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北海道遭難事故の死角

 昨日(7月23日)のNHK「クローズアップ現代」で、北海道遭難事故を取り上げていた。
生存者の何名かが、当時の状況について、生々しく、説明していた。
その方々の話を聞いて、改めて、山岳ガイドの責任は重いと感じた。
生存者の話だけで、正確な状況は把握できないとは思うが、私なりに感じたポイントを整理してみる。

ポイント
①16日の早朝、天候がかなり悪いためガイド3人が本日の予定について打合せをしたらしい。そこで、午後には天候が回復するとみて、出発を決意したようだ。その際、参加者たちには、何も伺いを立てなかったとのこと。
(私は、ガイドが客に伺いを立てる必要はないと思うが、自分が正確な判断するための材料をお客から得なければならないと思う。そのことをしっかりとおこなったのかどうか疑問である。なぜなら、生存者は、そのとき聞かれたら、今日は止めたほうがいいと言っていたと思うという風に話していた。)

②雨の中の行軍で、しかも、途中川のようになっていたため、身体中を水に浸かりながらそこを渡ったらしい。(この状況を見て、引き返すことができなかったのだろうか?)

③体力を奪われた者が、本体から遅れ始める。そして、動けなくなる者が出る。先に進んだ者たちは、冷たい雨の中、後方の者たちを1時間以上待っていたようだ。(これは、明らかに、緊急の際のシミュレーションをガイドが認知していないということではないだろうか。この時点で、プロの山岳ガイドであれば、動けない者の状況を把握して緊急事態だと判断できたのではないか)

④先に進んだ者たちは、このままでは自分たちもあぶないとのことで、山岳ガイドを先頭に、下山へ急いだ。だが、冷え切った身体は思うように動かず、山岳ガイドの早いスピードに皆ついていけなくなった。みな、一人一人となり、初めての山で、どこへ進んでいいのかわからなくなり、そのまま力尽きた。(はっきり言って、これが山岳ガイドがすることだろうかと思ってしまう。客の安全確保が何より優先ではないのか。助けを求めに行くのでも、客が死んでしまっては元も子もない。この山岳ガイドは本当にライセンスガイドなのだろうか?)


こう見ていくと、やはり、山岳ガイドの責任がとても大きいのではないだろうか。
旅行会社が、しっかりと山岳ガイドの技量を確認したのかという指摘もあるのだが、このへんはすごく難しい問題だと思う。あまりにあれやこれや旅行会社が指揮をすると、プロフェッショナルなガイドには不満であろう。旅行会社は、山岳ガイドの信頼に値するデータとともに、徐々に簡単なコースから難度の高いコースへ移行しながら雇用するしかないだろう。
ライセンスを経験と実技や人望などで評価できないものだろうか・・・・

そのような意味からすると、旅行会社の責任はなかったのか、ということになる。

そこで一つ気になるのは、放送「クローズアップ現代」において、山岳ガイドの方々が、「安全運行管理」だけではなく、旅行会社の営業的な立場から帰りの飛行機のことなど日程どおりに遂行しようとする意識が働いてしまう、というようなことを言っていたことだ。
つまり、山岳ガイドに、添乗業務もやらせているという問題である。

 山岳ガイドとは、自分も山が好きで、自分の山の経験を仕事にしている人がほとんどではないか。
そこには、社交的で話上手なイメージはない。
無骨で正直なイメージがある。
そのような者たちが本来、登山者(お客様)のことを考えないわけはないと思う。
仲間(お客様)の安全を考えないわけはない。
そのような者たちに、添乗業務(旅程管理)という別な視点を持たせてしまった。
強いリーダーシップの必要な登山において、サービス業的な判断を重複させた。
添乗員さえいれば、煩雑な作業に意識を奪われることなく、プロのガイドとして、お客との距離を保ちながら、自信ある決断や助言ができたかもしれない。

そして、もしかしたら、旅行会社は、お客に、山岳ガイドを「アンケート」で評価させていたかもしれない。

・ガイドはいかがでしたか?良い 普通 悪い
・ガイドの対応はいかがでしたか?良い 普通 悪い
・ツアーに満足していますか?良い 普通 悪い
というような。

純粋な者ほど、多大なプレッシャーを受ける。
それは、山岳ガイドとしてだけでなく、添乗員としても評価されてしまう。
そのことは、必ずや山岳ガイドとしての意識に変化を与えるはずだ。
彼らの視点は、登山者(お客)から、旅行会社へと間違いなく変わる。
もうその時点で、山岳ガイドではないのではないか・・・・・

放送では、お客についても、観光気分で気軽に参加している!ことを問題視していた。
登山ツアーでは、初心者から熟練者まで、いくつかのカテゴリーに分けている。
確かに、熟練向きなコースに初心者が混ざっていたら、団体の運行はむずかしいと思う。
正確に分けるにこしたことはないが、あまり厳密にしたら、お客にプレッシャーをかけることにもなる。
基本的に、「ツアー登山」なんだ!という意識を参加者に浸透させ、少々のリスクでも日程変更をすることを理解させることも大切ではないだろうか。

 

北海道・遭難・登山ツアー
北海道・登山ツアー事故に思うこと
登山ツアー・リーダーとは?


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