Home *  * All archives

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
tb: -- |  cm: --
go page top

すばらしき旅人!香田証生

 2004年10月、戦時中のイラクで、一人の日本青年が、反体制勢力に殺害された。
彼の名は、香田証生。24歳だった。
 同月27日、イラク、サマワ近郊で拘束された香田氏は、犯人グループによる「日本政府イラク撤退」の道具として使われ、それを断固拒否した小泉政権により、31日には、バグダットの路上で首を切断された遺体として発見された。切断されたときのビデオが出回ったことで、その犯人の残虐さは一段と恐怖を与え、そのことは、「なぜあんなところへ行ったんだ!」というイラクへ行った日本人そのものに強く向けられていくことになった。

 香田氏は、産経新聞を代表とするマスコミ、政府関係者、果ては彼らが大義名分としてよく使う「日本国民みんながそう思っている・・・」というような全国民?から、非国民、無法者、自業自得、迷惑者、無責任とありとあらゆる罵倒を浴びた。
当時の自民党の首脳部の表情には、「ほんとうに困るんだよなあ」という、ほっておきたいのに一応対応しなけれなならない不平、不満で満ち溢れていた。
 「自己責任」という言葉を、マスコミ、政府ともことさら彼に投げかけ、死体が出たら、「自己責任」の迷惑者が自殺したぐらいの心情が流布された。

 あの事件の衝撃は大きかったと思う!
私は、あの事件は個人旅行者に個人で行くことの大きな不安定要素を提示したと思っている。
特に、学生や若者にとって、あれでは、海外旅行へは行けない!
好奇心と安全と、自分の自意識を確認しながら、旅をしているのだ。
だから、とうぜん、そのバランスがくずれて、騙されたり、盗まれたり、病気になったり、怪我をすることもあるだろう。それはある意味仕方のないことなのである。必要悪である。
 それを、マスコミや政府や役人は、「無責任」と断言し、切り捨ててしまった!

 外務省は、100%、日本の商工会議所の出先機関である。彼らからしたら、旅行者(とくに個人)など迷惑者以外の何ものでもないのだ!彼ら強者の主張が、香田氏のような個人旅行者を「無責任者」として処刑させたのだ!と私は信じている。
(肩書き=企業・官公庁のある者が人質になったときと明らかに対応が違うのではないか!肩書きのある者ほど責任を取らなければいけないのではないか)

人気ブログ・植草一秀の『知られざる真実』より

自由主義経済のルールは、自由な経済活動を認める代わりに、結果に対する責任を自己が負うというものである。資本主義経済では、経済活動の中心に株式会社が置かれる。株式会社は一定のルールの枠のなかで自由な行動を行うことを認められているが、結果に対しては自己責任が求められる存在である。
資本主義経済のなかで労働を提供する労働者にも自由主義経済のルールは適用されるが、人間である労働者に対しては、生存権の視点や人間尊重の視点から、自己責任の一言で切り捨てる政策対応の問題点が指摘される。

とりわけ、小泉竹中政治が人間性無視、弱者切り捨ての冷酷な経済運営を推進し、社会全体に大きな混乱と問題を引き起こしたことから、自己責任一辺倒の政策には強い見直しを求める声が高まった

こうした、人に対する施策と、企業に対する施策とを明確に区別しなければならない


 地球の歩き方=ダイヤモンドスチューデントツアーやリクルートの学生ツアーが人気のあったのは、1980年代だ。両社は、往復飛行機とそれに伴なう前後2泊のホテルだけセットにした個人旅行で、学生たちに体験的ツアーを提示していた。その両社でも、1990年代に入ると、学生の思考がどんどんと変わり、体験的個人旅行ではなく、ワキアイアイの学生パックツアーのほうへシフトしていった。
 そして、「自己責任」だとか「無責任」とか言われはじめた2000年代、もはや、海外で、失敗は許されなくなり、日本大使館など「あなたの自己責任ですから!」とパスポートも発行してくれないかもしれない。そうなると、学生も、中高年と同じパックツアーでしか怖くて旅行へ行けなくなるのではないだろうか。そしてパックツアーの参加者同士の摩擦が嫌に感じはじめてきたのが、昨今ではないのかと思う。若者は、聞き洩れるネガティブ要因に打ち勝つエネルギーが注入できないのかもしれない。
 若者が、海外旅行をしなくなったことがニュースで流されている。近場ならいくのである。韓国、台湾、上海、マカオ、グアム・・・・・・国内旅行感覚だと思う。

 
 
 香田証生氏は、ニュージーランドにワーキングホリデーで滞在していた。
ワーキングホリデーとは、若者が働きながらその国を実体験する制度である。国相互に結ばれている制度であるから、ニュージーランドの若者も日本へきて、英語講師などしながら実体験をしている。
 
 2004年1月ワーキングホリデー(1年間)が終了した香田青年は、日本へは帰国せず、そのまま他の国々を旅することにした。
 その旅の中で、イスラエルを訪れた。
イスラエルで目にしたパレスチナ人への弾圧!
隣国ヨルダンで、耳にするイラクの様子。
イラクで本当に米国は歓迎されているんだろうか?と思い、是非一度行ってみたい!と思案する。
個人旅行者なら、こういうふうに思っても、何の不思議もない。
どうにか行けないだろうか?とヨルダンのアンマンで相談してみると、もしかしたら、イラクへ越境できるかもしれないとわかった!
行って見たい!
私だってそう思うだろう。自分で危険だと察知できるところまで行ってみたい!と。

 そして、彼は本当にイラクへ入ったのだ。
これをもってして、彼はすばらしき無銭旅行者!だと思う。
 無銭旅行者は、世界を旅しながら自分を研磨している。大きな目的などないのが普通だ。そのつど、出会い、体験によって、意義ある目的を見つけようとしている。その目的が困難なほど、意義が大きいと感じるものだ。
 香田氏は、出会いと体験によって見つけた目的を本当に遂行した。
 これは、尊敬に値することなのだ。
 イラクでは、外務省の役人やジャーナリストが亡くなった。この人たちは目的を持って日本を出発しイラクに入った。こういう大義名分のある者と香田氏は明らかに違う。イラクに入る意義は、香田氏自身にしかないのである。だから、私は香田氏はすごいと思うのだ。

 香田氏は、無残にも人質になって数日で殺されてしまった。
彼に対する報道は前述したとおりである。
自己責任、自業自得、無謀、無責任・・・・・・・・・
 
 彼は、そんなことはすべてわかっていたはずだ。
旅行者とはそんなものだ。最後は自分の責任であることなど、個人旅行者にとっては何度も出くわすあたり前の結論なのである。長期旅行者である彼が、それを体で知らないはずは絶対にない!
 ただ、・・・・彼の拘束された立場がそれを許さなかった・・・・と思う。

 犯人の意向をくんで日本政府に呼びかけざるおえなかった。
その証拠が、彼がビデオでいった、「すみませんでした・・・」という言葉である。
あの状況のなかで、彼が言ったあの言葉。死を覚悟した言葉。
 旅人として、若者として、これだけの好奇心と勇気と覚悟を持っている者がいるのか、と感涙する。

 それに対して、国は、何もしなかった。
小泉首相、町村外相、それに外務省と・・・・・・・あの表情から読み取れるのは、
何もする気はなかった!ということである。ただのパフォーマンスでマスコミを賑わせただけである。
 バカな!香田氏の一方的な無責任論で幕引きを計った。

 企業でも死に掛けたとき、銀行など頼れるものは一応声をかける。自己責任だとは思っても、最後まで再起を図る。
個人でも、何か困ったことがあった場合、兄弟や親を頼る。自分が悪かったと思っても、肉親に援助してもらえたら、と思う。
そして無理を承知でぎりぎりまで助けてくれるかもしれない。
 それが、海外では若い個人旅行者が起こしたトラブルに関して、日本(外務省、日本大使館)は、親のような広い心で、守ってあげようとはしない。どんな無法者のやんちゃ坊主でも、親(外務省)の努めはまず保護してあげることではないのか。そのことに、細かな理屈はいらない。まず自分の務めを果してから、本人へ功徳なお説教を垂れればいいだろう。それをマスコミを巻き込んで、自分たちの行為を正当化しようとする。命の重みに対する思慮は、政府関係者の誰からも感じられなかった。
このへんは欧米と全然違う。彼等は、ぎりぎりまで助ける。理屈なしに自分の役目を果たそうとする。


 香田氏は、すばらしい青年だ。
 好奇心を持って、海外に渡り、自分をもっと知るために旅をし、勇気を持って戦時下?のイラクを訪れた。そして、囚われの身となった自分の最後を、「すみませんでした」という言葉とともに括った。
 旅が彼を成長させ、旅人として、彼は大地の砂に消えていった。
 
 両親はテレビカメラの前で、遺体が息子と判明した後、「・・・・・皆さんに迷惑をお掛けしてすみません・・」と謝罪したのだ。
(なんということを、させるんだ!)
 
 私は両親に言いたい。
私も彼と同じ年頃、旅の途中、海外で死にかけたことがあった。
私は幸運にも死ななかったが、死線をさまよっているとき、目頭に浮かんできたものは、私の両親だった。それまで、そう思い出したこともなかった両親が目頭にくっきりと現われ心配そうな顔で自分を覗き込んでいるのである。そのとき、私は、心から、両親にわびたのだった。
〈せっかく生んでくれたのに、何の恩返しもできず、心配ばかりかけて、このまま死んでしまって、ごめんなさい!〉
声にならない叫びであった!
死に及んで、自分を本当に心配してくれていた愛情に気づいたのかもしれない。
 だから、香田氏が、犯人に拘束されながら、ビデオで、「すみませんでした」といった言葉、・・・・これは、両親に対して言った言葉ではないかと私には思えるのだ。



 いつか自分が歳をとったとき、小さな子供にこんなような話しをしてみたいと思っている。

 むかし、アメリカがイラクを侵略したとき、日本人として散っていった一人のすばらしい若者がいたんだ。
 彼は、普通の旅人だったが、どうしても、自分の目で、アメリカがイラクでしていることを見てみたいと思ったんだ。
 そして、勇気をもって、ひとりで、イラクまでたどり着き、そこで、ついに、自分の疑問の答えをみつけたんだ!
 それは、アメリカが、テロリストを製造していた!ということだよ。
 その日本の若者は、どうして、そのことがわかったかというと、
 それは、自分がそのテロリストの人質になることで、証明したんだ。
 若者は、自分が人質となって、無残に殺されることによって、アメリカの横暴を教えてくれたんだ。
 
参考: 
http://kajipon.sakura.ne.jp/kt/peace3.html
http://1st.geocities.jp/matome83/iraq/

香田証生さんはなぜ殺されたのか香田証生さんはなぜ殺されたのか
(2005/10/15)
下川 裕治

商品詳細を見る


tb: 0 |  cm: 8
go page top

この記事に対するコメント

InTouchさん、こんにちは

始めまして

URL | None #-
2012/12/24 03:45 * edit *

自業自得!
それしかない。

URL | None #-
2012/08/24 23:03 * edit *

あの時の自己責任論の異常さ、なんとコントロールしやすい国民なのでしょうか。
あなたのような正論を言う人間がいてホッとします。
現在ではあの時の自己責任が形を変え、経済の分野で発信者たちに襲い掛かってますが、彼らの口から自己責任が出てこないのが疑問ですねぇ。

URL | None #-
2012/05/01 19:57 * edit *

死ぬのが嫌ならあんなとこに行かなければいい

URL | None #-
2012/03/17 16:12 * edit *

香田青年は立派だった

香田さんを失ったことは我が国にとって大損失だ(∋_∈)
自分の子供に香田さんの事をしっかり語ろうと思います。
小泉さんは冷たい 2人の息子が同じめに合っていたら自衛隊を撤退させたのだろうか? 奧さんに逃げられたのがなんだかわかるような気がする
小泉親子なんか絶対支持しない

URL | テレジア #-
2011/06/23 20:32 * edit *

この事件・・・

 私もずっと気になっていました。
しかし、書籍化されていたことは、まったく知りませんでした。
(今、注文しました!笑)

 海外における日本人の中に、ランクがあるということは、
中島義道氏も著作の中で何度か触れています。
それで、地位も仕事もない、国費留学生でもない、
そういう若者が一番迷惑なんだ!
という態度を、現地の日本人から受けることが多々あったそうです。

 intouchさまのご指摘どおり、

>このへんは欧米と全然違う。彼等は、ぎりぎりまで助ける。理屈なしに自分の役目を果たそうとする。

 私もそう思います。
例え、結果がどうあれ、なんとか対応しようとする、その心意気というものが、当時、政府に感じられませんでした。
どちらかというと、

 勝手な事をした罰だ!

 と言わんばかりのマスコミの論調に、ウンザリしていました。
彼の死は、本当に無念です。
最愛の息子を残虐に殺されながら、内側である日本の世間様に謝罪せねばならないご両親の心境を思うと、いたたまれません。

 彼は旅をして、冒険をしていた、その結果にすぎないのに、
彼が誰かを殺したわけではないのに、
なぜ、ご両親が世間に謝らなければならないのか?

 まだうまくことばにできませんが、とても腑に落ちない。
日本における多数意見の暴力的支配感というようなものを感じます。

URL | elinor-marianne #ZKY3vMSE
2011/05/06 09:03 * edit *

そうなのかな

誰も語らなくなれば
その人の存在はそれこそ親族ぐらいしか
知らぬ事となる。
それなら内容如何はどうであれ
思うことを述べていって良いんじゃない?

殺されて当然
って意見もあるし、貶す人もいれば
助けてあげて欲しかったと思う人もいるのは
当然なのだから。

それこそ思想の自由だよ。
もう香田さんには何を考えてその地に降り立ったのか
聞けなくなってしまったけど
生きている私たちの考えは議論し合えるのだから。

URL | 通りすがり2 #-
2011/04/29 19:05 * edit *

No title

あなたも言われているように、彼は危険を承知で行ったのです。
結果については私も残念に思いますが、旅というものは客死も含めて、どこか覚悟が必要なものなのだと思います。
しかるに、あなたが外野で他人様(日本政府)が何もしてくれなかったとグダグダいうのは逆に彼に失礼ではないかな、と思いました。
誰かに引率されて保護されている遠足なら、助けてくれなかったらそりゃ文句言わなきゃいけませんけど。

URL | 通りすがり #-
2011/04/08 23:55 * edit *
go page top

コメントの投稿

go page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://intouch.blog56.fc2.com/tb.php/241-f505651b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
go page top

新着記事+関連エントリー

カレンダー

カテゴリ

最新コメント

プロフィール

ブログ翻訳

旅行業の本

添乗に役立つ本

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。