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HIS・トルコバス事故のゆくえ

 以前、HISの起こしたトルコバス事故について書いたことがあった。

  トルコバス事故・ついに集団提訴・HIS澤田会長の危ない商法
  トルコバス事故・集団提訴・HIS澤田会長の危ない商法・その2
  HIS だいじょうぶか?

 私と同様に、HISの事故関係者への対応に憤慨した方からメッセージをいただいた。

 その方のお話によると、以前パキスタンのカラコルム(フンザ)で日通航空が起こしたバス横転死亡事故も、当初、日通航空は「私たちに責任はない」と言い張っていたらしい。その後、遺族らが、粘り強く交渉したせいか、1億円以上の和解が成立したとのことである。
 その事故の関係者に、一考をうかがうというのも名案かもしれない。
ただ、パキスタンの場合は、旅行業界で珍しいぐらい良心的な会社「日通航空」であった。
今回のトルコは、全く正反対の会社だ! 
 
 たぶん、それは下記の事件だと思う。
http://www.osoushiki-plaza.com/institut/dw/199305.html

 
・・・事故は続いて起こるとよくいうが、この時も続いてバス事故が起きている。それは昭和59年9月9日パキスタンで起きたバス転落事故と、3日後に起きた韓国でのバス転落事故である。

  パキスタンで起きたバス事故は、「シルクロード」ツアー中の日本人13人らが乗った観光バスで、午後6時50分頃カラコルム・ハイウェーで転落、日本人4人が死亡、3人が重軽傷を負って現地ギルギットの病院に入院した。重症者の1人は頭を強く打って意識不明の重体。事故原因は、片側一車線の曲がりくねった道路でパンク、バスは2、3回道路上で転がったが運よく谷底に転落せず助かった。死亡した東京都立川市の主婦(56歳)ら4人の遺体は、現地をたってイスラムバードに向かい、11日午後にラウルピンジの陸軍病院に到着。日本からは12家族15人。これにツアーを主催した日通航空の国際旅行部課長ら3人と僧侶1人の計21人が、11日午後4時成田発のパキスタン航空で現地に向かい、飛行機を乗り継いで12日午前、イスラムバードに到着した。このうち死亡した遺族はラワルビンジの陸軍病院に向かい遺体と対面した。また怪我をしてギルギット病院に入院していた人たち(重体患者は除く)もイスラムバードに向かい空港で家族と対面した。

  9月12日午前10時40分頃、韓国の京釜高速道路で、韓国ツアーの日本人27人と韓国人乗務員、ガイド3人を乗せた観光バスが道路わきの水田に転落、1人が死亡28人がけがをした。ツアーは日旅サービスが募集した「釜山、慶州、ソウル4日の旅」で11日に福岡を出発、3泊4日の予定だった。12日は釜山市内の観光を終えて、釜山とソウルを結ぶ高速道路を慶州に向けて北上中の出来事であった。日本人団体客は60歳前後の年配者ばかりで、事故原因は運転手の居眠り運転とみられる。



 トルコバス事故についてもいろんな情報があるようだ。
たとえば、スピードが出ていたのではないかという話があるが、実際、雨天夜間走行で、スピードの出し過ぎというより、道路上に漏れたガソリンでタイヤを取られ横転してしまったことが事故原因だったらしいというような。
また、現地手配会社は、HISだけではなく、他の大手旅行会社の手配もおこなっていたので、今回の事故はどこの旅行会社でも起こり得るできごとだったと・・・・・
 
 この事故が、JALPAKなど高級ツアーで起これば、きっと、「ドライバーの運転ミスではないか」という先入観を抱いたはずだ。そこが、HISとなると、最初に「格安が原因ではないのか」と思われる。それだからこそ、格安ツアーほど、人一倍、安全確保義務には、注意を払うべきだろう。
それなのに、HISは、世間の推察どおり、旅客運送許可を得ていないバスを利用し、ドライバーのハードな運行管理を認めていた。
 
事故の因果関係に、100%正確な答えはありえないだろう。
法定速度をオーバーしたのが原因かもしれない。
ガソリンが撒き散らしてあったのが原因かもしれない。
ドライバーが疲れていたのが原因かもしれない。
ハードなスケジュールが原因かもしれない。
ドライバーが考え事をしていたのかもしれない。
バスの運送許可がおりていなかったことが原因かもしれない。

結局、推察と一致する原因が判明すれば、限りなくHISの責任が大きくなるのではないだろうか。
早目に和解したほうがHISのためにはなるだろう。
ただ、旅行業界のためを思えば、とことん、裁判して、HISの責任を明らかにしてもらったほうがいいかもしれない。
事故の被害者にとって、むずかしい選択だと思う。

 

パキスタン・バス横転事故参考資料:
*Consideration on special characteristic of travel contracts and Travel Agency Law
森住正明

抜粋

・・・・・・・・・・・・・
以下は、パキスタンを旅行目的地とする主催旅行(現募集型企画旅行以下同じ)の実施中に発生したバス転落事故に関し、旅行業者の損害賠償責任が否定された事例である。
旅行業者は、「標準旅行業約款」と同一の旅行業約款を定めていて、これに基づいて、Aら旅行者と主催旅行契約を締結した。事実関係は、次のとおりである。
一般旅行業者(現1 種旅行業者)Bが企画募集した「フンザとガンダーラの旅―カラコルム・ハイウェイを行く」という主催旅行を実施中、パキスタン国内においてBが手配し、旅行者が乗車していたバスが道路から逸脱、転落して旅行者ら4名が死亡9 名が負傷した事故について、被害者であるAらが、Bに対し、主位的に民法415 条に基づき、予備的に民法709 条に基づき損害賠償を請求した。
* 民法415 条(債務不履行による損害賠償)債務者がその債務の本旨に従った履行をしないときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。債務者の責めに帰すべき事由によって履行をすることができなくなったときも、同様とする。
* 民法709 条(不法行為による損害賠償)故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
認定された事実によれば、この事故は、旅行日程3 日目、朝5 時30 分に出発し、バスで走行454 キロメートル、10 時間後に発生した。転落の主な原因は、走行中にバスの右前輪タイヤが破裂したことによるものとされ、その原因及び回避可能性については、現地情報から不明であるとされている。
Aらは、主催旅行契約を委任及び売買に類似する非典型・無名契約と構成し、旅行業者は、瑕疵のない完全な旅行を提供すべき義務があり、当該旅行に内在する危険が現実化する蓋然性が高い場合には、右危険を排除する義務、排除できない場合には、それを説明したうえで契約を締結するか、または、旅行自体を中止する義務があると主張した。
これに対し、Bは、本件主催旅行におけるBの責任は、約款によること、約款によれば、旅行業者が旅行者に対して負うべき義務は、①運送宿泊等の旅行サービスを提供するために必要な手配をする義務、及び、②旅行が安全かつ円滑に実施されるように必要な措置を講ずる義務のみであること、Bは右義務をいずれも履行した旨の反論をした。
判決では、以下のような判断を示し、旅行業者の損害賠償責任を否定した。
(1) 主催旅行契約における旅行サービスは、運送、宿泊等種々のサービスからなり、そのすべてを一旅行業者が、旅行者に提供することは、実際上不可能であるから旅行業者は旅行サービスの全部又は一部を運送機関、宿泊機関等の専門業者の提供するところに依存せざるを得ない。
(2) 旅行業者は、実際に旅行サービスを提供する運送機関、宿泊機関等の専門業者を必ずしも支配下においているわけではないから、これらの専門業者に対しては、個々の契約を通じて旅行者に提供させるサービスの内容を間接的に支配するのほかはない。
(3) 特に当該主催旅行の目的地が海外である場合には、これらの専門業者が外国政府統治下にあるため、旅行者に提供させるサービスに関する支配は、一層制約を受けることになること等をを考慮すると、本約款3条が、主催旅行契約の目的は、被告において旅行者が、旅行サービスの提供を受けることができるように手配することを引き受けることにあるとし、主催旅行契約をもって準委任契約類似の無名契約として規定していることには、合理性があるものというべきである。
*旧主催旅行約款第3 条(旅行契約の目的)当社は、主催旅行契約において、旅行者が当社の定める日程に従って運送・宿泊機関等の提供する運送、宿泊その他の旅行に関するサービス(以下、「旅行サービス」といいます。)の提供を受けることができるように、手配をすることを引き受けます。
当社は、自ら旅行サービスを提供することを引き受けるものではありません。
しかしながら、
(1) 旅行は、旅行者の安全が図られうる条件のもとで実施されるべきものであるが、旅行は、その計画から立案の段階から終了までの間には、相当の時間的経過があり、また、旅行者の場所的移動をともなうため、旅行者が自然災害、病気、犯罪若しくは交通事故等に遭遇する危険を包含しており、特に海外旅行の場合には、当該外国の風俗・習慣・生活水準又は、社会経済体制等が日本のそれらと相違し、また、危険若しくは安全性についての考えや水準も異なるため、旅行に伴う危険は、国内旅行の場合に比し、一層高度なものとなることもある半面、いったん事故があったときには被害者が救護又は法的救済を受けることが困難若しくは事実上不可能であることもありうる等の特殊性がある。
(2) 主催旅行契約においては、旅行の目的地及び日程、旅行サービスの内容等の主催旅行契約の内容(以下「契約内容」という)は旅行業者が一方的に定めて旅行者に対し提供し、旅行代金も旅行業者がその報酬を含めて一方的に定めるものであり、旅行者は、契約内容や旅行代金について指示し若しくは修正を求める余地がなく、提供された契約内容・旅行代金の額を受け入れるか否かの自由しかないのが通常である。
(3) 旅行業者は旅行についての専門業者であり、旅行一般についてはもとより当該主催旅行の目的地の自然的社会的諸条件について専門的知識・経験を有し又は有すべきものであり、旅行者は、旅行業者が右の専門的知識・経験に基づいて企画・実施する主催旅行の安全性を信頼し、主催旅行契約を締結するものであるといえること等を考えると、旅行業者は、主催旅行契約の相手方である旅行者に対し、主催旅行契約上の付随義務として旅行者の安全を図るため旅行目的地、旅行日程、旅行サービス提供機関の選択等に関しあらかじめ十分に調査検討し、専門業者としての合理的判断をし、また、その契約内容の実施に関し、遭遇する危険を排除すべく合理的な措置を採るべき信義則上の義務があるというべきである。
本約款16 条1項(旅行業者による旅行開始後の解除権)、約款21 条2 項本文(旅行業者又は、手配代行者の管理外の事由による損害)等の各規定は、旅行者が主催旅行契約を締結することによって旅行業者に対して負うべき前記付随義務を明確化、具体化したものと解すべきである。そして、このような立場から見るとき、
(1) 本約款21条は、旅行業者が主催旅行契約を企画立案するにあたっては当該旅行の目的地及び日程、移動手段等につきまた契約内容の実施に当たっては、旅行サービス提供機関等の選択及びこれらと締結を図る旅行サービス提供契約につき旅行者の安全を確保するため、旅行について専門業者としてあらかじめ十分な調査・検討を経たうえ合理的な判断及び措置を取るべく注意義務のあることを示すとともに、旅行業者の旅行サービス提供機関に対する統制には前記の制約があること等を考慮し、旅行業者の責任の範囲を限定した規定と解すべきであり、そして、当該主催旅行の目的地が外国である場合には、日本国内における平均水準以上の旅行サービスと同等又はこれを上回る旅行サービスの提供をさせることが不可能なことがありえ、また、現地の旅行サービス提供機関についての調査にも制約がありうるから特に契約上その内容が明記されていない限り、旅行業者としては、日本国内において可能な調査(もとより、当該外国の旅行業者、公的機関等の協力を得てする調査をも含む)・資料の収集をし、これらを検討したうえでその外国における平均水準以上の旅行サービスを旅行者が享受できるような旅行サービス提供機関を選択し、これと旅行サービス提供契約が締結されるよう図るべきであり、さらには、旅行の目的地・及び日程、移動手段等の選択に伴う特有の危険(たとえば旅行目的地において感染率の高い伝染病、旅行日程が目的地の雨季に当たる場合の洪水、未整備状態の道路を車で移動する場合の土砂崩れ等)が予想される場合には、その危険をあらかじめ除去する手段を講じ、又は旅行者にその旨告知して旅行者自らその危険に対処する機会を与える等の合理的な措置をとるべき義務があることを定めた規定と解すべきであり、したがって、海外旅行において旅行者が移動手段である運送機関の事故に基づき損害を被った場合において、旅行業者が右の各義務を尽くしたとすれば、これを回避しえたといえるときには、右義務を懈怠した旅行業者は、主催旅行契約上の義務の履行に当たり過失があったというべきであるから、同条2項但し書きに基づき同条1項本文所定の損害賠償責任を免れないものというべきである。
* 旧主催旅行約款21 条(当社の責任)
当社は、主催旅行契約の履行にあたって、当社又は当社が第4 条の規定に基づいて手配を代行させる者(以下、「手配代行者」といいます。)が故意または、過失により、旅行者に損害を与えたときは、その損害を賠償する責に任じます。ただし、海外旅行において目的地固有の事情により法律上又は事実上現地における旅行サービスの手配を委託すべき者の選任が強制され、これによるほか現地における手配を行うことができない場合であって、当社が募集に際してその旨を明示したときは、当社は、当該手配を委託すべき者の行為について、責任を負うものではありません。
(2) また、本約款18 条(旅程管理)は、主催旅行の主催者として、旅行業者の負うべき付随義務の一つとしての旅程管理上の義務を例示したものであり、旅行業者が負うべき旅程管理上の義務は、必ずしも同条に例示したものにとどまるものではないと解するのが正当である。
〈判例時報1341 号38 頁〉
上記判決は、原告・被告双方の主張に同意することなく、主催旅行契約について詳細に分析し、主催旅行業者の責任の範囲について、特に海外旅行について常識的な判断を加え、比較的広範に定義したと解せられる。
ただし、結論を導くに当たり、運転について過失は認められない、タイヤの状況、耐久力の劣化について疑いはあるが因果関係を認めるには至らないと言うことで、債務不履行、不法行為を理由とする損害賠償請求は、棄却された。
本約款の当時でも「特別補償」の規定はあり、死亡補償金として海外旅行2,000 万円国内旅行1,000 万円が主催旅行業者から支払われる事例ではあるが、傷害の場合の治療費等は、わずかな入院見舞金しか支払われず、旅行者及び遺族としては必ずしも納得できるものではない。
基本的に裁判所の判断は、企画旅行契約を「準委任契約」ととらえており、主催旅行業者自身に故意・過失があった場合にのみ、損害賠償責任を認める立場にある。本判決は、ほぼ従来の解釈に従ったものであるが、主催旅行契約上の付随義務という概念から、安全確保義務を詳細に検討例示している点など旅行業者の行動指針にとって意義のあるものである。
しかしながら、消費者の権利として事業者に対して法解釈により、完全な賠償が得られるならば追求すべきものであり、企画旅行契約の法的性質を旅行商品として捉え、民法632 条「請負」契約または、555 条「売買」契約にあたるとして、消費者保護の観点から旅行業者の責任をより拡張して解すべきと思われる。その論拠として、種々挙げられるが前述した2004 年改正の現行旅行業法において、企画旅行の定義から代理、媒介、取次ぎの文言が消去され、「自己の計算において」サービス提供業者と契約を締結するとの文言が入ったことにより、パッケージ商品として請け負う、又はパッケージ商品を売買する意が強調されたと解釈するのが適切と思われる。

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