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インド・混沌ツアーPart2

ジャイプールは別名、「ピンクシティ」と呼ばれている。
それは、街がピンク色をしているからだ。
自然にピンクになったのではなく、マハラジャの命令でピンク色っぽい塗装で街中を塗ったくったのだ。この街のハイライトは、ジャンタル・マンタル天文台とマハラジャの宮殿である。特にその宮殿内に入る際、大きな象に乗って入場するのが、観光客のお決まりコースである。
だから、象の乗り場には、各国の多くの観光客がいらいらしながら待っている。
象のほうは、一日何度も往復させられるのであろう、かったるそうに首を上下に動かしながら入口からの道を降りてきては、新しいお客を3,4人も背中に担いでは今来た道を上っていく。
太った白人のマダムの前では、長い鼻と大きな耳をパタつかせて、イヤイヤをしている。
観光客たちが、悠久のインドで、いらいらしながら象を待たなければいけない最大の理由は、この異邦人たちの隊商の群れに強欲につきまとうインド商人(物売り)のせいだ。
とにかくしつこい。
帽子、更紗、ポストカード、ガイドブック、木彫りなどの民芸品を貧しそうな身なりをした子供や夫人や青年が私たちの目をニコリともしない視線で押さえつけて販売するのだ。
実際、手に取らせ、もし手に取らない場合は無理やりかばんのなかに押し込めるのだ。
それでも無視していると身体じゅうをあっちこっち触ってくる。
ひとりの背の低い老人客が、物売りに帽子を無理やりかぶせられている。
ぜんぜん似合っていない。
視線をそらし貝のようにちじこまっているこの初老の日本人に物売りはしたい放題だ。
こんな時、インド人ガイドは何も言わない。
彼らがルールに則って商売をしているかぎり、営業妨害はできないのだ。もししたら、とんでもない仕返しが後で待っているらしい。
添乗員はどうだ。
こちらはガイドよりは少し物言える立場であろう。ただ、差し迫った危険が目の前にひかえているわけでもなく、彼らの商魂に対して、「日本ではこんな商売はしない」と言う言い草でお客を保護することは逆にルール違反になりはしないか。
やはり、これは、外国を訪れた観光客が自分自身で解決しなければいけない必然になろう。
まったく危険のない旅行は存在しない。
たとえ、パックツアーでもそれは同じだ。
否、旅行は危険であるべきなのだ。それは命を落とすような危険は別として、自分の価値観をくつがえすような危険があるから、旅はおもしろいはずなのだ。目の前に繰り広げられるこの観光名所の日常に対してそれぞれの観光客が自分自身で何かを思い、自分なりの解決策を見つけ出すことが旅行者の務めであり、マナーなのだ。
 インド商人に帽子をかぶせられたあのお客が僕に視線を向けた。
「添乗員、何とかしてくれ。先に象に乗れないのか。」
そう言ったこの老人はジャイプールに向かうバスの中で絶叫したあの男性であった。
一番最初に絶叫し、バスを停めて、路上生活者にフラッシュをたいたあのお客様である。

僕は微笑みながら彼に言った。
「これもインドです。あなたの一番見たかったインドじゃありませんか」
この日本人の戦いがもうしばらく続いたのはいうまでもない。


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