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ツアーは、日本人村か?

 ツアーパンフレットを開けば、どこの旅行会社も同じようなツアーを主催していることがわかる。
とうぜん、現地でツアーグループ同士のニアミスがおこる。
ホテルで、観光地で、レストランで、とシーズンともなればあらゆる場所は、ニアミスのオンパレードである。

 そういうときの日本人客同士の他人意識というのはおもしろい。
同じ日本人なのにうちとけて話そうとはしない。それ以上に、グループ同士の敵対行動のようにさえ見えるときがある。まるで、嫌なものに出会ったような、嫌なものをみたような。あれは何なのか?と思う。自分たちグループはよくてちがうグループはだめなのか?コミュニティがちがうのだろうか?ちがうムラの住民とはむやみやたらと仲良くすれば、村八分にでも会うんじゃないかと思っているのだろうか?となると、ツアーグループを結び付けているものは、同じ旅行代金を払って同じツアーバッチを胸につけたムラに所属するのか?日本から一歩外に出るほど、日本人は日本的になる。それはほとんどの国の日本人コミュニティが証明してくれている。そういう日本人ツアー村が、あっちこっちでニアミスを繰り返し、お互いに流し目で相手の存在を確認し、それとなく相手をチェックし自分たちと比べているということか。

 このムラ、日本中の地域から集められた寄合所帯。唯一の条件は、旅行代金である。その旅行代金額は、胸につけられたバッチで公表されている。
だからなのか、JALPAKの『アイル』、全日空の『ハロー』、JTBの『ルック』のバッチをつけた客は、間違いなく、阪急トラピックスやクラブツーリズムの客より偉そうにしている。何を勘違いしたのかJTBの『旅物語』のバッチをつけたお客が、阪急トラピックスやクラブツーリズムより偉そうにしていることもある。その阪急やクラブツーリズムが唯一偉そうにできるのが、HISのようだ。新興宗教のコミューンのようなユーラシア旅行社やワールド航空サービスは、奇異の対象物でしかない。

 旅行会社や添乗員が、このムラ意識を助長させる行動に出ることがある。
 ある旅行会社は打合せのとき私に言った。
「もし、ほかの日本人グループとレストランでバッテングして、そちらの食事より見劣りするようだったら、なにか別注で注文してかまわないから」
 他の日本人グループより、量を多く出して、優越感に浸らせろ!ということらしい。これは他のグループがいなければ別注する必要はない。
 またこんなこともあった。
パリのシャルルドゴール国際空港で、ターミナルの乗り継ぎがあった。バスでの乗り継ぎになるが、私より後に待合所に到着した日本人グループ(関西)の女性添乗員が、わたしにこう言った。
「すいません。乗継便まで時間がないんです!私たちのグループを先に行かせてもらえませんか!」
私のグループは次便までまだ時間があった。とうぜん、困っている人たちがいれば、協力する。それはお互いさまだからだ。わたしは、自分のお客に「こちらの日本人グループが飛行機に乗り遅れそうですので、先に行っていただきます。こういう場合、お互い様ですのでご協力おねがいします」と言った。
その後すぐに待合所の先で待機することになったこの女性添乗員がお客に小声で話している言葉をわたしは耳にした。
「わたしが添乗員でよかったでしょ!」
「ほんとうに添乗員さんでよかったわ!」
 わたしは、この会話が妙にひっかかったが、その会話の真偽についてはこのときはまったく理解していなかった。
その真偽がわかったのは、バスでターミナルを移動してからである。なんと、女性添乗員に引き連れられたグループが乗る乗継便は、わたしたちと同じ便だったのだ!あきらかに嘘をついて、自分のグループ客を優先させたのだった。
 次便のゲート付近で、わたしと出くわした女性添乗員は、わたしから目をそらすとそ知らぬ顔で通り過ぎようとした。わたしは頭にきたから、彼女の腕をつかんで、「嘘をつくのはよくないんじゃないか!」と言ってやった。
「はなしてください!わたしは、悪いことはしていません!お客様のためにしたんです!」
「こちらにも、お客様がいるんだよ」
「なら、あなたもすればいいじゃないですか!」

わたしは、お客のために嘘をつくことがあってもいいと思う。だが、それは、被害者のいない嘘だ。良心を利用する嘘や行為は、日本の社会でも、世界中どこの社会でも、是とはしていない。
日本人として、人間として、やはり、倫理や道徳に反する行為を、リーダーとしての添乗員がおこなうべきではないだろう。リーダーの行為は、その行為をおこなわさせた哲学もふくめ、団員に伝播する。不思議なもので、朝から夜まで何日間も寝食をともにしていると、添乗員と団員というのはよく似てくる。とうぜん、団員が添乗員に似てくるのだ。
だから、わたしは、先の女性添乗員のお客様を責める気にはならない。
「ほんとうに、添乗員さんでよかったわ」と言わせたのは、その女性添乗員そのものだから。
その添乗員の私利私欲的な思想が、そのお客様へ伝播したのだ。


 「ムラ意識」「差別意識」といのは、あきらかに、コミュニケーションのないところから生まれてくる。接触があれば、かならず意識とは変わるものだ。添乗員というリーダーが、お客の「ムラ意識」を煽って自社ツアーの優越感を植え付けさえすればいいのか?それとも、添乗員が包容力をもって、ほんとうの意味でボーダーレスな価値観をお客様へ提示することが大切なのか?

ひとつ言えることは、お客様が本来持っていただろう良い面を、そのツアーで失わせるような結果におわる役目を、このツアーの引率者としての添乗員が、レジャー産業としての旅行会社が、すべきでないことは確かだろう。それなら、なにもしないほうがいいかもしれない。




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