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添乗員派遣会社不要論

今から約40年前、1968年1月8日の『トラベルジャーナル』紙上で、阪急交通社の副社長、阿部泰一氏が、今後の主催旅行(パックツアー)の添乗員について、ツアーコンダクター協会の構想を述べていた。
今までのように旅行会社の営業マンが添乗へ行かず、ツアーコンダクターを分業化し、専門業務としたらどうかという構想である。
しかし、そうすると一つ気になる点があるという。
営業マンが現地情報不足に陥り、旅行のセールスに影響してしまうのではないか?という心配である。ただ、そのことに関して、営業マンだけ現地のエデュケーショナル・ツアーを別に組織し情報収集すれば大きな問題にはならない!と説いている。

その後の主催旅行の変遷を見てみると、阿部氏の構想どおり、現実に分業化され、添乗員は専門職となった。
ただ今、添乗員は、派遣会社という置屋を通して、旅行会社からお声のかかったツアーへと身体を張って奉公している。
たぶん、当時の阿部副社長は、阪急交通社が薄利多売で勝ちぬくために、添乗員を専門化し農奴としてこき使おうと考えていたわけではないだろう!
本当に、今後の旅行の発展を考えて、そのほうが、旅行会社、お客様の双方にメリットがあると考えてそのような構想を記したのだろう。
まさか、阪急交通社が将来こんな旅行会社になり、添乗員やお客様から膨大な訴状が届くようになるとは夢にも思っていなかったはずだ。

阿部氏は、私が想像するに、当時すでにあった通訳ガイド協会のようなものをイメージしてツアーコンダクター協会を構想したはずだ。
通訳ガイド協会は、通訳ガイド国家資格に合格した者に、教育や研修を施し、各旅行会社へ、登録している通訳ガイドの紹介などを行っている公益法人である。通訳ガイドはあくまでフリーである。

当時、徐々に増えてきた主催旅行に対応するために、JTB(日本交通公社)、ジャルパック、近畿日本ツーリストなど大手の旅行会社は、自社の中に、ガイド部門などをつくり通訳ガイドや添乗員を取り込んでいた。いろんな契約方法があったのだろうが、当時は旅行会社と添乗員との直接契約であった。大手以外でも、それぞれ旅行会社が直接、添乗員を探し契約していた。その意味からいえば、添乗員はフリーの個人店主といえるものだっただろう。

 まだ、添乗員派遣会社が世に生まれる前である。
派遣会社そのものは、昭和42年(1967年)に、アメリカ人が持ち込んだシステムのようだ。
当初日本で、派遣会社という商売は、日本的慣習(終身雇用)にあわず毛嫌いされたらしいが、全く抵抗のない外資系企業からしだいに日本の企業へと広まってきた。
人材派遣とは、あくまでテンポラリーのプロの事務派遣であり、当然、月収でみれば、社員より派遣スタッフのほうが断然良かった。
その断然良かった収入が下降し始めたのは、昭和61年(1986年)に労働派遣法が施行されそれまで法的に不安定であった人材派遣が政府のお墨付きを得たからではないだろうか。日本の好景気もあっただろうが、この頃から、ドーッと派遣会社が増え、派遣会社の競争も激しくなっていった。

 添乗員だけの派遣会社でみれば、TEI(旧ツーリズム・エッセンシャルズ)が、1976年設立となっているのでこのへんが最初であろう。
 先ほど記したように、添乗員はまだ個人店主のような存在であった。個人店主といっても、JTBのように通訳ガイド同様に技術職と考えている会社と、新日本トラベルなどのようにバイト感覚でとらえている会社とでは、待遇面で大きな違いがあった。
特に、金銭面で、大きな違いがあった。
JTBのような会社は言うことが細かいがその分添乗職をひとつの仕事と捉えているようであまり非常識な賃金は提示してこない。新日本トラベルのような会社の場合、「ただで海外へ行けるよ!」ということが先にありきで、後で、「だから、これっぽっちの賃金になるけど、旅行に行けて金まで貰えるんだからそう悪くはないでしょ!」という感じであった。
ただ、両者とも、人前で公表できるレベルの賃金ではなかったことだけは共通している。
 
 人材派遣は、事務派遣の場合、新たに事務員ひとりを社員雇用するコストと派遣ひとりを短期依頼した場合とのコストを単純に比較することができる。
社員の場合、募集広告を打って、面接をして、福利厚生等をつけて半永久的に雇用しなければならないことを思ったら、即戦力になる派遣社員に来てもらったほうが多少時給を高く払ってもコスト面を含めてメリットがある。
それに比べて、添乗業務というのは、もともと旅行会社の社員がおこなっていた業務であり、その分だけのコストを単純に計算することはできない。はっきりしない。
自分たちが添乗へ行けば別にコストがかからないものを人に任せればコストが発生するわけだ。旅行会社のしみったれた金銭感覚からしたら、1円とてツアーにコストをかけたくないだろう。
だから、上記のような「旅行へ行かしてあげるから!」という発想で、添乗コストを浮かせようという考えが生まれるんだと思う。
 どう考えても、このようなしみったれた旅行会社たちが、派遣という添乗員にお金を出すとは思えない。

事務派遣の場合、時給が高くても、会社にメリットがあった。
添乗員の場合、派遣を受け入れるメリットなど旅行会社にどこにもない。
もともと社員でもなく格安で使用している添乗員がいるのに、あえて派遣会社から添乗員を受け入れる必要があるのか!
あるとすれば、添乗員が不足しているか、もっと低価格のときだけではないか。


 当時の添乗員人材派遣会社というのはかなり小規模であった。
TEI(旧ツーリズム・エッセンシャルズ)にしても、浜松町のマンションの1室で細々と仕事をしていた。とくに、大きく儲けようなどとは思っていなかったはずだ。それには、人材派遣という日本社会では後ろめたい事業をおこなっている負い目もあったであろう。旅行会社とて、同様に後ろめたさがあり、堂々と取引きしたいとは考えていない。
あまった在庫を裏で取引きしている風であった。そして、お互いに、低いレベルで妥協しながら、言いたいことがあれば、今とは違って、ハッキリと相手に伝えていた。そのなかで、不条理があれば、派遣会社は添乗員の肩を持ってくれた。

 旅行会社が添乗員を派遣会社から雇う時の後ろめたさの一つの例をあげれば、『添乗員の身分』である。
当時から今まで、添乗員の身分について、旅行会社はこんなことをいつも言う。
「絶対に、お客様の前で、派遣です!といわないように!」
「お客様に聞かれたら、わが社の社員と言ってください!」

 あまりにひどいツアーで、お客につるし首にあいそうになったとき、「私は、派遣なので、そこまでわかりません!」などとお客に言おうものなら、この添乗員は旅行会社から、即刻出入り禁止を言い渡されることは確実である。
つまり、派遣添乗員は、ツアーにおいて、妾の子のように、後ろめたさを引きずった影なのである(旅行会社が本妻、派遣会社が妾)。
お客に嘘をつかなければならない派遣添乗員のジレンマとコンプレックスを旅行会社は全く理解していない。このことは、裏返せば、派遣でない添乗員の優越感にもつながる。

ツアーには偽善的要素が多いので旅行会社はそのことに麻痺しているのかもしれない。
ツアー中のショッピングなど完全に後ろめたい偽善的要素である。
親切ぶってショッピングに案内し、その裏で旅行会社はちゃっかりと売上げのKB(キックバック)を受取っている。良心的添乗員であれば、やはり後ろめたいはずだ!が、旅行会社のように遠くからただ指示を出しているだけの人間にとっては、そう良心が痛むことはないのかもしれない。
ただ、そういう人間は、良心は痛まないが、その分、小心者であり恐怖心や猜疑心が人一倍大きくなるようだ。
〈お客からクレームをつけられるんじゃないか?〉

 
しだいに、旅行会社は派遣添乗員を使うことにメリットを見出していくようになった。
旅行会社は、偽善的ツアーを造成しながら、自分たちの良心の痛まない道を選択した。
それが、派遣に任せることであった。
本妻の愚かな子を守るために、妾の子を貶めるように!
「安心コール」「旅日記」などという添乗員にとってイジメとも思える偽善(偽装)的サービスが、日毎に増えてくる。
「アンケート」という拷問道具で、自尊心や羞恥心を一滴残らず絞り取っていく。

また、1990年前後(バブル)の頃だろうか、新しい添乗員派遣会社が増え、それに合わせて添乗員も増加した。新聞や求人雑誌に「添乗員募集」の広告が毎週のように掲載され、その度に、多くの応募者が登録し、ものの一月もしないうちに辞めていくのであった(実際は消えていく)。
添乗員(派遣会社)の供給過多のなかで、添乗員の質と旅行会社に対する添乗派遣会社の立場はどうしようもなく弱くなってしまった。
これは、同様に派遣添乗員の立場は、犬なみに奴隷化したことを意味する。
おりしも、添乗員の生活を守ることを目的として?(社)日本添乗サービス協会(TCSA)が1986年に設立された。国交省やJATAから役員を招きながら、決して改善することがなかった添乗員の生活(今だに)。正会員、賛助会員を奨励し、派遣会社の過当競争を招いた責任は大きい。

 偽善ツアーを派遣会社に押付けることのメリットを見出していた旅行会社にとって、派遣の供給過多は「飛んで火に入る夏の虫」であったろう。派遣会社のほうから、奴隷になります!と飛び込んできたのだから。
「これ以上添乗日当は出せない!」
と言っても、どこかの派遣会社が必ず引き受けてくれる。
「アンケート評価」と過激な「偽善サービス」でゆすれば、いつも足蹴にして責任を押付けることができる。

旅行会社はよく派遣会社を利用する裏の理由を、
「ワン・クッションおく!」という。
この言葉に、旅行会社が派遣会社を使う意図が集約されている。
つまり、派遣会社に汚れ役を引き受けてもらうということだ。
妾の子に、正妻の子を助けるための泥を被ってもらう。
お客様から来たクレーム、もしくはツアー運行上のトラブルは、派遣会社(添乗員)に被ってもらう。
(それぐらい今の旅行会社はマニュアルで細かく規定する。ミスが起きないほうが不思議なぐらいだ)

以上が、社会の最貧困に置かれた派遣添乗員の、待遇面(収入、福利厚生)と人権侵害の問題である。
当初の人材派遣会社の意義が大きく歪められているのではないか。

これでも、添乗員派遣会社が必要だろうか。
まずは、妾の子にしっかりと正妻の子と同じ権利を与えるべきではないか。
その方法は、派遣会社を廃止し、旅行会社が添乗員と対等の雇用契約を結ぶことである。

もちろん、日本添乗サービス協会(TCSA)は、必要ない。
実質的責任者は、TCSAの専務理事である(株)TEI社長の三橋滋子氏であることは衆知の事実である。
三橋氏は、TCSA設立の頃から、人相がまるっきり変わってしまった。
この際、日本航空の沈没とあわせて、元JALスチュワーデスの三橋氏にも、消えていただいくのが添乗員のためではないか。


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三橋さんの事
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URL | ユーカリの木 #-
2009/11/08 09:39 * edit *
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