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元無期懲役囚・合田士郎著

 前々回書きました、
 元無期懲役囚・合田士郎、『そして、死刑は執行された』の追加。


合田氏は、昭和36年の冬、東京下町の商店にピストルを持って押入り、金庫を奪って逃走した。その際、路地で出会い頭にぶつかった酒屋店員の青年を間違えて暴発したピストルで撃ち殺してしまった。その罪で、東京拘置所(巣鴨プリズン=現・池袋サンシャインシティ)に収監された。求刑は死刑だったが、裁判所の判決は無期懲役。その後、千葉刑務所、仙台拘置所にて、計16年(20歳~36歳)服役し、出所後、その体験記を本にした。



 お母ちゃんの手紙
 お袋から手紙が釆た。継母だが「士郎ちゃん、元気か」って・・・・・。
実母が支配人と家屋敷から店の権利書まで売り払い駈け落ち。差押え・倒産と、子供を二人抱えてとほうにくれている父を見かねて、親や親類縁者の猛反対を押し切ってまで嫁いでくれたお袋。雪のチラホラ降る日に一緒に鉄屑拾いしたなぁ。雨が降る日に、親子三人で古新聞やダンボール集め、金がなくなりゃそっと親父は血液売りに行った。「苦労したなぁ」。
 女にぼけて駈け落ちし、革命家気取りである時は赤旗振ったりゲバ捧持ったり。またある時は反対に日の丸を巻き迷走服で野次り、仁快気取りで拳銃を懐に刃物三昧。挙句の果ては、尊い生命を射殺してしまった。
妹は学校へ行けず、弟は会社にも行けずで一家心中を考えながらも、「これ以上士郎を責めたんでは、士郎も生きていけんだろう」と必死にとどめ、もう一度やり直そうと叱咤激励し、耐えてくれたお袋、「・・・母ちゃん」。
 人殺し殺人者とののしる世間の白い眼、冷たい眼差しに懸命に耐え忍び、生き抜いてくれた母ちゃん、「お袋」。俺は文面を見ながら、涙がとめどもなく流れた。
 死刑宣告に士郎はそんな子じゃござりませんと、きっばりかばってくれた継母。
                                                             俺は涙で文面が見えなくなった。
 三歳の妹と五歳の弟と七歳の弟が、「うちの兄ちゃん助けて下さい」と泣きながら、隣り近所に嘆願書を書いてもらっている……。
近所から爪弾きにされ、親戚からは罵られながらも。
 俺は俺は、涙でなんにも見えなくなった。
″俺は……、俺は……″こんな俺を必死にかばってくれた母ちゃん。嬉しかったよ、うれしかったよ。親子の結び付きは戸籍じゃないんだよね。人の結び付きって血だけじゃないんだよね。
 心と心、愛情と愛情であると教えてくれた俺の本当のお母ちゃん。この母がいたからこそ俺は生き抜けたんや。改俊と恐怖の蠢く中で、恐れる心を必死に耐え震える体を懸命に支え、喘ぎ坤きつつ必死に懸命に生き抜けて来れたのは、この母、このお袋がいればこそや。
 本当のことを言いたかった。本当のことを知ってもらいたかった。本当のお母ちゃんとして親孝行の真似事ぐらいしたかったからや。
「お母ちゃん」「お母ちゃん」、だけど皮肉にも、未だに面と向かって「お母ちゃん」と言ったことがない。なんとなく照れ臭くて、心の中で胸の奥ではお母ちゃんなんて言うんだが、口に出して言ったことがない。


 この本の中では、彼が撃ち殺した青年の姉(他の家族はみな亡くなっている)との交流が書かれてある。彼の更正に最も尽力したのはその姉であった。



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