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通訳案内士の形骸化

*中国人添乗員?
 ということで、今年の4月7日にブログを書いた。
 JTB九州が、中国人留学生を添乗員と称しながら、法律で厳禁されている通訳案内士の業務をやらせていることで、九州運輸局に注意を受けた事件だ。

 JTBともあろうものがこんなことを知らないでツアーを造成することはありえないだろうと思っていたら、JTBを含め多くの旅行会社ではこのようなことは日常的におこなっていたらしい。運輸局だって、当然のごとくそのようなことを知っていたはずだ。しかし、このタイミングをみて、「厳重注意」という軽い処分で、マスコミにこの事件を知らしめたのがどうもあやしい。

 この事件が起きたのは、3月25日だ。
第5回「通訳案内士のあり方に関する検討会」という観光庁の有識者会議が開かれたのが、3月15日だ。
この会議は、「通訳案内士のあり方・・・検討」と言っているが、当初から通訳案内法を緩和する目的で設定されたプログラムである。
 そのへんの経緯は以下のHPにとても詳しく説明してある。
*通訳案内士の経済的・社会的地位向上を実現する会

 これを読むと、2008年度では、外国人旅行者の4人に3人までがアジア人旅行者となってきている。アジア人旅行者といっても、中国、台湾、香港、シンガポールなどの中国系、と韓国人がほとんどである。しかも、この方々は、現地の主催した団体旅行客がかなりを占めており、個人渡航者の割合は少ない。
 いっぽう、通訳案内士のほとんどは、英語、フランス語、ドイツ語などのヨーロッパ言語だ。中国語で資格を得たものは1割にも満たない。
 このままでは、アジア系旅行者の入国を禁止するか、通訳案内士法に目をつぶるかしかない。そして、現状は、通訳案内士法に目をつぶりながら、早急に法改正をする道を選択した。

 上記サイトから引用すると、

ベテランの中国語通訳ガイドさんのお話によると、中国、台湾、香港から来るツアーのうち、通訳ガイドを帯同させるツアーは、100本の内1本程度、すなわち1%程度とのことで、ほとんどのツアーは、現地からのスルーガイド(中国では、「全線随行員」と呼ばれている。)、または、在日中国人添乗員などが現地料金で日本国内を帯同しているそうです。まさに、アジアからのツアーは無免許ガイドが普通であって、通訳案内士法違反が日常化している全くの無法地帯です。

これに対して、国交省、警察などは取り締まりを一切行っておりません。観光庁の担当者の方に、「何故、取り締まりをしないのですか。」と聞いたところ、「ツアーの途中で、無免許ガイドが逮捕、拘束でもされたら、ツアー客が路頭に迷うから、そこまではすべきではない。」「その無資格ガイドが有償で仕事をしているかどうか確認がとれない。」というような趣旨の発言をされたので大変驚きました。


 観光庁の有識者会議を運営しているのは、観光庁から依頼を受けたコンサルト会社『JTBGMT(株式会社JTBグローバルマーケティング&トラベル)』である。そして、有識者会議の人選も、この会社がおこなっている。しかも、その会議のメンバーの一人は、社団法人日本旅行業協会外国人旅行委員会副委員長として肩書きであるが、『JTBGMT(株式会社JTBグローバルマーケティング&トラベル)』の取締役社長の深川三郎氏である。
JTBの文字が社名についてることでおわかりのように、JTBグループだ。
 だから、JTBを中心とした旅行業界の主導する「通訳案内士のための有識者会議」が通訳案内士の立場を考えるはずはないのである。有識者メンバーで通訳案内士は、たった一人しかいない。あきらかに、ただ今法を犯さざるおえない外国人ツアーをどうにか合法的なツアーへ持っていくべく、体裁として立ち上げられた会議である。

 昨年6月に立ち上げられた際に、1年後の6月(今年)に結論を出すと決まっていたようだ。上記のサイトによると、会議では当初よりまったく議論はなく「たたき台」どおりに進行されるらしい。
 
 わたしが思うには、2009年6月の時点で、すでに1年後までのプログラムまで仕上がっていたのではないか。
 その過程のなかで、3月25日のような運輸局のJTB九州の厳重注意があり、「通訳案内士に独占された現状でいいのか!」、「一生懸命がんばっているアジア人留学生たちを応援してあげようじゃないか」という世論をあおり、最初から決まっている6月の結論へ向かう。
 *外国人観光客向け有償ガイド 通訳案内士資格、見直し議論波紋(産経新聞)
 *通訳案内士(規制緩和反対のなにを今さら度80点)

 5月14日 第6回「通訳案内士のあり方に関する検討会」の結果、当初の予定どおり、通訳案内士法は形骸化した!今後はマチガイなく、添乗員の資格同様、旅行会社などが要領よく形式的に合格させる合格率100%近い資格になっていくだろう。
 5月17日 観光庁の外客誘致ワーキンググループが当初の予定どおり、中国人ビザの緩和措置を決定し、7月から中国からのお客を合法的に堂々とお迎えできるということになるらしい。

 
 それにしても、・・・・なんか腑に落ちない。

 通訳案内士の資格を苦労して修得した者たちはどうしたらいいのだ。専門学校などに通って結構な出費や努力をしたのではないだろうか。
英語に偏重したというが、あたりまえではないか!日本の教育が英語に偏重しているのだから。それは通訳案内士のせいではないだろう。だから、大多数をしめる英語の通訳案内士の目からみれば、こんなに仕事が少ないのに、約2年前からのガイド試験の「緩和」はどうしてなのと納得いかなかったはずだ。その時から政府は今回までの青写真を作成していたのだろう。どう考えてみても、通訳案内士の立場から組み立てたストーリーではないだろう。中国人団体客を日本に取り込むにはどうしたらよいか、というもとに、考えられたプログラムで、通訳案内士法が邪魔をするから、取り除いただけにすぎない。すべては旅行業者の金儲けの論理だ。
 昨今の通訳案内士は、せっかく資格を得てガイドをしようとしたら、ガイドだけでなく添乗員までやらなければならないことに驚かされる。旅行会社が、料金を安くするために、添乗員分の仕事を通訳案内士に組み込んでしまったのだが、「こんなことは通訳案内士の試験になかった!」と驚いているうちに、通訳案内士の資格そのものが無意味なものになってしまった。

 かたや政治では、中国を仮想敵国のように表現し、抑止力のために普天間基地はつぶせない!という。警察などでは、いまだに警察官の中国人との結婚を禁止している。中国人(三国人)が増えたから犯罪が多発する!と豪語する知事までいる。そんななかで、金儲けのためなら、友好、友好、と叫び、中国人観光客のため、日本の法律を変えてまで取り込もうとする。本当は嫌いだけど、金持ってそうだから、ゴマすりますよ!と政府が宣言しているみたいだ。これが友好というのだろうか。
 金儲けの道具として発生した考えが、日本の観光産業にとってはたして良いことなのだろうか?





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