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山本潤子と添乗員

 昨日、埼玉の大宮ソニックシティーホールで、山本潤子さんのコンサートを聞いた。
山本潤子さんは、赤い鳥、ハイファイセット、を経てソロになった歌唱力に定評のある実力派の歌手である。
とてもすばらしいコンサートだった。
私も感動したし、横のご婦人は、「卒業写真」からハンカチを手に鼻をすする音が聞こえたし、斜め前のご老人は、大声で「翼をください」を歌っていた。

私は、山本潤子さんの人柄と歌が好きで、何度かコンサートへ行っている。
彼女のコンサートのいいところは、お客がまったくノラナイところだ。そして彼女自身もそんなにノセヨウとは思っていないのだ。
「さあ、皆さん、ご一緒に・・」
というんだけど、心のどこかで、「別に歌いたくなければ、それでいいんじゃない・・・」という感じなのである。
「もし、眠くなったら、寝ててもいいんじゃない・・・・」
「拍手したくなければ、それでもいいんじゃない・・・」
という感じだ。

山本潤子さんは、歌手としての技術者だと私は思う。
だから、技術者だけの欠点がある。

彼女は、自分のブログに、今回のコンサートについて、
〈リハーサルを十分やらなかったにしては、まあまあうまくいった・・・〉
〈失敗もあったけど、次回のコンサートはうまくやろう・・・・〉
といった類のことを、書いている。
また、それと似たようなことをコンサート中に言っている。
彼女のコンサートへ何度か行っている人にとってはこれはいつものことなのだが、初めて観た者にとっては、
〈なんだ・・・適当にやったんじゃないか・・・〉
〈私は、次回は行かないのに・・・〉
というような、ガッカリ感を感じるのではないだろうか。

急にブレイクしたような歌手?が、
「俺は、頑張るぜ!」
「100%、力をつくしたぜ!」
と言っても、実際、歌手としての山本潤子さんの意識の10%にも満たないのではないだろうか。
彼女は自分で、プロの歌手としての基準をしっかりと持っている。
だから、その基準に沿う自己満足に達しなければ、決して、70、80%ではないだろう。いわんや、100%などありえないのではなか。

わたしたちにとっては、山本潤子さんが、50%と自分自身で思っていたとしても、この若手の100%より私たちに満足を与えていることと思う(歌唱として)。
だから、お客のわたしたちがガッカリすることはない。

技術者の特徴は、自分として納得いかないことに、何もうしろめたさはない。
だから、別に隠し立てしないのであろう。
「ここのところをもっと、こうできたはずだ」
「ここで、ドラムがあれば、もっと音がよくなったはずだけど・・・今日はドラムがないから、次回はうまくいく・・・」
というように。
技術者は、サービス業ではない。
それをよく理解していれば、私たちは、本当の満足が得られるし、技術的人間だからこそ、こちらも、変に協調することのない、肩から力を抜いていられるのである。




そして、これは、添乗にもいえることだ。
アンケートの結果がどんなによくても、満足しないことがあるだろう。
プロの添乗員ならなおさら、自分自身で、自分の仕事の評価ができる。

お客が、どんなに、
「添乗員さん、ほんとうにありがとう!」
「楽しかったわ!こんなに楽しかったのは生まれて初めてよ!」
「また、あなたと一緒に行きたいわ!」
と言われ、アンケートもすべて満点だとしても、

〈あそこをあと10分早く、出発しておけば・・・・〉
〈こっちのトイレを利用しておけば・・・・〉
〈このことをドライバーに確認しておけば・・・・〉
と思うことがある。


もう一方、予想より良かったアンケートに満足してしまう添乗員もいる。
しだいに、アンケートのために添乗をするようになる。
本道であるべき技術的なことは、後回しの副業になる。
それでは、添乗員としてのプロ意識が芽生えない。


本来、技術が本線である。
本線が一番大事であり、本線を一番走りやすいようにしなければいけない。
まわりの看板に目移りしてはいけない。
そういう気持ちがある人だけが、技術が向上し、ほんとうのプロに成れると思う。
アンケートを気にしている添乗員の技術が、向上することも、人間性が、増すことも絶対にありえない。
向上するのはゴマすり、増すのは自己嫌悪だけである。

ただ、添乗員は、技術だけではなく、サービス業である。
旅程だけでなく、人間の健康(内面も)も管理サポートしていかなければならない。
だから、
〈あそこをあと10分早く、出発しておけば・・・・〉
〈こっちのトイレを利用しておけば・・・・〉
〈このことをドライバーに確認しておけば・・・・〉
思っても、添乗員は、
一言、
「すばらしいお客様で、わたしのほうが、いろいろと勉強させてもらいました。
ありがとうございました!」
と言えばいい。

旅行は、一期一会である。
その喜びと淋しさを、私たち無名の添乗員は、よく理解しておくべきだ。



山本潤子さんのコンサートはすごい。
アンケートをいじくって、お客のご機嫌ばかり気にしている旅行会社には、絶対に生まれない発想である。

なにせ、オープニングがこの曲から始まったのだ。
そして、一気に、彼女の世界へ引き込まれていったのだ。




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