間違ってとらえることもありえる。
 やはり、自分の足を使って、危険にあわない程度に、街や村を歩き回ることこそ、旅を肌でとらえるということだろう。

 しかも、テレビや新聞という大手メディアをふくめ、昔から、海外情報には、嘘が多いのだ。
 わたしは、旅行記などを読むことが好きな少年であった。わたしが、海外へ出ていちばんびっくりしたことは、今まで読んだり聞いたりしてきたことが、ほとんど嘘だったということだ。嘘!というと語弊があるかもしれない。嘘ではないかもしれないが、それは解答・選択肢のひとつにすぎなかった!ということが多いのだ。だから、覗く側が変われば、解答・選択肢がちがうのも当然なのだ。しかし、そういうことは、島国の日本のなかにいては、絶対に気づかないようにかたちづくられているようだ。

 『日本は世界を知っているか』江藤淳、長田庄一共著

江藤淳氏の言葉より
 われわれはだいたい、テレビやラジオ、新聞、雑誌を通じてしか外の世界のことはわからない。知らないうちに繰作されている言語空間の中で、それを受け身に無批判に、ただ見ているだけなんですね。だから国際化したつもりでも、実はちっとも主体的に国際化しているとはいえない。むしろ無意識のうちに操作の対象になっている場合が多い。
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 本当は、それこそジーパンをはいた大学院生でも、若い銀行員でも、ちょっと外の世界へ出れば頭の中にインプットされているものの当否が肉眼で実証できるはずなんですね。ところが、言語空間を支配しているパターンで方向づけが決まっているから、高名なエコノミストもごく自然に、これだけデータがあれば分析できると思い込んでしまう。それで得意になって分析すると、誤差の大きい結果が出てしまう。
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 長田 日本の新聞、テレビ、これはみんな、江薩さんのいう言語空間のパターンでつくられています。だから世論も同じパターンになります。だいたい日本では世論が正しいとか、世論に聞けとか、世論がどうとかこうとかいうけれど、日本の世論なんてものは一部のマスコミがつくっていることが多いものです。
 江藤 本当にそうですね。世論といったって、新聞が自分でつくった意見を世論と称している場合が少なくない。同義語反復が続いているのです。同義語反復が続けば、これは決して開かれた空間にならない。
 


 

 


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この記事に対するコメント

おじゃまします

 データーの転載は禁止になっているのでここに張り付ける事は出来ませんが、アルクの英辞郎 on the WEB で not otherwiseを検索したら難しい例文が出て来ました。 自力では分からず、下に続く訳を見ている内に唸ってしまいました。  
 出典:English Journal (2003-9)
■Mental Castration:精神的去勢 の一部
 I think that it's a process of・・・で続く文です。  悲しくもなりました。 
 もはや去勢システムが確立されているのかもれません。 

URL | 白樺 太郎 #-
2010/06/11 00:39 * edit *
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