Home *  * All archives

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
tb: -- |  cm: --
go page top

トルコ絨毯・・添乗員の責任?


弁護士の三浦雅生先生が、『旅行をめぐる法律』法学書院という著作のなかで、もう一つ添乗員の安全確保義務(注意義務)に関する事例を取り上げていた。

もう一つの判例
『トルコ1周の旅』
トルコのカッパドキアの添乗員の案内した店で、トルコ絨毯を代金1821万6000トルコリラ(113万6678円)で購入したところ、現地では約420万トルコリラ相当の商品であり、旅行参加者は、現地事情に疎いのであるから、旅行主催者としては、旅行参加者を現地の店に案内するについては、信用できる店に案内すべき契約上の義務を負っているとして、差額分の損害賠償を主催旅行業者と添乗員を相手に請求。
(大阪地方裁判所平成3年12月4日付け判決)

手配代行者の現地ガイドの案内に従って正規の販売免許を有する絨毯点に原告を含む旅行参加者を案内したこと。
トルコの絨毯店では販売する商品に定価はなく、その価格は売主と買主の交渉によって全く自由に決定されること、添乗員は絨毯店に向かう途中現地ガイドの説明に従い、旅行参加者全員に対し、これから行く店は政府公認の店であり、絨毯の品質については問題のない店である旨を説明するとともに、値段は各自で交渉するよう注意を促したことを認定し、格別添乗員としての注意義務違反はないというべきであるとしています。



つまり、ショッピングはお客が責任を持って、交渉し、購入になければならない、ということだ。
品質に偽りがないのであれば、添乗員やガイドや旅行会社に責任はない、との判決である。

しかし、これでは、こんな高額な商品を買わされたお客としては、納得できなかったであろう!
こんな絨毯や貴金属は、価格があるようで、ないようなものである。
そうたくさん売れる商品ではないので、利益幅も大きく設定されている。
だから、交渉によっては、すぐ半値以下に値下げする。
それを理解していたとしても、まさか旅行会社の案内する店で、これほどまでのボッタクリをするとは思わなかったのではないだろうか。
もし、個人で、絨毯店を訪問していれば、もっと注意したのではないだろうか、とも考えられる。
よっぽど、頭にきたからこそ、わざわざ面倒な手続きを踏んでまで、裁判所へ訴えたのだろう!
普通、そこまではしない。

私も何度もこのカッパドキアの絨毯店を訪問している。
店員のすばらしいセールストークに感嘆しながら、すばらしい絨毯に見入っているのだが、添乗員として、この絨毯がどれほどの定価?なのかということはわからなかったし、気にも留めなかった。
なぜなら、そんなに買うお客はいなかったからだ。
しかし、たまに、ガイドから、「添乗員さん、これ、先ほどの絨毯店からの謝礼です」とコミッションをもらえることがある。
その金額が10万円以上のことがあるから、「エッ!」と驚かされる。
〈そんなに買っているお客様はいたかなあ〉とかと思うのである。

確かに、その時点で、〈けっこう、利益幅が大きいのだな〉と予想はつくが、上記の訴訟をみて、はっきりとした。
だから、この訴訟を読んで、一番びっくりしたところは、
『・・・・・トルコ絨毯を代金1821万6000トルコリラ(113万6678円)で購入したところ、現地では約420万トルコリラ相当・・・・・』のところである。
つまり、イスタンブールのバザールで、420万リラ(約26万円)で購入できる絨毯を、本場カッパドキアの直売所で、113万円で購入させられた。(どうして420万リラとわかったのか疑問は残る。絨毯はそれぞれ皆違うのだが・・・。また、個人観光客向けの絨毯店でも、相当高額なイメージがある)


1枚高額絨毯が売れれば、お店はバンザイである。だから、添乗員にも高額なコミッションをくれたのである。

たぶん、この訴訟の頃は、まだ、この絨毯店は、旅行会社の指定店(コミッション契約)ではなかったのではないだろうか。
トルコの絨毯も宝石も、ツアーの日程の隙間に、ガイドと添乗員の相談によって、案内していた。
現地の商習慣もあったのだろうが、旅行会社があまり深く入り込むことはしなかった。
しかし、上記のような事例があったためか?また、絨毯も宝石もコミッション額が大きいと直系添乗員から情報がもたらされたためか!
旅行会社は、カッパドキアの絨毯店も含め、今では、すべて、旅行会社の指定店にしてしまった。
つまり、このショッピングの固定化と、コミッションを旅行会社へ帰属させたのである。
添乗員は、ただの集金係となってしまった。


上記訴訟の絨毯を高額で買わされたお客様は、敗訴した。
確かに、敗訴したのだが・・・・・
私は、お客の気持ちはわかる。
相手は商取引だ!といっても、ゆりかごの上に乗せられている日本人からすれば、盗難にあったのと同じ気分のはずだ。

旅行会社は本来、日本人向けに販売価格の適正化にこそ、助言すべきものを、コミッションの独り占め!に全精力を注ぎ込んでいった。

今では、たまに催されるデパートの物産展で、トルコ絨毯を購入したほうが、安心で安い。
皮肉である。

tb: 0 |  cm: 0
go page top

この記事に対するコメント

go page top

コメントの投稿

go page top

トラックバック

トラックバックURL
→http://intouch.blog56.fc2.com/tb.php/157-996a4829
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
go page top

新着記事+関連エントリー

カレンダー

カテゴリ

最新コメント

プロフィール

ブログ翻訳

旅行業の本

添乗に役立つ本

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。