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派遣添乗員の裁判を傍聴して

 阪急交通社の『もっぱら派遣会社・阪急トラベルサポート』所属の添乗員が訴えた裁判は、先日、派遣添乗員側の全面勝訴の判決が東京地裁で言い渡された。
 *速報 「偽装みなし労働」残業代請求裁判でHTS支部に勝利判決!
 それは、国内添乗における「みなし労働」賃金を認めないという画期的(添乗員にとっては当然)な判決であった。
 翌日の5月12日には、今度は、海外を含めた主添乗における「みなし労働」に関する証人尋問がおこなわれた。


 わたしは、一部分であるが傍聴させてもらった。 前日は、派遣添乗員(東部労組)側の全面勝訴だった。とはいえ、当日の法廷内は、緊張感がみなぎっていた。
 わたしは初めて傍聴した。その印象は、東部労組のブログに何度も登場してくる阪急トラベルサポート側の伊藤弁護士の無知さ加減に驚かされたことだ。裁判の手法上、わざとあのような無知さ加減を押し出しているのかもしれないが、それにしても、この人は、はたしてパックツアーというものに参加したことがあるのだろうか?とくに、阪急トラピックスのツアーに一般的なお客様として参加したことがあるのか?という大きな疑念がわいた。
 あと、もうひとつ、このような法廷をふくめ、多くの主戦場で戦っておられるこの派遣添乗員たちの心労は、ほんとうに大変なものだろうということだ。弁論術に長けた弁護士を相手にするには、ただ正直に真実を話すだけではけっして勝利は勝ち取れない気がしてくる。言葉の揚げ足取りのように、添乗員同士の正誤性のみを細かくついてくる弁護士に、コンピューターではない添乗員はどのように立ち向かえばいいのか?(コンピューターのように正確で無機質な人間は添乗員になれない=一番確かな方法は、伊藤弁護士に阪急トラピックスの添乗をしていただいたらどうだ)。


 伊藤弁護士は、添乗員の江口氏への反対尋問で以下のようなことばかり聞いていた。
添乗員の始業時間は集合時間の何分前なのか?終業時間は最終目的地到着後何分後なのか?とか、それが、誰々さんと5分間違うのはどうしてか?、それは会社から指示されているのか?ホテルのチェックインは何分かかるのか?部屋回りは何分かかるのか?食事時間は何分だ?・・・・・・・・傍聴しながら、なんでこんな茶番なことばかり聞くのだろうか!と不思議に思った。あなたの受けた司法試験とは違うんですよ!と言いたくなった。時間がきたらストップ!というわけにはいかないんですよ!と。出題を解けるまで帰れないのが添乗なんですよ!と。江口添乗員が何度も親切に応えていたように、その出題をもっとも早く解いた者の時間を敢えて選んで始業時間等と述べさせていただいているんですよ、と。だからこそ、江口氏は、あなたの「それでは個人としてはどこまでを添乗業務時間と考えるのですか?」という問いに、はっきりと、「24時間すべてです!」と応じたのではないですか!

伊藤弁護士のあせりは、傍聴席へ手に取るように伝わってきた。
その一発逆転を狙ったのか?国内添乗の始業時間を江口氏へ質問したときには力が入っていた。
「そういう時間は誰が決めているのですか?」
「わたしの経験から判断してます」と、江口氏が自分は海外添乗で採用になったので国内添乗のマニュアルはもらっていないのだ、と聞くやいなや、我が意を得たりと、「それはおかしいじゃないですか!自分で判断していいんですか!マニュアルがなければ、なぜ下さいと言わなかったのですか!」
マニュアルなしで添乗したことが、添乗員が、まるで、好き勝手に添乗をしている!とでも言う様子であった。


 わたしは、添乗業務とは、旅行業約款とある意味同じだと思う。
旅行会社は大小にかかわらず、設立の際、自社の旅行業約款を定めて、登録官庁の認可を受けなければならない。ただ、旅行業法で定める標準・旅行業約款という見本を自社の約款とするのであれば、しいて登録官庁の認可は必要ない。これと同じである。添乗員は、旅程管理研修の有資格者である。観光庁から認可を受けた団体で、観光庁の許可を受けた教本と講師のもと、研修を受けるのである。しかも、その研修は、派遣会社または旅行会社から従業員(登録社員)である証明書がなければ受講することはできないことになっている。よって、添乗員は、観光庁が提示する添乗基本マニュアルを理解し、添乗員(旅程管理主任者)としての認可を受けたものと考えられる。その意味では、標準・旅行業約款である。

 だから、しいて、各旅行会社が細かくマニュアルで指示しなくても、もう立派な?添乗員なのである。逆に、マニュアルを提示しないということは、添乗基本マニュアルどおりでかまいませんよ!という旅行会社側の合図と考えられる。
 以前から、多くの旅行会社では、簡単な自社の指示書を「打合せ」時、他の書類と合わせて添乗員に配布する程度だった。自社だけのオリジナルサービスやセールスポイントをそのとき各添乗員に理解してもらうために。それは、ツアー中の添乗業務に関しては添乗員の一般的な基本事項(旅程管理研修)を遵守していただいて結構ということだ。これは、同時に、旅行会社が旅程管理研修の一般的基本事項を添乗員に指示したという意志であり、旅行会社が添乗員に何も指示を出さなかったということではないのだ。

 だから、わたしは、自社のマニュアルによる指示など関係なしに「偽装みなし労働」が全旅行会社に適用されなければおかしいと思う。
 前日の裁判の勝訴は、阪急トラベルサポートという一派遣会社の添乗業務に限って「偽装みなし労働」ということではなく、すべての会社の一般的基本事項を遵守することにおいて、もうすでに、「みなし労働」は認めない!という見解が示されたのではないのか。わたしは、少なくともそう理解した。そして、今回、裁判を傍聴して、裁判長の様子から、その意識を強く感じた。


 
 阪急トラベルサポートは、TCSA(日本添乗サービス協会)の正会員である。TCSAは、以前は派遣添乗員のための唯一の旅程管理研修機関であった。また、親会社の阪急交通社は、JATA(日本旅行業協会)の会員である。だから、阪急トラベルサポートの添乗員が、TCSA、もしくは、JATAで、旅程管理主任者の資格を得たならば、その知識を基本マニュアルと考えて何の不思議はない。それ以上を求めるのであれば、旅行会社のほうから、別途用意し、指示すべきであろう。
 阪急交通社は、命令口調の自社マニュアルで農奴のように添乗員を管理する先駆的会社であるから、旅程管理研修機関が教える基本業務以下の添乗業務であるわけはない。


 *国内添乗 バスツアーにおけるマニュアル
       (基礎的な業務を争う必要があるのだろうか?)

TCSAの教本より

 ツアー開始
 いよいよツアー開始です。初めてお客様と会う緊張の一瞬です。受付の第一印象はとても大切ですから笑顔で応対し、短い時間に要領よく受付をして、お客様に安心して出発していただきましょう。
 ツアーが始まったら早目にお客様の名前を覚え、積極的にツアーを進めてゆきましょう。

1 受付の準備
  お客様の集合時刻の40分くらい前にスタンパイし、受付を開始できるようにします。集合場所は他のツアー客で混雑することが予想されますので、受付の準備ができたらツアー名の書かれたプレートを分かりやすい場所に掲示し受付を開始します。すでにパスが配車されていれば乗務員と簡単な打合せをします。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



JATAの教本より
 

       第5章 集合場所での受付

 国内旅行は、海外旅行の場合と違い出国手続き等に時間を要することはないが、利用する運送機関や参加人員等を考慮して十分余裕を持つことが大切である。
 また、添乗員は旅行者より早く行動をすることが基本である。

く1)集合場所における留意点
  添乗員は集合時刻の40~60分前には集合場所に到着して、JR、航空会社等と改札場所や搭乗手続きの時間等の打ち合わせを行なう。バス旅行であれば、乗務員と行程上の食事、見学、宿泊場所などの確認や、道路状況について情報 交換する。
  また、受付の目印となるよう社旗等の表示を行なわなければならないが、トイレや売店などの場所は必ず事前に確認しておく。

① 受付時の留意点
  利用する運送機関によって、受付の方法が多少異なる場合があるが、共通する項目としては以下のとおりである。
 a.参加者名簿と旅行者の照合をする。
 b.貿付時刻と出発時刻に30分以上時間がある場合は、再集合時刻の連絡をする。
 C.集合時刻を過ぎても受付場所にこない旅行者には、自宅などの連絡先に連絡し確認をする。
 d.第一印象が大切なので、受付の時は慎重に対処する。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

阪急トラベルサポート 国内添乗マニュアルより

受 付 の 流 れ
 <ツアー当日>
まず「モーニングコール」を忘れずに行いましょう。くここからが仕事です)
電車が遅れる場合もありますので、余裕を持って早目に出る様にしましょう。

 スタンパイ・…‥受付開始時刻より10分~15分前
  確認事項(集合場所にて)
  ① 集合場所近くのトイレの場所(利用可能時間も必ず確認!)
  ② 近くの喫茶店(もしくは座れる様な場所)と営業時間
  ③ 近くの売店(もしくはコンビニ)の場所と営業時間
  ④ 近くの公衆電話の場所
  ⑤ 雨天の時の待機場所
  ⑥ 念の為、すでにバスが来ていないかも周囲を見て確認しておく

   センダーが来たら…く「東京駅」と「さいたま新都心」の集合のみ)
  ① 添乗するコース番号とツアータイトル、号事番号を伝える
② 旗の色を伝える
③ すでにバスが到着していれば、待機場所を伝える
④ 受付場所を相談する。(出発コースが多ければ、程よく散らばる)
⑤ 周囲で受付をしている他のコースがあれば伺っておく。

 集合受付……PAX集合の45分前より受付開始(6時台であれば30分前)

    事前に「バスステッカー」と「旗」を準備しておく
   その際、周囲に他のツアーの集合があれば確認する。(他社も含む)

   周囲に確認する内容
   ① 会社名(阪急以外も一応確認する)
   ② 同じ阪急であれば「クリスタル」か?「企画旅行販売課」??
   ③ ツア←名(もしくは方面)
   ④ 集合・出発時間
   ⑤ 参加人数
・・・・・・・・・・・・・


 阪急だけ、[PAX(お客様)の集合時刻の45分前=受付開始]+[受付開始時刻の10~15分前=スタンバイ]、ということは、お客の集合時刻の55~60分前から始業ということだ。
ただ、本来、時刻先にありき、ではなく、予定どおりバスを出発させるためには、何時に集合場所へ行けばいいのかな?というところから始業が決まるべきだろう。
高齢者が多いツアーであれば、早めに集合してくることが考えられるので少し早くいっておいたほうがいいかなあ・・・などと思案するのが多くの添乗員のはずだ。旅行会社は、添乗員のそういう誠意には全く応えてこなかった。応えてこないどころか、そいういう誠意や思案というものを義務化、制度化し、無償の「みなし労働」のなかへ組み込んでいった。
アンケートで、「添乗員がバスの中で居眠りをしていた」とお客に書かれれば、マニュアルに「添乗員はバス車中で寝ないこと!」と文言が加わり、アンケートに「飛行機の中で添乗員がいるのかわからずに困った」と書かれれば、「添乗員は必ず席番を連絡すること!」となる。
 ツアーという動体のなかで、添乗業務に加わった、どうでもいいがやらないと怒られる実務事項を記憶しながら正確に実施してこなければならない!という切迫感は、もう「みなし労働」の概念とは程遠いものになってしまった。
 
  旅行会社が、添乗員と接するツアー担当者に対して、「みなし労働」の説明をしっかりとしてこなかった時点で、すでに「みなし労働」は終わっていたのだと私はおもう。
  その概念がしっかり伝わっていたら、とても隷属的マニュアルなど作成できるものではない。しかも、それを厳守する指示は出していない!などと言いながら、アンケートという監視カメラで評価するようなまねをできるはずがない。
 
 もう、いいだろう!
「みなし労働」から脱出しても。
阪急の伊藤弁護士のいう細かな審議はほんとうに必要なのか?
日程表(確定書面)と添乗日報があれば、添乗の業務時間帯は十分に計算できるであろう。
それができなければ、ツアーの造成など不可能ではないか。
添乗員が嘘をつく?そんな言い逃れをするのが、企業と呼べるのだろうか?
とても悲しくなる・・・・・・・・・・
旅行業とは、こういう者たちの集まりだったのだろうか・・・・・・・


裁判の傍聴中、あまりに細かな質疑に疲れてしまい、メモでも取ろうかと思っていた手帳に、添乗員側の女先生(弁護士?)の顔を書いてしまった。
とてもチャーミングでスマートな女性なのだが、
私が書くとこんなふうになってしまった!

saibansyo.jpg

すいません、というしかありません。
やっぱり、「旅日記」に私は向かないようです。
 
*添乗員「偽装みなし労働」の是非を問う残業代請求裁判第1・2陣訴訟の証人尋問



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この記事に対するコメント

No title

伊藤弁護士というのはキチ外ですか。こういう弁護士が日本にいる限り
この国が良くなることはないですね。カネと権力のためなら、人間を捨てた鬼畜だと個人的には思います。
心のある方、頑張ってください。

URL | きりすと #-
2010/05/21 17:47 * edit *

Re: 「傍聴記」読ませて頂きました。

私自身の感想にですので、意に沿わない内容があればお許しください。
頑張ってください!

管理人より

URL | InTouch #-
2010/05/16 01:29 * edit *

「傍聴記」読ませて頂きました。

傍聴お疲れさまでした。
「傍聴記」読ませて頂きました。添乗員ならではの視点からの分析は大変勉強になりました。
これからもよろしく。


URL | 本部スタッフ #-
2010/05/15 17:52 * edit *
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