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トルコバス事故の判決

2006年、HISが起こしたトルコバス事故の判決が昨日、東京地裁で下された。
やはり、想像どおり被害者側の敗訴であった。過去の判例どおり、この手の事故で訴えたお客様(被害者)が勝訴したことはない。

新聞の記事を見ると、裁判長の言葉として
「事故は運転手の不適切な運転で起きた」
「他社のツアーも似た内容」
「HISは同じ行程の旅行を繰り返し実施」
「同行添乗員と手配会社には過失はない」・・・・
などの文言が並んでいた。

そして被害者女性の言葉として
「被害者の気持ちが伝わらず、すごく残念だ・・・・会社として最後まで責任を持ち、お客のことを守ってほしい・・・」
と書かれていた。


「被害者の気持ちが伝わらず、すごく残念だ」
この言葉は裁判長および、観光関係者全体へ対して吐かれた言葉だろう。

裁判長の上記の文言が判決理由とするならば、昨年起きた関越道のバス事故であれ何も問題ないということになる。
あの高速ツアーバスだって、
事故は運転手の不適切な運転で起きた・・
他社のツアーバスだって似た内容だった・・
あのツアーを主催した旅行会社だって同じようなバスをあっちこっちに繰り返して実施していたはずだ・・・

なのに、あのツアーを主催した旅行会社『ハーヴェストホールディングス』は、観光庁、運輸局の立入り検査の後、業務停止、廃業に追い込まれてしまった。
また、バスの運行会社である『陸援隊』も、28項目の法令違反ということで廃業させられた。
確かに、両者とも小悪党であるが、それ以上ではない。
しかし、国民感情を背景とした監督機関は、立入り検査に入り、バス事故と直接関係ない取るに足らない違反をたくさん積み重ねて、免許停止、廃業へと追い込んでしまった。

国民の多くは、それでも、そのような小さな違反の積重ねが大事故へつながってしまったのだろうと想像し、両者の廃業を止む終えないと感じ、責任を取らされたと理解した。
その後の各省庁の高速バスの改善策とともに、関越道バス事故の遺族の方々は、悲しみが完全に癒えることはないにしても、「被害者の気持ちが伝わらず、すごく残念だ・・・」という気持ちはなくなったのではないだろうか。
(ただ廃業させてしまっては会社へ慰謝料や賠償金を請求することができなくなるのでは心配であるが)

海外のツアーではそこまで踏み込んで調査することはできないだろう。
海外まで調査員を派遣するほど余裕もないだろう。
いくら世論として、「格安のせいだ!下請けがいじめられているのだ!」と叫んでみても、HISのような大会社に踏み込んでいって、取るに足らない書類の記入ミスをみつけて違反項目を積み上げて業務停止、廃業へ追い込むことができるだろうか。

結局、海外のツアーでは落としどころが決まっているのではないか?
よほど旅行会社の故意でもないかぎり、法的に旅行会社の責任は裁かれない。
後は、被害者側の怒りや悲しみをどのように癒すことができるかということではないか。
もしそれがこじれてしまった場合、今回のように裁判となってしまう。

トルコバス事故では、事故当初から、HISの対応があまりに酷かった。
HISの澤田会長は、被害者へ対して、「我々だって被害者だ!」のような発言をしていた。
初頭の対応がすべての源になって、何年もこじれてしまったのではないだろうか。

たしかこの被害者女性は、HISへ意見を言うためHISの株主にまでなって頑張ってきた人だ。
裁判にまで訴え何年間も争う心労は半端ではないだろう!
私は、このようにこじれてしまった原因をつくった澤田氏自身が、ちゃんと被害者や遺族の前で謝罪すべきだと思う。
そして、裁判長は、とおりいっぺんの判決理由だけ述べるのでなく、もう少し踏み込んだ付帯事項として「安全確保義務」を具体的に明らかにするべきだったと思う。
被害者女性もそのことを望んでいたはずだ。
旅行会社に責任がないとなると、被害にあわれた方々が、直接、海外のバス会社や運転手と損害賠償の交渉をしなければならない。ツアーに参加するまで被害者が知るよしもなかったバス会社や運転手だが、事故が起きれば、一転して被害者が矢面に立たされる。企画や手配した旅行会社素知らぬ顔だ。
このへんのところを旅行会社に代行する責任を附則できないだろうか。


*関越道のバス事故は、昨年の4月29日だった。もうすぐ1年となる。この事故では、乗客7人が亡くなり39人が重軽傷だった。
 その後の国交省はかなり真摯に踏み込んだ改革をおこなっている。
 そして、先日のトルコバス事故の裁判を各新聞、テレビが報道していた。日本中毎日多くの裁判がおこなわれているはずだが、どうしてこの判決を大々的に・・・・と私は思ったが、もしかしたら、ゴールデンウィークを前に旅行会社へ警告の意味もあったのだろうか?


HISの過失認めず トルコバス事故訴訟 海外旅行で被害、補償に高いハードル
2013.4.23 00:43
 産経新聞
トルコ中部コンヤで平成18年、バスが横転し日本人観光客24人が死傷した事故で、負傷した40代の女性がツアーを企画した旅行代理店「エイチ・アイ・エス」(HIS)に約1700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が22日、東京地裁であった。花村良一裁判長は「安全確保義務に違反したとは認められない」として、請求を棄却した。

 花村裁判長は「事故は運転手の不適切な運転で発生し、HISが直接の賠償責任を負わない」と判断。旅行行程の設定やバス会社の選定についても過失を認めなかった。

 事故は18年10月に発生。1人が死亡、23人が重軽傷を負った。原告女性ら8人が21年にHISの賠償を求め提訴し、女性以外の7人は和解が成立している。

 HISは「これまでに引き続き誠意を持って対処していく」としている。

      ◇

 エジプト南部の観光地、ルクソールで19人が死亡した2月の気球墜落など、海外ツアー旅行で日本人が巻き込まれる事故は後を絶たない。旅行会社への賠償請求を棄却した地裁判決は、被害者の補償に高いハードルが存在する現状を浮き彫りにした。


原告の40代女性はバス事故で、左足の指3本を切断するなどの重傷を負った。「何の過失もなく重度の障害が残ったのに、十分な補償がなされないのは納得できない」として約4年に及ぶ訴訟を続けてきた。

 しかし、判決は現地の事業者が起こした事故について「手配代行者の関与しない損害に対する賠償責任は負わない」とした契約約款の規定に言及。旅行会社の責任を限定的に捉え、(1)事故時の旅行行程は他ツアーでも一般的(2)十分な実績のあるバス会社を選定していた-などして請求を退けた。

 賠償は現地の当事者に求めざるを得ないのが実情だが、旅行自体も代理店の仲介を要した被害者が、賠償交渉を直接行うのは極めて困難だ。女性は和解交渉の折り合わなかったHIS側の協力を得られず、訴訟と別にトルコの弁護士に依頼しバス会社側と直接交渉。「個人では費用もかかり、限界があった」と振り返る。

 海外旅行トラブルに詳しい坂井崇徳弁護士は「旅行会社側は法的責任がないといって対応を怠るのではなく、旅行前の情報提供や事故後の交渉について、より一層誠意ある姿勢を示すべきだ」と話している。





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