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自己発見の旅


 『旅に学ぶ』岡田喜秋著、玉川大学出版部発行より

 
 ルソーと言えば、「自然にかえれ」を主張した人物として評価されているように、人一倍旅が好きで、晩年に書いた『エミール』という著作のなかで、特に旅の仕方について語っている。
 外国へ旅すれば、その国の人がわかったような顔をする人が多いが、ひとつの国だけしか見ないで、その国の人を論じてはいけない。
たとえば、パリに住んでいる人は「人間」を知っているつもりになっているようだが、フランス人を知っているだけである。
しかし、そう言うと、全世界を旅すればいいのか、と言う人がいる。
 ルソーに言わせると、10人のフランス人を親しく観察すれば、すべてのフランス人を見たと思っていい。
イギリス人はちょっと例外だが、ある国の人間を知ろうと思ったら、最低10人を観察すべきだ。
だから、10カ国の国民を調べると、「人間」が解ってくる。
しかし、「ヨーロッパ人を観察しに日本へゆく必要はない」と日本まで引き合いに出している。
この指摘はこんにちでも傾聴すべきである。
とかく、人は旅に出ると、「他者観察」に終始しがちである。
しかし、日本にも、「他人のふり見て、わがふり直せ」という諺がある。
こんにち普及している日本人の海外旅行をルソーが見たらどう評価するだろう。
ルソーが言っている「観察」以前の旅行が多い日本人の海外ツアー。
この形式の旅が国民全体に体験された後、次の段階に入るのか。
いわゆる見物的ツアーでは、同行の日本人同士を観察することはできても、訪れた異国の人と親しく語ることはまずない。
 「自己発見」をするには、まず自分自身を客観視する必要がある。
そのためには、いわゆる「ツアー」ではない形の旅の方がよい。
最近のわが国でも、海外旅行に慣れた一部の人が個人的な発想による旅を計画し、自主的に出かけている。
これを旅行業界では、「フオーリン・インデイペンデント・ツアー」と呼んでいるが、インデイペンデントとはインデイヴィジユアルとは違って、「他人に頼らない」という主体性が必要なのである。
しかし、団体旅行も個人の集まりであることを再認識すれば、個人個人が「自己発見」できる旅を可能にすることができるだろう。



日本人は、まだまだ自己発見できそうもない。
特に、旅行会社が主催するパックツアーでは、「自分自身を客観視させない努力」をしているほどだ。
不安でいっぱいのお客に、もっと、不安を煽り立て、オッパイあげるからね!と鼻から噴出すほどにミルクを与え、挙句の果てに、お客の家庭内暴力ともいえるサービスコール!の嵐に息絶え絶えとなる。

 岡田氏のいうように、団体旅行でも「自己発見」できる旅の可能性を、旅行会社自身が、自分たちを客観視できずに、延々と近視眼的サービスにあけくれて、潰してしまっているのだ。

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