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トラベル・ジャーナルの罪

 添乗員の待遇は、今から30年以上前、派遣添乗員が誕生したときから、悪かった。
賃金、福利厚生は、今同様に悪かった。
しかし、それ以外は自由だった。
旅行会社はあまり細かなことまでいわなかった。
もし、言ったとしても、こちらもはっきりと応戦していた。
派遣会社は、添乗員を擁護してくれていた。


旅行会社は、よく手配ミスやお客とのもつれを起こしていた。
「悪いね・・・・どうにか、うまく処理してきてくれないか」
「できるかぎりのことはします」
「それで、じゅうぶん!ありがとう」

お互いに、ツアーは完成された商品ではないことを知っていた。
だから、どうにか、協力してうまくやっていこうとしていた。
相手を思いやる気持ちや気遣う度量を持っていた。

今はどうか?
ツアーが以前とは違って完璧に仕上がっているのか!
昔以上の格安ツアーが造成されているのだ。
格安で、最高の品質なんてどう考えたってありえないだろう。
しかし、旅行会社から、
「ありがとう!」などと言葉は聞こえてはこない。
それどころか、
「あなたの責任!です。あなたが、しっかりと確認しないからこういうことになるんです」
などと、すべての責任が、ランドオペレーターや派遣添乗員に押し付けることができるシステムを、この約15年間に構築したらしい。

添乗員は、ただひたすら、それを我慢し、受け入れてきた。
もし、文句を言えば、二度と仕事をもらえないことが分かっているからだ。

派遣会社は、完全に、旅行会社のアンクルトムに成り下がった。
旅行会社は、派遣会社というアンクルトムに、下級奴隷の管理をまかせた。
アンクルトムが、ご主人に逆らうことはありえないのだ。
下級奴隷である添乗員は、
「しっかり下調べしろ!」
「ノートにまとめておけ!」
「派遣会社へ帰ってきたら、報告に来い!」
などとアンクルトムに管理される。
アンクルトムにとって、ご主人さまからドンドンと授かった仕事をつつがなく下級奴隷に遣らせなくてはならないのだ。
そして、下級奴隷のなかから、第2、第3のアンクルトムが生まれてくる。


そして、そのアンクルトムを作るお手伝いをしたのが、旅行業界雑誌『トラベル・ジャーナル』である。
1964年の創刊のこの雑誌を、今では、大手旅行会社から、中小の代理店まで、ほとんどの旅行関係者が購読している。

この雑誌に、1997年~1999年、ひとつのコラムが設けられた。
ベテラン添乗員?高輪さとか氏に書かせたコラム
『ツアコンセラピー』と『ツアコンマニュアル』である。
このコラムで、高輪さとか氏は、本人が考える理想の添乗員像を指南した。
当時、パッケージツアーのほとんどを派遣添乗員が担当していた。だが、派遣である添乗員が、この旅行業界雑誌『トラベルジャーナル』を読む機会はほとんどない。
つまり、高輪氏の書いた添乗員指南であるコラムは、添乗員を雇う側が読むのである。
添乗業務をほとんど知らない旅行会社社員にとって、高輪氏の書いたコラムは、とても新鮮に映ったのではないか。
また、当時の旅行会社の時流にもマッチしたのかもしれない。

1993年のバブル崩壊から、旅行業界はリストラの嵐が吹き荒れた。
多くの社員が辞めさせられ、派遣やパートに切り替わった。
旅行会社は、モラルを棄て、儲かることなら何にでも取り縋ろうとしていた。
クラブツーリズムや阪急トラピックスなど格安ツアーが急成長してくる。
ユーラシア旅行社やワールド航空など「選民的サービス」の会社が伸びてくる。
HISのような、個人旅行にシフトした会社が急激に成長している。
高輪さとか氏のコラムは、ちょうど、この時期と一致するのである。

高輪氏は、
添乗員は、お客の見ている前では、わざと走り回るような「自己犠牲的パフォーマンス」を心がけよ、という。
「ツアコンセラピー」から「ツアコンマニュアル」へ至り、その「自己犠牲的パフォーマンス」的な損得勘定が少しトーンダウンしたが、やはり、お客や現地スタッフに対して、尊重する姿勢は見られない。

「裏山の効果」と称して、トラブルメーカーの老人をカフェに誘い出し、「私に至らない点が多くて、ご不満が多々あるようなので、一度じっくりご指導いただきたいと思って・・・・・」とパフォーマンスする。
このような行為を悪いとは思わないが、本当にお客のためを思っておこなおうとしているのではなく、あくまで、ツアーアンケートでクレームを貰わないための所作なのである。

現役添乗員なら、読んでいるうちに、嫌気がさしてくるはずだが、旅行会社社員なら、書かれている表層的内容だけマニュアル的にとらえて、推奨すべきすばらしい対応と添乗員すべてに求めてくるかもしれない。

トラベル・ジャーナルは、そのことを知っていて、高輪さとか氏にこのコラムを任せたのである。
だから、この旅行業界雑誌『トラベル・ジャーナル』の罪は大きいといわざるおえない。



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