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空港閉鎖と奇妙な日本人


 アイスランドの火山噴火によりヨーロッパ中の空港が閉鎖もしくは飛行制限が加えられている。とくにヨーロッパ北部が火山灰でかなり視界が悪そうだ。まだ南側のほうがましなようだが、それでも、トルコあたりまで飛行が制限されている。
 アイスランドは、もともと地球の割れ目である大地溝帯の上に乗っかったような国で、過去に何度も噴火がおきていたらしいのだが、今回のようにヨーロッパの主要空港が何日も閉鎖になったのは、近年ではめずらしいのではないだろうか?まあ、アイスランドは、地溝帯のおかげで、氷河から温泉まで、多くの自然に恵まれたともいえるだろうが、ここまで大規模だとやはり市民生活はたいへんなはずだ。

EUROCONTROL - European Organisation for the Safety of Air Navigation
List of volcanoes in Iceland

 飛行機に乗る予定だった人たちは大変だ。旅行会社も大変だ。添乗員やお客も大変だ。
テレビでは、毎日のように、現地で足止めになった日本人のコメントを流している。毎日、誰でも言うことは同じだ。「疲れた。早く日本へ帰りたい・・・」
そんなあたり前のことばかりよく流しているなあと思って、チャンネルをいじくっていたら、外国のニュース番組をBSで放映していた。同じようにアイスランドの火山噴火による空港閉鎖を取り上げていたが、日本とちがって、お金が底とつきてどうしようか困っている人や結婚式場にたどり着けず途中の乗換空港で式をあげたカップルやどうにかして飛行機、列車、船と乗り継いでロンドンへたどり着いた夫婦など、多種多様の人間模様をウィットとともに放映していた。

 欧米人にとって、自然災害は仕方がないもの、という意識が強いだろう。いや、自然災害でなくても、トラブルの際、あまり目くじらをたてて怒っている姿をみたことはない。起きてしまったことはどうしようもない、これから先を考えよう!という態度である。それに比べて日本人は、ただひたすら耐える人とコトサラ極端に怒り出す人とに分かれるようだ。自然災害といえども、旅行会社や航空会社が悪い。あげくのはては、添乗員の態度が悪いからこんなことになったんだ!とか言う輩まで噴出する。
 実際、わたしが添乗したときこんなことがあった。かなりの濃霧のため飛行機の出発時間が確定しなかった。そのことをお客に説明し、こちらは事後策を考えようかと思っていたら、プライドの高い男性中年客から、「確定しないとはどういうことか!お前が強く言わないから、飛ばないんだ!それでも、添乗員か!」と一方的に罵倒された。そしたら、それに同調したオバサン客が噴出してきた。欧米人では、こういう客はめずらしいだろう。もしいたとして、他の誰からも、哀れんだ眼で眺められること必至だ。
 「責任」がどこにあるのか?ということを、欧米人はしっかりと考えることができるからかもしれない。彼等は、小さいときから話し合って物事を解決することを学ぶ。倫理や哲学を学び、自己主張の正当性の意義をエヴィデンスできる。日本人は、倫理や哲学のもととなる「宗教観」が複雑なため、すべて曖昧となる。それはそれで「和」を保つということではよい慣習なのかもしれないが、当然、「責任」も曖昧となる。責任を取らなければおかしいと思える人が責任を取らずに、責任を取らなくてもいいのにと思える人が責任を取ったり、また、誰もが責任を取らずに終わってしまったりなど、その場のコミュニティの力学で「曖昧な決定」がおこなわれるのである。そして、ツアーでは、いわれなき「責任」を、添乗員がいつも取らされるはめになるのである。


 そういえば、日本のテレビでは、閉鎖された空港の待合室で、日本のツアー客らしいご婦人たちが、ラジオ体操のような集団体操をして体をほぐしている様子が放映されていた。その場面を観た視聴者は、けっこう「はずかしい・・・」と思ったのではないだろうか。自主的におこなったのか添乗員が音頭をとったのか分からないが、自分たちの奇妙な行動を、「奇妙」と気づかないところに大きな問題があるのではないかとおもう。ラジオ体操は日本だけのものだ。そして、日本の高度成長期、朝から夜中まで働く奇妙なエコノミック・アニマルとしてカブシキガイシャ・ニッポン人の独特な儀式として、朝のラジオ体操や社訓の唱和が海外で取り上げられた。あちらの人にとっては、驚くべき奇妙な行為だった!

 もう20年近く前になるだろうか。アジアの高級リゾートホテルのプールサイドで寝そべっていると、目の前を奇妙な一団が通り過ぎていった。
 プールサイドのデッキチェアには、世界中からバカンスを楽しみにやってきた老若男女が、色とりどりの水着をさらにずらしたりして肌を焼いていた。南国の光と空気のなかで、なんともいえない気だるさが心地よい。
 そのなんともいえない空気のなかに、不思議な集団がどこからともなく舞い降りてきた。4,5人のその男性集団は、プールを覗き込むように、プールサイドに立っていた。

hotel-pool.jpg

手を腰に当てている者、手を振り屈伸をしている者など・・・・・さまざまだが、一番わたしの目を引いたのは、その奇妙ないでたちであった。
全員、色白である。全員、黒いサングラスをしている。全員、トランクスの白い水着を着ている?と思いきや、それは、BVDもどきの白い下着であった。ちゃんと社会の窓もみえる。そして、全員、黒っぽい靴下と黒の革靴を履いていた。
 彼らの色白の肌と純白?にみえる下着は、南国の太陽を燦然と反射させていた。しばらく見ていると、プールサイドのところに何やら黒の革靴を脱ぎはじめた。なんか、嫌な予感がした・・・・
プールサイドの気だるい静けさを打ち破るような音! ザブーン!!!!そうだ、彼らが、あのいでたちのまま、プールに飛び込んだのだ。
  とてもうれしそうだ・・・・・
 しばらくして、水から這い出てきた彼らの姿は、前以上に異様なものとなってしまった。
彼らの白い下着は、中身が透けて見える状態となり、しかも、水を含んだせいで重く下に垂れ落ちていた。
これまた、水を含んだはずの靴下のまま置いてあった革靴をはくと、うれしそうに仲間と会話をしながら、さっそうとプールサイドを後にした。
 不思議な風が通り過ぎたようだった。
 彼らの会話は、中国語だった。
 当時はまだ、中国人で中国国外へ出られる者は限られていた。もちろん、中国人観光客など存在しない時代である。わたしが見た中国人は、「研修」「招待」というような目的でたまたまこのホテルに宿泊していた者だったようだ。わたしの想像では、彼等はプールというものに今まで入ったことがなかったのではないだろうか。彼らの基準では、そのいでたちでプールに入ることは別に奇妙なことだとは思わなかったのかもしれない。自国では奇妙ではない。
ただ、さすがの中国人も、今はそのいでたちで、プールへ飛び込もうとする者はいないだろう。
中国人は、学習能力は高いだろうから。


 こんなこともあった。
飛行機の乗換え(Transfer)のため、外国の空港待合室内で次便の搭乗待ちをしているとき。
ツアーのお客たちと一緒に、のんびりとイスに腰掛けていた。すると、出発案内などの港内放送にまじって、日本語らしき言葉がわたしの耳に聞こえてくる。わたしの連れて来たツアー客の声ではない。時差の関係でお客たちは眠そうである。気のせいかな?とおもっていると、今度はハッキリとした日本語が聞こえてきた。その日本語で、わたしたちは、「んん・・」という感じて、皆、声のするほうへ首をもたげた。
 そこには、20名ちょっと越えたぐらいの日本人の中高年グループが座っていた。待合室の向かい合った席を半分づつ陣取り、添乗員らしき男性が中央端に立っていた。
「それでは、次の方、自己紹介、お願いします!」
「わたくしは!・・・から来ました・・・と申します!・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・よろしく、お願いします!!」
パチパチパチ・・・と待合室内を拍手の音がこだまする。とうぜん、その奇妙な行動に、待合室内にいる外国人たちの視線は釘付けとなる。そんなことを気にする様子はなく、わが道を行くかのごとくこの自己紹介は続いていく。まるで、ここだけが個室のように、添乗員もお客たちも、悦に浸っている。
恐ろしい光景を目にした、わがツアー客は、眼を細めて、「どこのツアーかしら・・・」

 わたしには、そのグループの検討はだいたいついていた。
近くで、バッチを確認した。
やはり、『ワールド航空サービス』であった。

 しいて、お客に学習させない工夫をしている旅行会社が日本にはある。
だから、いつまでたっても、「奇妙」なままの、日本人が海外にはたくさんいる。
そして、そういうお客に限って、「旅なれ」たウンチクを自慢げに語り出す。

 


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この記事に対するコメント

ずーーっと座りっぱなしで運動不足の人が体をほぐすためにストレッチをすることなんて当たり前なのに、それがラジオ体操だと恥ずかしいと感じる人がいたら、その人はさぞかしこじゃれた、効果的なストレッチをご存じなんでしょうね。
日本全国に周知してあげたらいいのに。ラジオ体操以上に広まるなら。

URL | None #-
2017/07/15 06:40 * edit *

   

あの・・・ラジオ体操の発祥はアメリカですが・・・

URL | 通りすがり #-
2015/07/04 12:06 * edit *
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